【一般選抜】神戸市看護大学の小論文の対策【過去問5年分】

松田勇一
監修:松田 勇一アイプラスアカデミーディレクター / 指導歴25年 大手予備校や武田塾等の責任者を歴任後、現在は大学受験専門予備校と看護学部受験専門の予備校を運営。朝日新聞グループ『マイベストプロ愛知』認定の教育のプロとして、毎年多くの受験生を看護学部合格へ導いている。

神戸市看護大学の小論文試験は、看護に対する深い理解と論理的思考力が問われる重要な試験です。

本記事では、過去の出題傾向から効果的な対策方法、高得点を狙うための具体的な書き方まで、合格に必要な情報を網羅的に解説します。神戸市看護大学を目指す受験生の方は、ぜひ最後までご覧ください。

また、神戸市看護大学への出願を迷っている方は「【一般選抜】神戸市看護大学の共通テストボーダーと出願判断の目安」の記事もご覧ください。

この記事でわかること
  • 神戸市看護大学の小論文の傾向がわかる
  • 神戸市看護大学の小論文で求められる内容がわかる
  • 神戸市看護大学の小論文対策の方法がわかる
神戸市看護大学受験予定の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、共通テスト終了後から一般選抜前期に向けての神戸市看護大学の小論文と面接の対策を行なっています。

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神戸市看護大学の小論文の出題傾向

試験時間90分
大問数2題
小論文の字数合計:約1000字程度
配点100点

神戸市看護大学の小論文の基本情報

神戸市看護大学の小論文は90分という限られた時間の中で2つの設問に答えなければなりません。

一見すると90分は長いように見えますが、大問数が2問になるため1問あたり45分程で解かなければいけないです。そのため、時間としては非常にタイトです。

「問題Ⅰ」の傾向

問題Ⅰでは課題文型小論文が出題されます。

(具体的な傾向については、過去問をご確認ください)

「問題Ⅱ」の傾向

問題Ⅱでは課題文型小論文が出題されます。

(具体的な傾向については、過去問をご確認ください)

問題Ⅰの出題テーマから見る小論文の傾向

こちらでは過去の出題テーマを元に神戸市看護大学の出題傾向を解説していきます。
直近2年間の内容も紹介しておりますので、「問題Ⅰはどんな問題が出るか気になる」という方は必見の内容です!

問題Ⅰは人間論・社会論中心の非医療のジャンルから出題

過去の問題Ⅰの課題文の出典は以下のようになっています。

年度課題文の出典ジャンル
2025米虫正巳『習慣(岩波新・哲学講義)3』人間論
2024鈴木正彦・末光隆志『「利他」の生物学』人間論
2023西智弘(編著)『社会的処方』社会論
2022中屋敷均『科学と非科学-その正体を探る-』社会論
2021山本太郎『感染症と文明-共生への道』社会論

問題Ⅰのテーマの内容(直近2年間)

上記では過去の出題テーマを紹介してきました。
では、実際にどのような内容の話が今まで直近で出題されたのかをこちらで紹介をしていきます。

2025年度:米虫正巳 著
『習慣(岩波新・哲学講義)3』

◎どんな内容?
習慣とは単なる反復動作ではなく、私たちの身体や思考、そして社会の規範を根底から形作っている「第二の天性」であることを哲学的に考察する内容です。
普段は意識されない無意識の領域が、いかにして人間の行動や社会文化の維持に寄与しているかを論じています。

◎ここがポイント!
当たり前すぎて見過ごしている慣習を客観的に捉え直し、もしそれが現状に即さない偏見であれば、自らの意志で新しい習慣へと「自己変容」させていく知的な柔軟性が試されます。
自分の価値観を疑い、更新し続ける姿勢を論じることが合格への鍵となります。

2024年度:鈴木正彦・末光隆志 著
『「利他」の生物学』

◎どんな内容?
自分を犠牲にして他者を助ける「利他行動」が、生存競争の激しい自然界でなぜ進化し、人間社会の道徳や社会性の根源となったのかを生物学的な視点から分析する内容です。
協力が結果として種全体の生存に有利に働くという「共生の原理」を解き明かしています。

◎ここがポイント!
看護職の根底にある「助けたい」という利他的な感情を、単なる個人の善意や道徳に留めず、社会全体を維持し持続させるための「生存戦略」として客観的に捉え直す広い視野が求められます。 科学的な視点と人間社会の調和を結びつけて論じる力が試されます。

問題Ⅰは何が求められるの?

