京都府立医科大学看護学科の小論文の対策【一般選抜】

松田勇一
監修:松田 勇一アイプラスアカデミーディレクター / 指導歴25年 大手予備校や武田塾等の責任者を歴任後、現在は大学受験専門予備校と看護学部受験専門の予備校を運営。朝日新聞グループ『マイベストプロ愛知』認定の教育のプロとして、毎年多くの受験生を看護学部合格へ導いている。

京都府立医科大学の一般選抜の小論文は、60分3問で合計850字を書き上げる必要があり、社会論や人間論に看護の視点を盛り込んだ論述が求められてきます。

「小論文はどう対策したらいいの?」「60分で800字以上書けるか不安」
そんな不安を抱えている受験生の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、過去問5年分の過去問分析をもとに、出題傾向と具体的な対策法を解説します。

京都府立医科大学を目指す受験生の方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • 京都府立医科大学看護学科の小論文の傾向がわかる
  • 京都府立医科大学看護学科の小論文で求められる内容がわかる
  • 京都府立医科大学看護学科の小論文対策の方法がわかる
京都府立医科大学受験予定の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、共通テスト終了後から一般選抜前期に向けての京都府立医科大学の小論文と面接の対策を行なっています。

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京都府立医科大学看護学科の小論文の過去問の傾向

試験時間60分
大問数課題文型:1題
字数合計800〜900字
配点150点
京都府立医科大学看護学科の小論文の基本情報

京都府立医科大学の小論文試験は、大問は1問ですが小問が3問で各小問ごとに記述が必要なため、問題文はそこまで長くはありませんが60分以内に読解+記述の作業を3つやらないといけないため、時間としてはかなりタイトです。

また、京都府立大学は2024年度までは600字の記述1問という形式でしたが、2025年度入試では出題形式が変話っているため対策が少し難しくなっています。
出題形式は現在、以下のようになっています。

2025年度の設問構成

問題1:下線部説明(200字以内)
問題2:下線部の具体例提示(150字以内)
問題3:文章内の語句をテーマにした意見論述(500字程度)

上記のようになっているため、今年度の入試もこの内容で出題がされる見込みです。

京都府立医科大学の小論文の過去問の出題構成

京都府立医科大学看護学科の小論文は課題文型小論文の形式を採用しています。

直近5年間のテーマに関しては以下のように出題されています。

年度出題テーマジャンル
2025児玉聡 著『実践・倫理学』医療・福祉(生命・医療倫理)
2024リチャード・ポール/リンダー・エルダー 著 村田美子/巽由佳子 訳
『クリティカル・シンキング』
人間・社会(思考論・教育論)
2023河野哲也 著『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』人間・社会(コミュニケーション論)
2022厚生労働省『日本の人口ピラミッドの推移』医療・福祉(社会構造・統計分析)
2021佐藤卓『塑する思考』人間・社会(文化・人間論)

上記のように京都府立医科大学は医療・福祉もしくは人間・社会のように、大きく分けるとこの2ジャンルのどちらかが例年出題されています。

当校では2025〜2014年度までの13年分の過去問を保管していますが、10年以上経っても一貫して医療・福祉人間・社会のジャンルから出題されています。

2025年度はどんな問題が出た?

上記で直近5年間の出題傾向を紹介してきました。
こちらでは、出題形式が変わった2025年度の問題に特化をして過去問の内容を紹介していきます。

出典:児玉聡 著『実践・倫理学』

◎どんな内容?
倫理学の専門家である著者が、「最大多数の最大幸福」を掲げる功利主義の考え方と、それに従うことの心理的な葛藤(ジレンマ)を描いた内容です 。単に道徳的に正しいかどうかだけでなく、極限状態における「命の選択」や個人の行動規範について問いかけています。

◎ここがポイント!
設問では、功利主義がもたらす「負の側面」や、災害時の教訓である「津波てんでんこ」に対する自身の考えが問われました 。
合理的な判断と、人間としての感情や倫理観の板挟みの中で、「看護職として命の現場にどう向き合うか」という、医療倫理の根幹に関わるテーマです。

設問からは何が求められる?

京都府立医科大学の小論文で問われているのは、単なる知識の暗記ではありません。大切なのは、「正解のない倫理的な問いに対し、論理的な思考と看護職としての誠実さを持ち、自分の意見を構築する姿勢」です。この「論理的思考力」「高い倫理観」こそが、京都府立医科大学看護学科の合格に近づくポイントになってきます。

直近の出題パターンは?

