滋賀医科大学看護学科の小論文の傾向と対策【一般選抜】

松田勇一
監修:松田 勇一アイプラスアカデミーディレクター / 指導歴25年 大手予備校や武田塾等の責任者を歴任後、現在は大学受験専門予備校と看護学部受験専門の予備校を運営。朝日新聞グループ『マイベストプロ愛知』認定の教育のプロとして、毎年多くの受験生を看護学部合格へ導いている。

滋賀医科大学看護学科の小論文試験は、120分で英文読解を含む2問を解く必要があり、医療や社会に対する深い理解と論理的思考力が問われる重要な試験です。

「英文の課題文が出るって聞いたけど、どう対策すればいいの?」「論述の型がわからない…」そんな不安を抱えている受験生の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、過去5年分の出題傾向の分析から、英文読解のコツ、効果的な論述の型、そして合格に必要な具体的な対策方法まで、滋賀医科大学看護学科の小論文で高得点を狙うために必要な情報を網羅的に解説します。

共通テスト後からでも間に合う対策法もご紹介しますので、滋賀医科大学を目指す受験生の方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • 滋賀医科大学の小論文の傾向がわかる
  • 滋賀医科大学の小論文で求められる内容がわかる
  • 滋賀医科大学の小論文対策の方法がわかる
滋賀医科大学受験予定の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、共通テスト終了後から一般選抜前期に向けての滋賀医科大学の小論文と面接の対策を行なっています。

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滋賀医科大学看護学科の小論文の出題傾向

基本情報
試験時間120分
大問数2問
小論文の字数1000〜1300字程度
※年度により異なります
配点300点
滋賀医科大学看護学科の小論文の基本情報

滋賀医科大学の小論文は120分という限られた時間の中で2つの設問に答えなければなりません。

  • 「大問1」の傾向
    大問1は例年英文の課題文型小論文です。
    大問の中には2〜4問程度の小問が設定されています。設問1では下線部の内容理解を伴う簡単な説明、設問2では下線部内容の和訳、設問3では本文内容を踏まえた意見論述の構成になります。
    年度によっては、論述のみの年度もありますが基本的には上記のような内容になっています。
  • 「大問2」の傾向
    大問2は2024年度から小問が3〜4問の形式になりました。
    設問1〜2では漢字の書き取りや語彙などの知識問題、設問2〜3では本文の内容説明、設問3〜4で本文の内容を踏まえた意見論述となっています。

小問を含めると120分間で6〜8問を解いていかなければならないため、時間としては非常にタイトです。また、大問1が英文読解になるため読解の時間をなるべく短くすることが、合否を分けるポイントだと言えます。

小論文は看護師としての資質を重視している!

滋賀医科大学看護学科はアドミッションポリシーで以下の内容を掲げています。

1.看護学の修得に必要な幅広い基礎学力と応用力を有する者
2.十分なコミュニケーション能力を持ち、協調性や他者への思いやりのある者
3.能動的学習や生涯学習ができ、看護学の修得や課題の探究に真摯に取り組む者
4.地域医療に深い関心や貢献する意欲を持つ者

大学入学共通テスト、小論文、面接及び調査書(地域医療枠は志願理由書を含む)を総合して選
抜を行う。大学入学共通テストによる学力評価に加え、小論文で理解力、思考力及び表現力等の理
論的に判断・推理を重ねて対象をとらえる力を測り
、面接及び調査書等の提出書類では論理性、協
調性、コミュニケーション能力等を評価する。

-滋賀医科大学2026年度募集要項

大学側は上記の内容を元に合否の判断をし、医療現場で活躍するための出発点に立つに相応しい人物を求めています。

また、小論文では文部科学省で定める学力の3要素の「思考力・判断力・表現力等」という記載があるため、小論文を書く際はその3点の要素と学校が求める人物像を考えながら書いていきましょう。

滋賀医科大学看護学科の小論文の過去問の出題構成

滋賀医科大学看護学科の小論文は大問1・2ともに課題文型小論文の形式を採用しています。

2024年度以前は説明・論述の2問構成でしたが、2024年度以降は知識+説明+論述の3~4問構成になりました。大問の設問数は2問のままで、内容に関しても大問1が「英文読解」、大問2が「日本文読解」というところは過去10年分の問題を遡りましたが変わっていません。