神戸市看護大学の問題Iで一貫して問われているのは、単なる文章読解力ではありません。
大切なのは、「当たり前だと思われている習慣や概念を客観的に問い直し、多角的な視点から人間や社会の本質を洞察する力」です。
2025年度の「習慣」や2024年度の「利他性」といった人間論から、過去の「社会的処方」「科学」「感染症」といった社会論に至るまで、共通しているのは「既存の価値観を疑い、論理的な根拠に基づいて自らの考えを更新・発展させていく自己変容の姿勢」です。
この柔軟な論理的思考こそが、合格に近づくポイントになってきます。

実際の設問はどのように出題されていた?

上記の内容を踏まえて直近年度の設問では何が求められていたのかを見ていきましょう!

2025年度過去問

以下の文章を読んで設問に答えなさい。

(本文省略)

(米虫正巳『習慣(岩波新・哲学講義)3』)

設問1:下線部(A)について、筆者はこれと相反する性質をもった習慣についても語っているが、それはどのような習慣のことであるか、本文中の言葉を用いて説明しなさい。

設問2:下線部(B)に関連して筆者は習慣を身につけることのうちに、その習慣の背景にある社会的文脈や歴史を継承する、という側面を見出している。では、社会的・歴史的に受け継がれてきた習慣とは、下線部(C)で挙げられているような、自由や創造性と対立する習慣であるのか、あるいは自由や創造性を可能にする習慣であるのか、本文の内容を踏まえつつ、あなたの考えを400字で述べなさい

-神戸市看護大学2025年度小論文過去問

2024年度過去問

以下の文章を読んで、後の設問に答えなさい。

(本文省略)

(鈴木正彦・末光隆志 著『「利他」の生物学』)

設問1:筆者が下線部(1)と述べている理由を本文中の言葉を使って70字以内で記述しなさい。

設問2:社会生活の中であなたが利他的行動だと思う具体例をあげ、その行動が利他的行動である説明と利他的行動出ない理由を250字以内で記述しなさい。

-神戸市看護大学2025年度小論文過去問

問題Ⅱの出題テーマから見る小論文の傾向

こちらでは過去の出題テーマを元に神戸市看護大学の出題傾向を解説していきます。
直近2年間の内容も紹介しておりますので、「問題Ⅱはどんな問題が出るか気になる」という方は必見の内容です!

問題Ⅱは医療福祉の分野から出題される

過去の問題Ⅱの出題テーマは以下のようになっています。

年度課題文の出典ジャンル
2025加藤エリカ『訪問看護での倫理的課題の傾向と解決の糸口を見出す方策』医療(医療倫理)
2024鳥羽美香 ・藤谷克己・大橋幸子『エイジズムとパターナリズム-東アジアにおける福祉・医療専門職養成の課題』福祉(医療倫理・社会福祉)
2023バーバラ・J・キング(著)/秋山勝(訳)『死を悼む動物たち』医療(生命倫理)
2022伊藤亜紗『手の倫理』医療(ケア論・身体論)
2021日野原重明『いのちの使い方【新版】』医療(生命倫理)

問題Ⅱのテーマの内容(直近2年間)

上記では過去の出題テーマを紹介してきました。
では、実際にどのような内容の話が今まで直近で出題されたのかをこちらで紹介をしていきます。

設問の内容は?

2025年度:加藤エリカ 著
『訪問看護での倫理的課題の傾向と解決の糸口を見出す方策』

◎どんな内容?
病院という管理された環境とは異なり、患者の生活習慣や家族の価値観が優先される「在宅」という場特有の看護の難しさを扱っています。 医学的な「正しさ」と、本人や家族が望む「幸せ」が対立した際に生じる倫理的ジレンマ(葛藤)が主なテーマです。

◎ここがポイント!
正解が一つではない状況下で、患者の自律を尊重しながら家族の生活背景にも配慮し、看護師としていかに多角的な合意形成を図るかという「調整力」が問われます。 現場の複雑さを理解した上で、倫理的な判断の根拠を明確に述べる必要があります。

2024年度:鳥羽美香 ・藤谷克己・大橋幸子
『エイジズムとパターナリズム-東アジアにおける福祉・医療専門職養成の課題』

◎どんな内容?
高齢者に対する「何もできない」という無意識の偏見(エイジズム)が、医療者側の「良かれと思った過干渉(パターナリズム)」を正当化してしまう社会構造を厳しく批判する論説です。
支援が相手の尊厳を奪う可能性を指摘しています。種全体の生存に有利に働くという「共生の原理」を解き明かしています。

◎ここがポイント!
支援者側の「良心」が、時として患者を支配し自律を妨げる牙になることを自覚しているかという、深い内省力が問われます。
患者を一方的な「弱者」として扱うのではなく、対等な意思決定のパートナーとして尊重するための具体的な姿勢を論じることが重要です。

問題Ⅱは何が求められるの?

