岐阜大学医学部看護学科の後期一般選抜では、60分・大問1題・小問2題・合計700字の論述の課題文型小論文が出題されます。配点は小論文面接合わせた300点中の200点と高く、合否を大きく左右する科目です。
本記事では、2024年度から2015年度までの10年分の出題データをもとに、岐阜大学 後期小論文の出題傾向・頻出テーマ・時間配分・高得点の書き方まで徹底解説します。岐阜大学を目指す受験生の方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 岐阜大学看護学科の小論文の傾向がわかる
- 岐阜大学看護学科の小論文で求められる内容がわかる
- 岐阜大学看護学科の小論文対策の方法がわかる
アイプラスアカデミーでは、前期一般入試終了後から後期一般選抜に向けて岐阜大学の小論文と面接の対策を行なっています。
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目次
岐阜大学の小論文の出題傾向
| 試験時間 | 60分 |
| 大問数 | 1題 |
| 小論文の字数 | 600字程度 |
| 配点 | 200点 |
岐阜大学の小論文の基本情報
岐阜大学の小論文は60分という限られた時間の中で、3〜4つの設問に答える形式です。
課題文はA4用紙1枚半程で比較的長く、読解に時間をかける必要があるため、論述に割ける時間は非常にタイトになります。また、論述も小問が2つあることで問題の意図が異なるため、注意をしなければなりません。
設問構成は年度によって増減ありますが、基本は以下の3段階になっています。
① 本文の内容説明・用語説明(短答:50〜150字)
② キーワードや下線部の解説(中答:100〜200字)
③ 自分の考えを述べる論述(300〜600字)
出題形式の特徴
● 課題文型小論文(和文1題のみ)
● 問1・問2:本文の内容説明・用語解説(50〜200字)
● 問3:自分の考えを述べる論述(300〜600字) ● 配点は200点と高く、二次試験の合否を左右する重要科目
過去10年の出題テーマから見る出題傾向
こちらでは過去の出題テーマを元に岐阜大学の出題傾向を解説していきます。
直近2年間の内容も紹介しておりますので、「どんな問題が出るか気になる」という方は必見の内容です!
直近4年間は人間・社会のテーマが中心に
直近5年間のテーマは以下になります。
| 年度 | 課題文の出典 | ジャンル |
|---|---|---|
| 2024 | 石田光規著『「人それぞれ」がさみしい』 | 人間論 |
| 2023 | 青野篤子・土肥伊都子・森永康子著『ジェンダーの心理学』 | 社会論 |
| 2022 | 朝日新聞「令和落首考」西木空人 | 人間論 |
| 2021 | 多文化共生・外国人労働者に関するグラフ読み取り | 社会論 |
| 2020 | 内田麻理香著『依存症 背景に「恥」の感情』 | 医療 |
上記のように岐阜大学は2020年度以降から、人間や社会にフォーカスの当たった問題が中心に出題されるようになりました。
2021年度から大学入試制度の改訂の影響もあり、問題の内容も医療福祉への深い知識を当形式から社会問題に対しての多角的な視野からの理解を問う形式に変わってきました。
テーマの内容(直近2年間)
上記では過去の出題テーマを紹介してきました。
では、実際にどのような内容の話が今まで出題されたのかを人間論・社会論のジャンルの最新問題で紹介をしていきます。
2024年度:石田光規 著
『「人それぞれ」がさみしい』
◎どんな内容?
「個を尊重する社会」と「人それぞれの社会」は非常に近い概念に見えるが、「個を尊重」 するからこそ他者の意見を否定できなくなり、「人それぞれ」という言葉で対立を回避する 現代社会の傾向を論じています。批判や主張をぶつけ合うよりも、場を穏便にやり過ごす ことを優先する社会への問題提起。
◎ここがポイント!
看護の現場でも、患者の意向を「人それぞれ」と受け流すだけでは真のケアにはなりません。 患者の価値観を尊重しながらも、必要な場合には医療の立場から誠実に意見を伝える勇気が 看護師には求められます。この課題文を通じて、「個の尊重」と「誠実なコミュニケーション」 のあり方が問われています。
2023年度:青野篤子・土肥伊都子・森永康子 著
『ジェンダーの心理学』
◎どんな内容?
