岐阜県立看護大学 小論文過去問解説【2025年度】9年分の傾向と対策

松田勇一
解説・監修:松田 勇一アイプラスアカデミーディレクター / 指導歴25年 大手予備校や武田塾等の責任者を歴任後、現在は大学受験専門予備校と看護学部受験専門の予備校を運営。朝日新聞グループ『マイベストプロ愛知』認定の教育のプロとして、毎年多くの受験生を看護学部合格へ導いている。

岐阜県立看護大学の小論文の最新の2025年度(令和7年度)の過去問の解説過去問9年分の一般選抜前期の傾向を徹底分析した解説を行なっています。

2025年度(令和7年度)の岐阜県立看護大学の小論文の出題内容と解説

2025年度(令和7年度)岐阜県立看護大学一般選抜前期小論文問題(引用)

問題Ⅰ あなたは将来、看護職としてどのような場や分野で活躍したいですか。そのように考える理由を含めて説明しなさい。

問題Ⅱ 以下の文章を読み、問に答えなさい。

(出典:青柳雅文『疑う、知る、考える 哲学をはじめる』ミネルヴァ書房, 2024年)

問1 社会の一員として生きることについて、筆者はどのように述べているか、200字以内で説明しなさい。

問2 社会の一員として生きるという筆者の考え方に対する、あなたの考えを、あなたの体験をまじえて400字以内で述べなさい。

2025年度(令和7年度)岐阜県立看護大学一般選抜前期小論文問題

出題のポイント

問題Ⅰ

2025年度(令和7年度)の岐阜県立看護大学の小論文の問題Ⅰは志望理由型の出題でした。単に「病院で働きたい」「地域医療に貢献したい」といった漠然とした回答では不十分です。

この設問で評価されるのは以下の点です:

  1. 具体的な将来像:どのような場(病院、訪問看護、地域包括ケアなど)で、どのような分野(急性期、慢性期、小児、高齢者など)で働きたいのか
  2. 理由の明確さ:なぜその場・分野を選んだのか、自分の経験や価値観と結びつけて説明できているか
  3. 看護への理解:看護師の役割や社会的意義を理解した上での回答になっているか

問題Ⅱ

2025年度(令和7年度)の岐阜県立看護大学の小論文の問題Ⅱは意見論述型の出題でした。問1で筆者の主張を正確に要約し、問2で自分の体験を交えながら意見を述べる、典型的な課題文型小論文です。

対策のポイント

問題Ⅰ

「なぜ看護師になるのか」について、きっかけではなく、「何のために看護師になるのか」を明確にして書くことが重要です。

よくある間違いは、看護師を目指す「きっかけ」ばかりを書いてしまうことです。入院した経験、家族の介護経験などのきっかけは導入として使えますが、それだけでは不十分です。

大学側が知りたいのは、志(こころざし)や目的意識、問題意識や成長意欲です。

問題Ⅱ

問2では「あなたの体験をまじえて」という条件があります。具体的な体験を示しながら、筆者の考えに対する自分の意見を論理的に展開することが求められます。

抽象的な意見だけでは説得力に欠けます。必ず具体例を入れましょう。


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岐阜県立看護大学の小論文 過去9年間の出題内容一覧と傾向

岐阜県立看護大学単独の赤本は発行されていませが、看護・医療系大学〈国公立 中日本〉に直近3年分が収録されているため、こちらを元に過去9ヵ年分の岐阜県立看護大学の過去問について調査しました。

問題Ⅰ(テーマ型・400字程度)の過去9年間の出題内容

年度問題Ⅰの設問内容出題タイプ難易度
2025年度看護職として活動したい場や分野志望理由型
2024年度人への理解や関わり方を変えた経験適性評価型
2023年度困難にどのように対処したか適性評価型
2022年度看護職を志す者として取り組みたいこと志望理由型
2021年度他者とともに取り組んだ経験適性評価型
2020年度大学生活で身につけたいと考える力志望理由型
2019年度受験する大学の決定にあたり重視したこと志望理由型
2018年度岐阜県立看護大学の受験を決定した経緯志望理由型
2017年度看護系大学へ進学する意味志望理由型
岐阜県立看護大学 小論文 問題Ⅰ 過去の出題内容一覧

問題Ⅰの出題傾向

問題Ⅰはテーマ型小論文で、看護師への適性や人間性を問う出題です。

2021年度以降、出題パターンは以下の2つに分類できます。

パターン①:志望理由型

  • 看護師を目指す理由や将来像を問う
  • 2025年度、2022年度など

パターン②:適性評価型

  • 過去の経験から学びや成長を問う
  • 2024年度、2023年度、2021年度など

2021年度を境に傾向が変化しています。2020年度以前は「岐阜県立看護大学の志望理由」が中心でしたが、2021年度以降はアドミッション・ポリシーに沿った人物かを評価する出題に明確に変わっています。