問題IIで一貫して問われているのは、看護・医療・福祉の現場における「正解のない問いに向き合い続ける倫理性」です。大切なのは、単なる医学的な知識ではなく、「患者の自律と尊厳を最優先し、支援者側の無意識の偏見(エイジズム)やパターナリズム(過干渉)を厳しく内省する力」です。

近年の「訪問看護の倫理」から、過去の「死生観」「身体論」「生命倫理」に至るまで、常に「現場の複雑な人間関係の中で、いかに対等なパートナーシップを築き、最善のケアを模索するか」という具体的な姿勢が問われています。他者への深い想像力と、自己の立ち振る舞いを律する倫理観を示すことが、合格への鍵となります。

実際の設問はどのように出題されていた?

上記の内容を踏まえて直近年度の設問では何が求められていたのかを見ていきましょう!

2025年度(令和7年度)過去問

Aさんのお宅に定期的に訪問する看護(訪問看護)に関する看護師の文章を読んで、設問に答えなさい。

(本文省略)

(加藤エリカ『訪問看護での倫理的課題の傾向と解決の糸口を見出す方策』)

設問1:訪問看護が開始されてまもなくは、慌てたり苛立ったりした様子であった長男は、Aさんの介護と療養支援に主体的に関わる姿勢へとどのように変化していったのか、またそのような変化を促した看護師の働きかけは何かを本文中の言葉を用いて説明しなさい。

設問2:当初、Aさんは下線部(A)のように呟いていましたが、ポータブルトイレを使用して下線部(B)のように変化しました。(A)(B)それぞれの背景と(A)から(B)に変化した理由、そしてそのような変化につながった看護師の働きかけについて500字以内で説明しなさい。

-神戸市看護大学2025年度小論文過去問
2024年度(令和6年度)過去問

以下の文章を読んで、あとの設問に答えなさい。

(本文省略)

(鳥羽美香 ・藤谷克己・大橋幸子『エイジズムとパターナリズム-東アジアにおける福祉・医療専門職養成の課題』)

設問1:エイジズムの定義について、作者が述べている定義と海外で初めて提唱された定義を記述しなさい。

設問2:下線部①について、作者がどのようなところからエイジズムに陥る可能性があると述べているのか、本文に沿って200字以内で説明しなさい。

設問3:高齢者の運転以外に、現代の社会において、あなたがエイジズムである、またはエイジズムになっていると感じるものは何ですか。具体的な例をあげて説明するとともに、そのエイジズムに対するあなたの考えを450文字以内で記述しなさい。

-神戸市看護大学2024年度小論文過去問

神戸市看護大学の小論文の解き方ポイント

ここまで出題テーマや出題パターンで神戸市看護大学の小論文の傾向を紹介してきました。 では、入試の時にはどのようなポイントを押さえて解いていけばいいのかをこちらで紹介していきます!

課題文の正確な読み取りが重要

神戸市看護大学の小論文では、課題文を正確に読み取る力が求められます。 近年の設問(2024・2025年度)を見ると、「本文中の言葉を用いて説明しなさい」という指示が頻出しています。 課題文を読む際は、以下のポイントに注意しましょう:

① キーワードや重要概念を見逃さない
筆者が独自に定義している言葉(例:2025年「習慣」、2024年「利他」、2022年「手の倫理」など)を正確に抽出してください。

② 筆者の主張と具体例を区別する
設問で「具体例をあげて」と問われることも多いため、理論部分と実例部分を分けて整理しながら読み進めましょう。

③ 問題文が指定している箇所を正確に把握する
下線部の直後だけでなく、文章全体の文脈から根拠を探す広い視野が必要です。

「看護職を目指す者」としての視点が必要

神戸市看護大学の小論文では、単なる一般論ではなく、「看護職を目指す者としての倫理観と想像力」が強く求められます。 特に問題IIでは、以下の視点を意識して論述を構成しましょう