直近5年間のテーマに関しては以下のように出題されています。
※大問番号は①②で表記をしています。

年度出題テーマジャンル
2025①The Nobel Prize in Literature 2023(Jone Fosse Podcast) Novel Prize Conversations
②養老孟司『ものがわかるということ』
①人間・社会(文学・文化)
②人間・社会(認識論・哲学)
2024①BBC News. “Asia is spending big to battle low birth rates-will it work?”
②永田和宏『知の体力』
①医療・福祉(社会問題・人口政策)
②人間・社会(教育・知的活動)
2023①Grosso G,et al.Nutrition in the context of the Sustainable Development Goals.
②大栗博司『探求する精神:職業としての基礎科学』
①医療・福祉(公衆衛生・栄養)
②人間・社会(科学哲学・探求心)
2022①World Health Organization『Ethics governance of artificial intelligence for health』
②池上彰 『社会に出るあなたに伝えたい なぜ読解力が必要なのか?』
①医療・福祉(AI倫理・医療技術)
②人間・社会(教育・リテラシー)
2021①Adapted from Clayton M.Christensen, The innovator’s prescription:a disruptive solution for health care,McGraw-Hill;2009
②斎藤孝『読書力』
①医療・福祉(医療イノベーション・医療技術)
②人間・社会(教育・リテラシー)

上記のように滋賀医科大学は大きく分けると医療・福祉人間・社会のジャンルから出題されます。大問1で医療・福祉大問2で人間・社会のジャンルから出題される傾向があります。

そのため、入試の出題も上記の4ジャンルから出るものと考えられます。
ただ、年度によって逆転している年もあるため、例えば「大問1は医療福祉から絶対出る!」というように問題の出題順とテーマの紐付けは控えておきましょう

昨年度はどんな問題が出た?

ここまで出題内容を紹介してきましたが、「実際にどんな出題がされたの?」と気になる方もいるかと思います。

こちらでは、2025年度入試で出た問題を元に傾向を紹介していきます。

大問1:The Nobel Prize in Literature 2023(Jone Fosse Podcast) Novel Prize Conversations

◎どんな内容?
2023年にノーベル文学賞を受賞したヨン・フォッセ氏へのインタビュー内容です。文学や演劇が、単なる物語の伝達を超えて、人間の魂や「言葉にできないもの」をいかに表現するか、またその普遍的な価値について語られた内容です。

◎ここがポイント!
設問では、英文の内容を正確に把握した上で、「文学や芸術が持つ力」や「沈黙の重要性」を現代社会と結びつけて考察する力が問われました。論理的な英語読解力はもちろん、筆者の哲学的な視点を自分の言葉で再構成する「深い洞察力」が試されています。

大問2:養老孟司 『ものがわかるということ』

◎どんな内容?
「わかる」ということが、単に知識を得ることではなく、身体感覚や経験を通じて「自分が変わる」ことであると説いた内容です。AIやデジタルデータで何でも説明できると思われがちな現代において、人間が本来持っている感覚や、自然の一部としての自己を再発見することの重要性が語られています。

◎ここがポイント!
設問では、著者の説く「わかる」の定義を整理した上で、それを踏まえた「看護職における患者理解のあり方」や「自分自身の成長の展望」を論述させる形式が想定されます。単なる要約ではなく、著者の思考を自分の血肉として、プロを目指す上でのビジョンにどう昇華させるかという「自己の教育・人間形成」の姿勢が試されています。

2025年度の問題では何が求められていたの?

2025年度の試験は、大問1と2を合わせると、データや数字だけでは分からない**「人の心の深い部分」を理解する力があるかが問われています。

大問1の「言葉にできない気持ち(文学)」や、大問2の「経験して初めて自分のものになる知識」は、どちらも今の便利な世の中で忘れられがちなものです。でも看護の現場では、検査の数字(データ)だけを見るのではなく、患者さんの「なんとなく不安……」という言葉にならないサインに気づく想像力がとても大切になります。

まとめると、本を読んだり色々な経験をしたりして自分の考えを深め、相手のことを色々な角度から見つめる力、そして自分をどんどん成長させていこうとする意欲が、合格のために一番求められています。

実際の設問では何が聞かれた?

