川崎市立看護大学の学校推薦型選抜の小論文について、過去4年分の出題傾向の分析と具体的な対策方法を解説します。
川崎市立看護大学は、2022年に開学した比較的新しい公立大学でありながら、学校推薦型選抜の小論文の完成度が非常に高く、しっかりとした対策なしには太刀打ちできない入試です。アイプラスアカデミーでも複数名の合格者を輩出しており、一般入試では約3週間の短期間での対策で合格を勝ち取った実績があります。
こちらの記事では、4年分の出題テーマを徹底分析した上で、合格答案を書くための具体的な対策をお伝えします。ぜひ最後まで読んでください!
なお、川崎市立看護大学の一般選抜(前期)の小論文の対策についてはこちらの記事をご確認ください。
アイプラスアカデミーでは、川崎市立看護大学 推薦入試の小論文と面接・出願書類の対策を行なっています。
入試直前期は川崎市立看護大学の開学からの全4年分の過去問と傾向に合わせた予想問題の演習を行います!
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- 過去4年間の出題テーマと出題形式の傾向
- 川崎市立看護大学の小論文で求められている力
- 資料読み取り型・課題文型それぞれの攻略法
- 800字の字数制限の中で合格等案を書くための構成と対策
過去4年間の出題テーマ一覧
まず過去4年分の出題を一覧で把握しておきましょう。傾向を俯瞰することで、どんな力が求められているかが見えてきます。
| 年度 | 出題形式 | テーマ |
|---|---|---|
| 令和4年度(2022) | 課題文型 | 「語る」と「語り合う」の違いとコミュニケーションで大切にしていること |
| 令和5年度(2023) | 課題文型 | マスク着用のメリット・デメリットと対応策 |
| 令和6年度(2024) | 資料・文章読み取り型 | 少子化・人口動態統計から見る医療従事者の確保への影響 |
| 令和7年度(2025) | 資料・文章読み取り型 | ヤングケアラーに生じやすい影響 |
出題傾向の分析
4年分のデータから見えてくる傾向を詳しく分析します。ここを理解しているかどうかで、対策の方向性が大きく変わります。
出題形式は「課題文型」と「資料分析型」の2パターン
過去4年を見ると、課題文型と資料分析型が交互に出題されています。どちらの形式が来ても対応できるよう、両方の練習をしておくことが必要です。
課題文型(令和4・5年度)は、与えられた文章を正確に読み取った上で自分の考えを述べる形式です。
資料分析型(令和6・7年度)は、グラフや表・文章から情報を読み取り、自分の考えを展開する形式です。どちらも「読み取る力」と「論じる力」の両方が問われています。
テーマは「医療・社会課題」に直結している
令和5年度のマスク問題、令和6年度の少子化・医療人材不足、令和7年度のヤングケアラーと、すべて現代の医療・社会課題と看護に直結するテーマが出題されています。
令和4年度のコミュニケーションテーマも、看護師に必要不可欠な対人スキルという点で医療との接点が明確です。つまり川崎市立看護大学の小論文は「看護・医療の視点で社会問題を考えられるか」を一貫して問い続けています。
字数は一貫して800字以内
4年間すべて800字以内という統一されたフォーマットです。多すぎず少なすぎず、論理的にまとめる力が問われる字数です。「800字ぴったり書く」ことを目標にするのではなく、700〜800字の範囲で論旨が完結している答案を目指しましょう。
「あなたの考えを述べなさい」が一貫した問い
どの年度も最終的には「あなたの考えを述べなさい」という形で締めくくられています。
資料や課題文の内容を要約するだけでは不十分で、必ず自分の主張・意見を明確に示すことが求められています。
各年度の出題解説と攻略ポイント
ここでは各年度のテーマの特徴と、どう答案を組み立てるべきかを解説します。過去問を解く際の参考にしてください。
令和4年度:「語る」と「語り合う」の違いとコミュニケーション
河合隼雄の著書からの抜粋を読み、「語る」と「語り合う」の違いを述べた上で、自分がコミュニケーションで大切にしていることを論じる問題です。
この問いで問われていること
一見コミュニケーション論の問いに見えますが、実質的には「看護師として患者・家族とどう向き合うか」という問いです。「語り合う」ためには相手に対して自分を「開く」必要があるという課題文の核心と、看護における傾聴・共感・信頼関係の構築をつなげて論じられた答案が高評価を得ます。
攻略のポイント
課題文に書かれている「語る」と「語り合う」の違いを自分の言葉で正確に整理した上で、看護の現場での具体的な場面(患者への声かけ・チーム内での連携など)と結びつけて「自分が大切にしていること」を論じましょう。
令和5年度:マスク着用のメリット・デメリットと対応策
マスク着用の功罪を論じた課題文を読み、メリット・デメリットを読み取った上で「対応策」について自分の考えを述べる問題です。
この問いで問われていること
メリット・デメリットを単純に列挙するだけでは不十分です。
重要なのは「対応策」をどう論じるかです。課題文はマスクの弊害を強調する論調ですが、だからといってそのまま「マスクを外すべき」と書いてしまうと思考の浅い答案になります。感染予防の観点・個人の健康への影響・社会全体の利益を多角的に踏まえた「看護師的な視点での対応策」が求められます。
攻略のポイント
医療者・看護師の立場から見ると、マスクは患者を守るためのものでもあります。課題文の論調に引っ張られすぎず、感染管理と個人の健康のバランスをどう取るかという視点で対応策を論じましょう。
令和6年度:少子化・人口動態統計から見る医療従事者の確保
出生数・婚姻数の推移グラフと人口動態に関する文章を読み、「医療に従事する人材の確保において今後どのような影響が生じるか」を論じる問題です。