問題Ⅰの出題傾向の変化まとめ

時期傾向評価のポイント
2020年度以前志望理由中心なぜ岐阜県立看護大学を選んだか
2021年度以降適性評価中心看護師としての資質があるか

2021年度以降は、アドミッション・ポリシーに沿った人物かを評価する出題に変化しています。単に「看護師になりたい」という気持ちだけでなく、看護師としての適性を示すことが求められています。


問題Ⅱ(課題文型・600字程度)の過去9年間の出題内容

年度テーマ課題文出題タイプ難易度
2025年度社会の一員として生きること青柳雅文『疑う、知る、考える』意見論述型
2024年度よりよい将来をつくる「希望」玄田有史『希望のつくり方』意見論述型
2023年度障害の「社会モデル」伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』提案型
2022年度「熟達者」とは何か今井むつみ・野島久雄・岡田浩之『新 人が学ぶということ―認知学習論からの視点』意見論述型
2021年度哲学と思考の肺活量鷲田清一『哲学の使い方』意見論述型
2020年度対話を通した自己理解と相互理解中原淳・長岡健『ダイアローグ 対話する組織』意見論述型
2019年度「羨ましい」という感情と自分の可能性河合隼雄『こころの処方箋』意見論述型
2018年度森の生態学的重要性宮脇昭『木を植えよ!』提案型
2017年度「自己を語ること」の大切さ『<自分らしさ>って何だろう?自分と向き合う心理学』意見論述型
岐阜県立看護大学 小論文 問題Ⅱ 過去の出題内容一覧

問題Ⅱの出題傾向

問題Ⅱは課題文型小論文で、読解力・思考力・表現力が問われます。

  • 問1:課題文の要約(200字程度)
  • 問2:自分の意見論述(400字程度)

課題文は比較的読みやすいものが多く、字数も少ないため、受験生の間で大きな得点差はつきにくい傾向があります。

ただし、提案型の出題(具体的な方法やアイデアを求める設問)では得点差がつきやすくなります。

問題Ⅱの出題傾向のまとめ

出題タイプ特徴得点差
意見論述型筆者の考えに対する意見を述べるつきにくい
提案型具体的な方法やアイデアを提案するつきやすい

問題Ⅱは基本的に得点差がつきにくいですが、提案型の出題には要注意です。過去問を見ると、2023年度と2018年度が提案型でした。


岐阜県立看護大学 一般選抜(前期)小論文の出題構成と配点

項目内容
試験時間100分
構成問題Ⅰ+問題Ⅱ
問題Ⅰテーマ型(400字程度)※面接資料として使用
問題Ⅱ課題文型(問1:160〜200字+問2:400〜440字)
合計字数約1,000字
配点150点

問題Ⅰは字数指定がありませんが、回答欄がA4サイズの7割程度のため、400字程度が目安です。

100分で1,000字を書くため、時間配分には注意が必要です。構成を考える時間を含めると、余裕があるとは言えません。


【年度別】岐阜県立看護大学 小論文 過去の出題内容とポイント解説

問題Ⅰ(個人面接資料)の年度別ポイント

問題Ⅰは「適性評価」と「志望理由」の2パターンに大別されます。過去の出題から、大学が何を求めているかを端的に解説します。

  • 2024年度:人との関わりの変化
    • 出題: 人に対する理解や関わり方が変化した経験と、それをどう活かすか。
    • ポイント: 単なる「成長自慢」はNGです。失敗や無理解だった過去を含め、変化のプロセスを具体的に書くことで「人間への深い関心」をアピールします。
  • 2023年度:困難への対処
    • 出題: 困難に直面した時の対処法と、そこからの学び。
    • ポイント: アドミッションポリシーにある「問題解決能力」が見られています。部活動や学習での挫折など、具体的なエピソードをもとに、主体的にどう動いたかを記述します。
  • 2022年度:自己成長と志望動機
    • 出題: 看護職として自分を成長させるために取り組みたいこと。
    • ポイント: 「医学知識をつける」等のありきたりな回答ではなく、「なぜそれが必要か(理由)」と「どう行動するか(具体策)」をセットで論じることが不可欠です。
  • 2021年度:協働・チームワーク
    • 出題: 他者とともに取り組み、学んだ経験。
    • ポイント: チーム医療の適性が見られます。「成功した」事実だけでなく、意見の対立やすれ違いをどう乗り越えたかという「調整力」や「役割」を記述しましょう。

問題Ⅱ(課題文読解)の出典と傾向

課題文は「哲学・社会学・心理学」などの新書から選ばれる傾向があります。

  • 2024年度:玄田有史『希望のつくり方』
    • テーマ: 「希望」という抽象的な概念について。
    • 傾向: 筆者の定義を要約した上で、自分の意見を述べるオーソドックスな形式です。「筆者の考えを踏まえて」という条件を守ることが最重要です。
  • 2023年度:伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
    • テーマ: 障害の新しい捉え方と社会への浸透方法。
    • 傾向: この年は珍しく「具体的な方法(アイデア)」を提案させる形式でした。社会問題に対する普段からのアンテナの感度が問われました。
  • 2018年度:森の生態学的重要性
    • 傾向: 2023年度と同様に「提案型」の出題でした。数年に一度、こうした応用力を問う変化球が出題されるため、パターン練習だけでは対応できない場合があります。