日本の少子高齢化による労働力不足を背景に、女性活躍推進法やワーク・ライフ・バランス の名の下で、実際には女性に過大な負担が強いられている現実を批判的に論じています。 アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が女性の働き方や生活にどのような影響を 与えているかを分析しています。
◎ここがポイント!
医療・看護の現場もジェンダーバイアスと無縁ではありません。看護師は女性が多い職種と されますが、無意識の偏見が患者ケアや職場環境に与える影響を自覚し、多様性を尊重する 視点が求められます。
岐阜大学の小論文では何が求められるの?
岐阜大学の小論文で一貫して問われているのは、単なる文章の要約力だけではありません。
大切なのは、「筆者の提示する問題意識を、看護師・医療者としての視点に引き寄せ、 自分の考えとして論理的に述べる力」です。
実際の設問はどのように出題されていた?
上記の内容を踏まえて直近2年間の設問では何が求められていたのかを見ていきましょう!
2024年度過去問:石田光規 著
『「人それぞれ」がさみしい』
次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
(本文省略)
(2024年度 石田光規『「人それぞれ」がさみしい』
問1 下線部①「人それぞれの社会」と「個を尊重する社会」について、相違を明らかにするとともに、そのような相違が生じる背景を300字以内で述べなさい.
問2 下線部②「個を尊重」したからこそ、「人それぞれ」に陥ってしまうことをふまえ、「個を尊重する社会」についてあなたの考えを400字以内で述べなさい。
-岐阜大学2024年度 後期小論文過去問
2023年度過去問:青野篤子・土肥伊都子・森永康子 著
『ジェンダーの心理学』
次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
(本文省略)
(青野篤子・土肥伊都子・森永康子『ジェンダーの心理学』)
問1 本文中に述べられているアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)には、どのようなものがありますか。文中の内容から50字以内で答えなさい。
問2 下線部①はどのようなことか、著者の考えを踏まえ100字以内で述べなさい。
問3 ジェンダー社会を変えるためには、どのような取り組みが必要だと思いますか。「配偶者の協力」「国や自治体の政策」「企業の制度設計」「世論の形成」の4つの要素が入るようにあなたの考えを600字以内で述べなさい。
-岐阜大学2023年度 後期小論文過去問
岐阜大学 小論文の攻略ポイント
上記の問題の内容を踏まえてこちらでは岐阜大学の小論文の攻略ポイントを4つに分けて紹介をしていきます。
1. 社会問題を看護の現場に接続する力
ジェンダーバイアスも、個人主義も、依存症もすべての社会問題は看護の現場と地続きです。
社会で起きていることを「自分ごと」として捉え、看護師としてどう 関わるかを論じる姿勢が求められます。
2. 弱者・マイノリティへの視点
依存症者へのスティグマ(2020年)、外国人労働者への排他意識(2021年)、 ジェンダー不平等(2023年)——岐阜大学は社会的弱者・マイノリティへの共感と 理解を持つ看護師を求めています。課題文の問題意識を正確に読み取り、偏見に 囚われない公正な視点を示しましょう。
3. 「死」や「老い」と向き合う覚悟
超高齢社会(2018年)、命の価値(2019年)、がんばらない医療(2017年)—— 終末期ケアや死生観に関するテーマが繰り返し出題されています。患者の「最善の 利益」と「本人の意思」を両立させる難しさに、自分なりの答えを持つことが 大切です。
4. 他者を「迎え入れる」ホスピタリティ
2015年のホスピタリティ、2019年の死にゆく患者へのケア、岐阜大学の課題文には 「他者の痛みに寄り添う」というテーマが通底しています。技術や知識だけでなく、 人としての温かさと誠実さが看護師には求められることを、論述の中に自然に 盛り込みましょう。
このように岐阜大学では、医療的な視点だけでなく社会問題に対しての問題意識などを当事者視点で考える力が小論文攻略の上で必要とされるポイントです。
岐阜大学の小論文の解き方ポイント
ここまで出題テーマや出題パターンで岐阜大学の小論文の傾向を紹介してきました。 では、入試の時にはどのようなポイントを押さえて解いていけばいいのかをこちらで紹介していきます!