① 患者の自律と尊厳を守る姿勢
支援者の「良かれ」という思い込み(パターナリズム)を排し、本人の意思を尊重する姿勢を示します。

② 現場の複雑さへの想像力
訪問看護など「生活の場」での葛藤に対し、多角的な人間関係(家族や多職種)を考慮した調整を考えます。

③ 内省的な態度
自分の中にある無意識の偏見(エイジズムなど)を自覚し、それを律しようとする謙虚な姿勢が評価されます。

④ 共生社会への貢献
個人へのケアに留まらず、社会全体のつながりや仕組みを改善しようとする広い視点(社会的処方など)を持ちましょう。

制限時間内に処理する能力が必要

神戸市看護大学の小論文は90分で大問2題を解かなければなりません。
1問あたり45分程度で解く必要があるため、以下のような時間配分を心がけましょう。

推奨時間配分(1問あたり)

①課題文の読解:15分
②構成の検討(メモ作成):5分
③論述(400〜500字程度):20分
④見直し:5分

神戸市看護大学の小論文の対策

ここまで説明した出題傾向から神戸市看護大学の小論文の対策方法をまとめていきます。

基本の型をマスターする

小論文は一見、明確な正解が見えないことから「対策が難しい」という印象を持たれがちです。

しかし、小論文は実を言うと普通科目よりも応用は効きやすいです。
理由としては、どのような形式の問題でも書き方の基本は同じだからです。

小論文というのは

序論・本論・結論


この構成に沿って書くことができれば、どんな問題も一通り書けるようになります。
そのため、対策を始める際は、まず初めに基本の型をマスターするというところから取り組んでいきましょう!

幅広い文章を読む習慣をつける

多様な分野の読書が効果的

神戸市看護大学では、問題Iで哲学や生物学、問題IIで臨床倫理や身体論など、多岐にわたる出典が選ばれます。 日頃から以下のような分野の本を読み、**「抽象的な概念を具体的に捉え直す練習」**をしておくと、課題文の理解が容易になります:

  • 哲学・人間論:自己と他者、習慣、身体性(例:米虫正巳、伊藤亜紗など)
  • 生物学・科学論:利他性、進化、感染症と文明(例:鈴木正彦、山本太郎など)
  • 医療倫理・福祉論:パターナリズム、自律尊重、エイジズム、社会的処方

看護師に求められる視点や考え方を理解しておく

看護師を目指す受験生によくある傾向が、単なる「優しさ」や「感情的な同情」だけで書いてしまうことです。 しかし神戸市看護大の過去問では、「支援者の無意識の支配」や「現場での調整機能」といった、より高度な専門的視点が問われています。 客観的な倫理基準に基づき、患者を一人の自律した人間として尊重する視点を、演習を通じて身につけていきましょう。

小論文の力をつけるには過去問演習が最適

神戸市看護大学の小論文対策では、複数年分の過去問に取り組み、「問題Iの論理性」と「問題IIの倫理性」の出し分けを体得することが重要です。
小論文は自分では評価しにくいだけでなく、特に神戸市看護大の場合は「看護・医療の現場感覚」が合否を分けます。
必ず看護・医療の専門知識を持つ人に添削を依頼し、内容の妥当性を厳しくチェックしてもらいましょう。

神戸市看護大学は10年以上問題が変わらない!

過去問演習を行う際に、よく受験生からは「出題形式が途中で変わってしまった」という声が上がります。
そのほかにも「出題テーマが変わってしまった」という声も上がってきます。

ですが、神戸市看護大学は2025年度〜2014年度まで12年分過去問を遡っても、出題形式・出題テーマは変わっておらず一貫して「人間論・社会論・医療福祉」で出題をされてきています。

そのため、過去問演習をするには非常に選択肢が豊富です。

共通テスト後の短い期間でもみっちりと対策ができます!

さいごに

ここまで、神戸市看護大学の小論文対策を紹介してきました。

ですが、問題・過去問演習だけでは不十分です。なぜなら、小論文は自分では評価できないからです。

論理展開に矛盾はないか、具体例は適切か、制限字数に対して内容は十分か――こうした点は、自分だけでは客観的に判断することが難しいのです。

そのため、看護の視点について理解のある人に書き方と内容について添削をしてもらうことが大切です。

学校の先生、予備校の講師、看護系に詳しい指導者など、第三者の目を通すことで、自分では気づけなかった改善点が見えてきます。

共通テストが終わってから本格的に神戸市看護大学の小論文の対策を始める受験生がほとんどですので、過去問演習と第三者の添削を組み合わせて、一つでも多くの課題に取り組み、万全な状態にしていきましょう!

この記事を書いた人

安井玲音

看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。

【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。

神戸市看護大学受験予定の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、共通テスト終了後から一般選抜前期に向けての神戸市看護大学の小論文と面接の対策を行なっています。

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