岐阜県立看護大学ではなぜ小論文で合否が分かれるのか

岐阜県立看護大学の小論文の配点は150点で、共通テスト525点と比べると低くなっていますが、問題Ⅰの回答が面接試験の資料として使用されるため、実際には小論文・面接の合計で大きな差がつきます。

なぜなら、面接は「段階評価」で4段階での評価となるため、1段階の評価が大きな差になるからです。

また、面接では以下の観点から評価されます。

アドミッションポリシーに基づき、本学で看護学を学ぶにふさわしい力を培っているかを判断します。

岐阜県立看護大学HP「よくある質問」より

つまり、問題Ⅰで看護師としての適性を疑われる回答をすると、面接でも低評価となり、共通テストA判定でも不合格になるケースがあります。

👉詳しいデータは「岐阜県立看護大学の合格最低点【過去3年分】」をご覧ください。

岐阜県立看護大学のアドミッションポリシー

小論文・面接では、以下の「求める入学者像」に合致しているかが見られるということは意識しておきましょう!

求める入学者像
  • 看護および人々へのケアに対し深い関心がもてる人
  • 人間やその生活に深い関心をもてる人
  • 自ら考え積極的に問題解決行動をとることができる人
  • 自分自身の豊かな人間性を培っていくことを望む人
  • 文系、理系に偏ることなく均衡の取れた学力をもつ人
  • 岐阜県の保健・医療・福祉の充実に深い関心がもてる人

岐阜県立看護大学の小論文で合格するための対策手順

対策1:小論文の書き方をマスターする

まずは小論文の基本的な書き方を身につけましょう。

  • 段落構成の型を覚える
  • 誤字・脱字をなくす
  • 論理的な文章を書く

岐阜県立看護大学の小論文は字数が少ないため、シンプルな構成で十分です。書き方ができていることは当たり前の状態にしておきましょう。

対策2:「何のために看護師になるのか」を明確にする

問題Ⅰで問われても問われなくても、看護師を目指す目的意識は必ず整理しておきましょう。

  • なぜ看護師なのか(他の医療職ではなく)
  • どのような看護師になりたいのか
  • 社会にどう貢献したいのか

これは面接対策にも直結します。

対策3:アドミッション・ポリシーを理解する

岐阜県立看護大学

岐阜県立看護大学が求める人物像を理解し、自分がそれに合致していることを示せるようにしましょう。

特に重要なのは以下の3点です:

  1. 人間への深い関心:患者を単なる「病気を持った人」ではなく、「生活を営む一人の人間」として理解する姿勢
  2. 問題解決能力:困難に直面したとき、自ら考え行動できる力
  3. 成長意欲:自分自身の人間性を高めていこうとする姿勢

対策4:添削を受けて書き直す

小論文は自分では評価できません。看護で求められる視点を理解している人に、書き方と内容の両方について添削してもらうことが重要です。

よくある失敗は、学校の先生に見てもらって「書き方の添削だけ」で終わってしまうことです。小論文は内容が最も重要です。

共通テスト後から前期試験まで1ヶ月以上あります。できるだけ多くの課題に取り組み、添削 → 書き直しを繰り返しましょう。

対策5:過去問だけでなく類題にも取り組む

アイプラスアカデミーでは岐阜県立看護大学の過去問については、少なくとも9年分には取り組んでもらいますが、それだけでは練習量として不十分です。

同じ傾向の小論文課題(志望理由型、適性評価型、提案型など)に数多く取り組むことで、どのような出題にも対応できる力が身につきます。


岐阜県立看護大学の小論文の対策まとめ

岐阜県立看護大学の小論文対策で最も重要なのは、以下の2点です:

  1. 問題Ⅰで看護師としての適性を示すこと
  2. 添削を受けて繰り返し書き直すこと

小論文は配点以上に合否を左右します。共通テストの点数に安心せず、最後まで手を抜かずに対策しましょう。

岐阜県立看護大受験予定の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、共通テスト終了後から岐阜県立看護大学の一般選抜前期に向けての小論文と面接の対策を行なっています。

また、共通テストの得点を踏まえての、受験の相談なども受け付けておりますのでお気軽にご相談ください!

岐阜県立看護大学の対策のくわしい内容の確認やごご相談をされたい方はアイプラスアカデミーのLINEよりお問合せください。

この記事を書いた人

松田勇一

松田勇一

教育アドバイザー/アイプラスアカデミーディレクター

愛知教育大学出身。大学受験指導歴25年以上。内閣府ユースアドバイザー養成講習会講師として教育関係者への指導経験も持つ。高卒認定予備校や通信制高校で拠点責任者の経験を経て、大手予備校のエリア責任者、武田塾名古屋校の責任者など15年以上の管理職を歴任。現在は自立学習塾・予備校アイプラスと、看護系大学・看護専門学校受験専門のアイプラスアカデミーを運営し、毎年全国の看護系大学・看護専門学校の合格者を輩出している。