直近の出題パターンは冒頭でも紹介したような以下の形式です。

2025年度の設問構成

問題1:下線部説明(200字以内)
問題2:下線部の具体例提示(150字以内)
問題3:文章内の語句をテーマにした意見論述(500字程度)

実際の設問では何が聞かれた?

上記の内容を踏まえて、入試ではどのようにして出題されたのかを見ていきましょう。

【小論文】
次の文章を読んで問いに答えなさい。

(本文省略)

問1:下線部①「この教えは道徳的に誤っていないかもしれないが、それに従うことは 心理的に困難であるか不可能である」ということはどういうことか。本文の内容を 踏まえて 200 字以内で説明しなさい。

問2:下線部②「功利主義」がもたらす「負の側面」について具体的な例を挙げて、 150 字以内で述べなさい。


問3:「津波てんでんこ」についてあなたの考えを500字程度で述べなさい。

-京都府立医科大学2025年度小論文過去問

問3に関しては読解をするだけではなく、文章のワードを元に自身の意見や考えを述べていくテーマ型になってきます。
そのため、読解だけでなく自身で論述を展開していく構成力が求められてきます。

京都府立医科大学看護学科の小論文の解き方のポイント

ここまで出題テーマや出題パターンで京都府立医科大学看護学科の傾向を紹介してきました。では、入試の際にはどのようなポイントで解いていけばいいのかを紹介していきます。

課題文の読解は「段落ごとの要旨」を掴む

京都府立医科大学の小論文は、60分で3つの設問に答える必要があるため、課題文の読解に時間をかけすぎると論述の時間が足りなくなります。

読解で意識すべきポイント

・段落ごとに要旨をメモする
課題文を読みながら、各段落の要点を余白に簡潔にメモしていきましょう。
「筆者の主張」「具体例」「問題提起」など、段落の役割を把握することで、設問に答える際に必要な箇所をすぐに見つけられます。

・下線部の前後3文を重点的に読む
問1・問2のような下線部説明問題では、下線部だけでなく前後2〜3文に必ずヒントがあります。
特に「この教えは」「このような」という指示語がある場合、その前の文脈が理解のカギになります。

・設問を先に読んでから本文を読む
設問で何が問われているかを事前に把握することで、読解の際に「どこに注目すべきか」が明確になります。
これにより、無駄な精読を避け、時間を大幅に節約できます。

問1・2は「自分の言葉で言い換える」

問1・問2は下線部説明や具体例提示の問題です。これらの設問では、課題文の表現をそのまま引用するのではなく、自分の言葉で言い換えることが評価のポイントです。

下線部説明で押さえるべき3つのこと

・「どういうことか」は具体化して説明する
抽象的な表現を具体的に説明し直すことが求められます。
例えば、2025年度の問1では「心理的に困難である」という表現の意味を、功利主義の具体的なジレンマと結びつけて説明する必要がありました。

・因果関係を明確にする
「なぜそうなるのか」という理由や背景を、本文の内容から読み取って説明します。
「〜だから」「〜ゆえに」といった接続詞を使い、論理の流れを明確にしましょう。

・字数制限を意識した構成
200字以内、150字以内という制限があるため、結論→理由→補足という順で簡潔にまとめます。
冗長な表現は避け、本質的な内容だけを盛り込みましょう。

問3の意見論述は「序論・本論・結論」の型を守る

問3は500字程度の意見論述です。この字数で説得力のある文章を書くには、明確な構成が不可欠です。

論述の基本構成(500字の場合)

構成字数目安内容
序論100字程度課題文の要点と自分の立場を明示<「筆者は〜と述べている。私は〜と考える」
本論300字程度具体例や理由を交えて論じる「例えば」「実際に」などの接続詞を使い、抽象的な主張を具体化
結論100字程度看護職を目指す者としての展望を示す<br>「だからこそ私は看護師として〜」

この構成を守ることで、論理的で説得力のある論述が可能になります。

「看護職としての視点」を常に意識する

京都府立医科大学の小論文は、看護学科の入試である以上、常に「この内容を看護の現場でどう活かすか」という視点が求められます。

看護職としての視点の具体例

テーマ(年度)看護職としての視点
医療倫理と功利主義(2025年度)災害時のトリアージや限られた医療資源の配分において、看護師はどのような倫理観を持つべきか
クリティカル・シンキング(2024年度)患者さんの訴えを表面的に受け止めるのではなく、批判的思考で真の問題を見抜く力が看護には必要
対話力と思考力(2023年度)患者さんやご家族との対話を通じて、信頼関係を築き、最適なケアを提供する