上記の内容を踏まえて、入試ではどのようにして出題されたのかを見ていきましょう。

大問1(2025年度)

以下の文章を読み、設問に日本語で答えよ。(配点150点)
なお右上に*印のついた語句には注がある。

(本文省略)

設問1:Jon Fosse氏の音楽との付き合い方はどのように変化してきたか、50字以内で述べよ。
設問2:下線部(1)の it を具体的に明記し、和訳せよ。
設問3:Adam Smith氏は、jon Fosse氏へのインタビューを通じて下線部(2)のように述べている。この内容を踏まえ、あなたの考えを400字以内で述べよ。

-滋賀医科大学看護学科2025年度小論文過去問
大問2(2025年度)

以下の文を読み、設問に答えよ。(配点150点)

(本文省略)

設問1:下線部(1)の文章の意味することを、あなたの経験から250字以内で述べよ。
設問2:下線部(2)の言葉について、500字程度であなたの考えを述べよ。

-滋賀医科大学看護学科2025年度小論文過去問

このような形で出題されます。
大問1・2で和文英文と異なってはいますが、下線部の内容を理解していないと問題が解けない仕様になっています。
そのため、文章全体の理解をした上で、下線部の内容への深い理解をすることが問題を解く上の必要なことになってきます。

滋賀医科大学看護学科の小論文の解き方のポイント

ここまで出題テーマや出題パターンで滋賀医科大学看護学科の傾向を紹介してきました。
では、入試の際にはどのようなポイントで解いていけばいいのかを紹介していきます。

英文読解のスピードが合否の分かれ目

滋賀医科大学の最大の特徴は、大問1が英語の課題文であることです。

120分という限られた時間の中で、英文読解→内容説明→和訳→論述という複数のタスクをこなす必要があります。そのため、英文の読解スピードが合否に直結します。

英文読解で意識すべきポイント

段落ごとに要旨を掴む習慣をつける

医療系や社会問題を扱った英文では、各段落に「問題提起→具体例→主張」という明確な構造があります。全文を精読しようとせず、段落の最初と最後の文を重点的に読むことで、全体の論旨を素早く把握できます

専門用語に惑わされない

医療・福祉分野の英文には、nutrition(栄養)、artificial intelligence(人工知能)、birth rate(出生率)などの専門用語が頻出します。しかし、これらは文脈から意味を推測できることがほとんどです。わからない単語があっても立ち止まらず、文章全体の流れを優先しましょう

設問を先に読んでから本文を読む

下線部の場所や問われる内容を事前に把握することで、読解の際に「どこに注目すべきか」が明確になります。これにより、無駄な精読を避け、時間を大幅に節約できます。

下線部読解で押さえるべきこと

下線部だけでなく前後の文脈を必ず読む

下線部の意味は、その前後2〜3文に必ずヒントがあります。特に「この内容を踏まえ」「これに関連して」という指示がある場合、下線部を含む段落全体の論旨を把握する必要があります。

筆者の意図や問題意識を汲み取る

単なる内容説明ではなく、「なぜ筆者はこれを主張しているのか」という背景を考えましょう。2025年度の問題で言えば、「言葉にできないものの価値」や「経験を通じて人は変わる」という著者の根本的な問題意識が、論述の軸になります。

自分の言葉で言い換える練習

設問で「あなたの経験から述べよ」「あなたの考えを述べよ」とある場合、課題文の表現をそのまま使うのではなく、自分なりに咀嚼した言葉で表現することが評価のポイントです。

「看護を目指す者」としての視点を忘れない

滋賀医科大学の小論文は、単なる一般教養の試験ではありません。看護学科の入試である以上、常に「この内容を看護の現場でどう活かすか」という視点が求められます。

看護職としての視点の具体例

例1:文学や芸術の価値(2025年度大問1)
→ 患者さんの「言葉にできない不安や痛み」を想像し、寄り添うために、文学的な感受性が重要である。

例2:「わかる」ことの本質(2025年度大問2)
→ 看護は知識だけでなく、実際に患者さんと接する中で身体感覚として学んでいくものである。

例3:少子化対策(2024年度大問1)
→ 母子保健や地域医療の担い手として、どのように社会課題に向き合うか。

このように、一般的な社会問題や哲学的なテーマであっても、必ず「看護」という軸に引き寄せて論じることが、高評価につながります。

時間配分の徹底

滋賀医科大学看護学科の小論文は120分で大問2問(小問単位では5〜7問)を解いていかなければなりません。特に大問1が英文読解になるため、英文読解で手間取ってしまうと論述の時間が足りなくなってきます。