課題文の正確な読み取りが重要
岐阜大学の小論文では、課題文を正確に読み取る力が非常に重要です。 設問をよく見ると、「本文の言葉を使って」「著者の考えを踏まえて」という指示が 頻出しています。課題文を読む際は以下のポイントに注意しましょう。
①キーワード・重要概念を見逃さない
例:「アンコンシャス・バイアス」「ホスピタリティ」「依存症の否認」
②筆者の主張と具体例を区別する
設問で「要約」「説明」が頻出するため
③下線部は必ず前後の文脈をセットで読む
推奨時間配分
岐阜大学の小論文では、正確に内容を把握して解答を書くことも必要です。ですが、前提としては「試験時間内」に書き切ることです。そのため問題に取り組む際は以下の時間配分で取り組みましょう。
| パート | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 課題文の読解 | 全体の読解・下線部、キーワドに印 | 15分 |
| 問1・2 | 内容説明・用語説明 | 15分 |
| 問3 下書き | 構成案の組み立て | 10分 |
| 問3 清書 | 序論・本論・結論で論述 | 15分 |
| 見直し | 誤字脱字・論理チェック | 5分 |
論述問題(問題3)
問3は300〜600字前後の論述です。
以下の「3部構成」を使うと安定した答案が書けます。
【序論(全体の約2割)】
課題文のテーマに関して、自分の基本的な立場・考えを示す
【本論(全体の約6割)】
自分の考えの根拠を2点、具体例を交えて論じる
【結論(全体の約2割)】
看護師・医療者としての視点でまとめて締めくくる
岐阜大学の小論文の対策
ここまで説明した出題傾向から岐阜大学の小論文の対策方法をまとめていきます。
基本の型をマスターする
小論文は一見、明確な正解が見えないことから「対策が難しい」という印象を持たれがちです。
しかし、小論文は実を言うと普通科目よりも応用は効きやすいです。
理由としては、どのような形式の問題でも書き方の基本は同じだからです。
小論文というのは
序論・本論・結論
この構成に沿って書くことができれば、どんな問題も一通り書けるようになります。
そのため、対策を始める際は、まず初めに基本の型をマスターするというところから取り組んでいきましょう!
「看護師としての視点」を常に意識する
岐阜大学の問3は、どのテーマでも「看護師・医療者としての視点」で締めくくることが大切です。
社会問題や人間論を論じる際にも、最終的には「ではこれは看護の現場と どうつながるか」という問いかけを忘れないようにしましょう。
社会・医療ニュースへのアンテナを張る
出題テーマは「現在進行中の社会問題」と関連しています。
ジェンダー、多文化共生、 超高齢社会、依存症これらに関するニュースや書籍に日頃から触れておくことで、 論述の「具体例の引き出し」が増えます。
小論文の力をつけるには過去問演習が最適
岐阜大学は2015〜2024年の10年間、出題形式(和文・問1〜3の構成)が一貫しています。
過去問の選択肢が豊富なため、前期終了後から本番前日までしっかり対策ができます。 小論文は自分では評価しにくいため、必ず看護・医療系の小論文を熟知した指導者に 添削を依頼し、内容の妥当性をチェックしてもらいましょう。
さいごに
岐阜大学の小論文は、医療・社会・人間論という3つの軸を往来しながら、 「看護師としての使命感と社会への洞察力」を問う試験です。
特に2015〜2024年のテーマを振り返ると、岐阜大学が「他者に寄り添い、社会の課題を 自分ごととして考えられる看護師」を求めていることが伝わってきます。
過去問演習と第三者の添削を組み合わせて、一つでも多くの課題に取り組み、 万全な状態で本番に臨みましょう!

安井玲音
看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。
【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。
アイプラスアカデミーでは、前期一般入試終了後から後期一般選抜に向けて岐阜大学の小論文と面接の対策を行なっています。
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