このように、一般的な社会問題や哲学的なテーマであっても、必ず「看護」という軸に引き寄せて論じることが、高評価につながります。

時間配分を徹底する

京都府立医科大学看護学科の小論文は60分で3問を解く必要があります。
特に問3が500字程度の論述になるため、時間配分を間違えると最後まで書ききれない可能性があります。

推奨する時間配分

作業内容時間配分詳細
課題文読解10分・段落ごとの要旨をメモ
・設問を先に確認してから読む
問1(下線部説明200字)15分・下線部の前後を確認:5分
・記述:10分
問2(具体例150字)10分・具体例の検討:3分
・記述:7分
問3(意見論述500字)20分・構成メモ:5分
・記述:15分
見直し5分・誤字脱字の確認
・論理の一貫性チェック
合計60分・完成

の時間配分を守るためには、読解の段階で時間をかけすぎないことが最重要です。完璧に理解しようとせず、「論旨が掴めたら次へ進む」という割り切りが必要です。

京都府立医科大学看護学科の小論文の対策

ここまで説明した出題傾向から京都府立医科大学看護学科の小論文の対策方法について方法をまとめていきます。

まずは基本の型から身につける

小論文対策でまず初めに身に付けたいのが型の定着です。

基本の型を身につけて定着をさせることで、課題文のパターンや文章量が変わっても対応ができるようになります。

基本の型を定着させることができれば、構成にかける時間を少なくすることができます。

構成にかける時間が少なくなればその分、課題文の読解に時間を使うことができるようになります。

そのため「小論文対策、何から始めればいいかわからない!」という方は基本の型を身につけるところからスタートしていきましょう。

医療倫理・社会問題への関心を深める

京都府立医科大学の過去問を見ると、医療倫理、生命倫理、社会問題に関するテーマが頻出です。

効果的な知識のインプット方法

新聞の医療・社会面を読み込む

各新聞社の医療・社会面では、医療制度改革、少子高齢化、医療倫理に関する記事が頻繁に掲載されています。これらを読むことで、社会の動向と看護職の関わを考える習慣がつきます。

医療倫理の基本概念を理解する

功利主義、義務論、徳倫理、生命の質(QOL)、インフォームドコンセント、自己決定権など、医療倫理の基本用語を理解しておきましょう。
これらは小論文で頻繁に問われるテーマです。

厚生労働省の白書や統計データに目を通す

稀に資料分析型の問題が出ることもあるため、人口動態統計、医療費の推移、看護師の需給状況など、公的なデータを知ることで、根拠に基づいた論述ができるようになります。

看護職としての視点を常に意識する

一般的な小論文対策だけでなく、「なぜ看護師を目指すのか」「看護師に求められる資質とは何か」を日頃から考えておくことが重要です。

看護の視点を養う方法

実際の医療現場のケースを考える

ニュースや書籍で紹介される医療現場の事例を読み、「自分が看護師ならどう対応するか」を考える習慣をつけましょう。

志望理由や面接準備と連動させる

小論文で問われる「看護職としての視点」は、志望理由書や面接でも重要です。
これらを並行して準備することで、一貫した自分の考えを持つことができます。

過去問演習+第三者の添削で万全の対策を!

ここまで、京都府立医科大学看護学科の小論文対策を紹介してきました。

ですが、過去問演習だけでは不十分です。なぜなら、小論文は自分では評価できないからです。

論理展開に矛盾はないか、看護の視点は適切か、制限字数に対して内容は十分か。
こうした点は、自分だけでは客観的に判断することが難しいのです。

そのため、看護の視点について理解のある人に書き方と内容について添削をしてもらうことが大切です。

学校の先生、予備校の講師、看護系に詳しい指導者など、第三者の目を通すことで、自分では気づけなかった改善点が見えてきます。

また、滋賀医科大学だけでなく、他校の日本文の課題文型小論文にも積極的に取り組むことをおすすめします。同じパターンの問題に数多く触れることで、どんな形式でも対応できる応用力が身につきます。

共通テストが終わってから本格的に滋賀医科大学の小論文の対策を始める受験生がほとんどですので、過去問演習と第三者の添削を組み合わせて、一つでも多くの課題に取り組み、万全な状態にしていきましょう!

この記事を書いた人

安井玲音

看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。

【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。

京都府立医科大学受験予定の皆さん・保護者さま

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