そのため以下のような時間配分を参考に問題に取り組んでいきましょう。

時間配分のおすすめ

【大問1(英文読解)】60分

  • 英文読解:20分
  • 設問1(内容説明):10分
  • 設問2(和訳):10分
  • 設問3(論述400字):20分

【大問2(日本文読解)】55分

  • 課題文読解:10分
  • 設問1(経験を踏まえた論述250字):15分
  • 設問2(意見論述500字):30分

【見直し】5分

この時間配分を守るためには、読解の段階で時間をかけすぎないことが最重要です。特に英文は、完璧に理解しようとせず、「論旨が掴めたら次へ進む」という割り切りが必要です。

論述は「序論・本論・結論」の型を守る

滋賀医科大学の論述問題は、400字〜500字という比較的長めの字数が求められます。この字数で説得力のある文章を書くには、明確な構成が不可欠です。

入試では以下のようにして組み立てられるのがベストです。

【序論】課題文の要点を簡潔にまとめる(100字程度)
→「筆者は〜と述べている」という形で、下線部の内容を自分の言葉で整理します。

【本論】具体例や自分の経験を交えて論じる(250字程度)
→「例えば」「実際に」などの接続詞を使い、抽象的な主張を具体化します。看護の現場や自分の体験と結びつけることで、説得力が増します。

【結論】看護職を目指す者としての展望を示す(150字程度)
→「だからこそ私は看護師として〜」という形で、学びを将来にどう活かすかを明示します。

滋賀医科大学看護学科の小論文対策

ここまで説明した出題傾向から滋賀医科大学看護学科の小論文の対策方法について方法をまとめていきます。

まずは基本の型から身につける

小論文対策でまず初めに身に付けたいのが型の定着です。

基本の型を身につけて定着をさせることで、課題文のパターンや文章量が変わっても対応ができるようになります。

基本の型を定着させることができれば、構成にかける時間を少なくすることができます。

構成にかける時間が少なくなればその分、課題文の読解に時間を使うことができるようになります。

そのため「小論文対策、何から始めればいいかわからない!」という方は基本の型を身につけるところからスタートしていきましょう。

英語力と読解力を並行して鍛える

滋賀医科大学の最大の特徴である英文課題文に対応するには、日頃からの英語学習が不可欠です。

効果的な英語対策

医療・社会問題に関する英文記事を読む

BBC News、The Guardian、Scientific Americanなどの英語メディアで、医療・福祉・教育に関する記事を定期的に読みましょう。専門用語に慣れるだけでなく、英語での論理展開のパターンが身につきます。

英文要約の練習をする

共通テストのリーディング問題や、長文読解の問題集を使い、「この段落の要旨は?」と自分に問いかけながら読む習慣をつけましょう。これにより、本番での読解スピードが格段に上がります。

和訳は「意訳」を意識する

滋賀医科大学の和訳問題では、直訳ではなく文脈に沿った自然な日本語が求められます。英文和訳の参考書を使い、「この英文が伝えたいことは何か」を考えながら訳す練習をしましょう。

看護職としての視点を常に意識する

一般的な小論文対策だけでなく、「なぜ看護師を目指すのか」「看護師に求められる資質とは何か」を日頃から考えておくことが重要です。

論述の中でも「自分が看護師なら」というように看護への紐付けを意識して問題演習に取り組んでいきましょう。

過去問演習+第三者の添削で万全の対策を!

ここまで、滋賀医科大学の小論文対策として英語力・読解力・看護の視点の3本柱を紹介してきました。

ですが、過去問演習だけでは不十分です。なぜなら、小論文は自分では評価できないからです。

論理展開に矛盾はないか、看護の視点は適切か、制限字数に対して内容は十分か――こうした点は、自分だけでは客観的に判断することが難しいのです。

そのため、看護の視点について理解のある人に書き方と内容について添削をしてもらうことが大切です。

学校の先生、予備校の講師、看護系に詳しい指導者など、第三者の目を通すことで、自分では気づけなかった改善点が見えてきます。

また、滋賀医科大学だけでなく、他校の英文+日本文の課題文型小論文にも積極的に取り組むことをおすすめします。同じパターンの問題に数多く触れることで、どんな形式でも対応できる応用力が身につきます。

共通テストが終わってから本格的に滋賀医科大学の小論文の対策を始める受験生がほとんどですので、過去問演習と第三者の添削を組み合わせて、一つでも多くの課題に取り組み、万全な状態にしていきましょう!

この記事を書いた人

安井玲音

看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。

【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。

滋賀医科大学受験予定の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、共通テスト終了後から一般選抜前期に向けての滋賀医科大学の小論文と面接の対策を行なっています。

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