この問いで問われていること
グラフからデータを正確に読み取り、それを医療人材の確保という問題に論理的につなげる力が問われています。「少子化が進む→若い世代が減る→看護師の担い手が減る」という単純な流れだけでなく、高齢化による医療需要の増大との二重のプレッシャーまで視野に入れた答案が評価されます。
攻略のポイント
グラフの数値を具体的に引用しながら(「2022年の出生数は約80万人を初めて割り込み」など)、それが看護・医療人材の確保にどう影響するかを論じましょう。
対策として看護師の働き方改革・外国人人材の活用・テクノロジーの活用などに触れると論の幅が広がります。
令和7年度:ヤングケアラーに生じやすい影響
ヤングケアラーの出現率・ケアをする頻度・1日あたりのケア時間に関する調査データを読み、「ヤングケアラーにはどのような影響が生じやすいか」について自分の考えを述べる問題です。
この問いで問われていること
表のデータを正確に読み取った上で、ヤングケアラーが直面している現実を多角的に分析する力が問われています。「学業への影響」「心身への影響」「社会的孤立」「将来設計への影響」など、複数の側面から影響を論じた上で看護・医療との接点まで示せると高評価につながります。
攻略のポイント
通信制高校生はほぼ毎日ケアをしている割合が65.3%と突出して高いなど、表の中の特徴的な数値に着目しましょう。データの引用とともに「なぜそうなるのか」「どんな影響が生じるのか」を論理的に展開し、看護師・医療職としてどう関わるべきかという視点で締めくくると一貫性のある答案になります。
合格答案を書くための構成
どのテーマが出ても対応できる基本構成を身につけておきましょう。800字という制限の中で論旨をまとめるための設計図です。
【序論】約100〜150字:主張の提示
問いに対する自分の答え(主張)を最初に明示します。「私は〜と考える」という形で結論を先に示しましょう。
【本論①】約250〜300字:資料・課題文の読み取りと分析
与えられた資料・課題文から重要な情報を引用しながら、問いに対する根拠を展開します。データの引用は具体的な数値を使いましょう。
【本論②】約250〜300字:看護・医療との接続と自分の考え
本論①の内容を踏まえ、看護・医療の視点からどう捉えるか・どう対応するかを論じます。ここが最も差がつくパートです。
【結論】約100〜150字:主張のまとめと看護への意志
序論の主張をあらためて確認し、看護師を目指す立場からの意志・展望で締めくくります。
川崎市立看護大学の小論文で特に差がつくポイント
最後に、アイプラスアカデミーの指導経験から見えてきた「ここで差がつく」ポイントをお伝えします。
①資料・課題文の読み取り精度
データや文章を「なんとなく」読んでいる答案と、具体的な数値や表現を正確に引用している答案では、説得力が大きく変わります。資料読み取りの練習を意識的に積んでおきましょう。
②看護の視点が自然に盛り込まれているか
「社会問題を論じて終わり」ではなく、「看護師・医療職としてどう関わるか」という視点が自然な形で盛り込まれているかどうかが高得点答案の条件です。
③構成の一貫性
序論で述べた主張と、本論・結論の内容がずれていない答案を書けているかどうか。構成が崩れると、どれだけ良い内容でも評価が下がります。書き終えたら必ず「序論の主張と結論は一致しているか」を確認する習慣をつけましょう。
④読みやすい文体
難しい言葉を使う必要はありません。短い文を積み重ね、一文一義(一つの文に一つの意味)を意識した文体が最も読みやすく、採点者に好印象を与えます。
対策のスケジュールと優先順位
川崎市立看護大学の学校推薦型選抜は11月上旬に試験が行われます。推薦入試の準備と並行して小論文対策を進める必要があります。
①医療・看護ニュースのインプットを習慣化する(〜9月)
少子化・高齢化・医療人材不足・ヤングケアラー・感染症対策など、医療・社会問題に関するニュースを週2〜3本読む習慣をつけましょう。インプットなしに良い小論文は書けません。
②過去問を実際に時間を計って書く(9〜10月)
過去4年分の問題を実際に80分(目安)で書いてみましょう。書いた答案は必ず先生や専門の指導者に添削してもらい、「読み取りの精度」「論の展開」「看護との接続」の3点を中心にフィードバックをもらいましょう。
③書き直しを3回以上繰り返す(10〜11月)
添削を受けたら書き直す。また添削を受けて書き直す。この繰り返しが合格答案への最短ルートです。アイプラスアカデミーで文章力に課題があった受験生が合格を勝ち取れたのも、この繰り返しの力です。
さいごに
ここまで、川崎市立看護大学の学校推薦型選抜小論文の4年分の傾向分析と対策についてお伝えしてきました。
過去問を見ると、この大学の小論文が一貫して問い続けているのは「医療・社会の現実を正確に読み取り、看護師の視点で考え、自分の言葉で論じられるか」という力です。決して特別な知識は必要ありません。日頃からの情報収集と、繰り返しの練習で必ず力はつきます。
アイプラスアカデミーでは、川崎市立看護大学をはじめとした看護系大学・専門学校の小論文指導を行っています。過去問を使った実践的な添削指導で、合格答案が書ける力を一緒に育てていきましょう。ぜひお気軽にご相談ください!
アイプラスアカデミーでは、川崎市立看護大学 推薦入試の小論文と面接・出願書類の対策を行なっています。
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安井玲音
看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。
【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。
