【一般選抜】三重大学 後期一般選抜の小論文の傾向と対策【過去問11年分】

松田勇一
監修:松田 勇一アイプラスアカデミーディレクター / 指導歴25年 大手予備校や武田塾等の責任者を歴任後、現在は大学受験専門予備校と看護学部受験専門の予備校を運営。朝日新聞グループ『マイベストプロ愛知』認定の教育のプロとして、毎年多くの受験生を看護学部合格へ導いている。

三重大学医学部看護学科の後期一般選抜では、120分・大問2題・和文と英文の課題文型小論文が出題されます。配点は300点と高く、合否を大きく左右する科目です。

本記事では、2015年度から2025年度までの11年分の出題データをもとに、三重大学 後期小論文の出題傾向・頻出テーマ・時間配分・高得点の書き方まで徹底解説します。三重大学を目指す受験生の方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
  • 三重大学看護学科の小論文の傾向がわかる
  • 三重大学看護学科の小論文で求められる内容がわかる
  • 三重大学看護学科の小論文対策の方法がわかる
三重大学医学部看護学科の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、前期一般入試終了後から後期一般選抜に向けての三重大学の小論文と面接の対策を行なっています。

詳しい内容をご確認されたい方はアイプラスアカデミーのLINEよりお問合せください。

三重大学の小論文の出題傾向

試験時間120分
大問数2題
小論文の字数各400字程度
配点300点

三重大学の小論文の基本情報

三重大学の小論文は120分という限られた時間の中で2つの設問に答えなければなりません。

一見すると120分は長いように見えますが、大問数が2問になるため1問あたり60分程で解かなければいけないです。そのため、時間としては非常にタイトです。また、大問2が英文読解になるため和文読解の時間を減らすことが試験突破のポイントになってきます。

「問題Ⅰ」の傾向

問題Ⅰでは課題文型小論文(和文)が出題されます。

(具体的な傾向については、過去問をご確認ください)

「問題Ⅱ」の傾向

問題Ⅱでは課題文型小論文(英文)が出題されます。

(具体的な傾向については、過去問をご確認ください)

問題Ⅰの出題テーマから見る小論文の傾向

こちらでは過去の出題テーマを元に三重大学の出題傾向を解説していきます。
直近2年間の内容も紹介しておりますので、「問題Ⅰはどんな問題が出るか気になる」という方は必見の内容です!

問題Ⅰは看護の根底にある「人間への理解」が問われる形式

過去の問題Ⅰの課題文の出典は以下のようになっています。

年度課題文の出典ジャンル
2025養老孟司『人生の壁』人間論
2024齋藤孝『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い」人』人間論
2023PAHO(パナアメリカ保健機構) 社会論
2022World Bank “Priorities in Health” 社会論
2021Journal of Clinical Investigation 社会論

問題Ⅰのテーマの内容(直近2年間)

上記では過去の出題テーマを紹介してきました。
では、実際にどのような内容の話が今まで出題されたのかを人間論・社会論のジャンルの最新問題で紹介をしていきます。

2025年度:養老孟司 著
『人生の壁』

◎どんな内容?
世間の規範や他者の評価に振り回されるのではなく、自分自身にとって何が「心地よい状態」なのかを知り、生活のリズムを整えることの大切さを説いています。

◎ここがポイント!
看護の現場では、病気によってこれまでの生活リズムを失った患者さんが、どうすればその人なりの「居心地の良さ(自足)」を取り戻せるかを考える力が試されます。

2023年度:小林好宏・梶井洋子 著
『これからの選択』

どんな内容?
シベリア抑留という極限状態において、情報の序列を解放しストレスを抑制した「遊び」の効果を分析しています 。縦型組織の圧力を解放し、個人の尊厳を確認することの重要性を説いています。

ここがポイント!
医療現場は強い責任感と緊張感が伴う組織です。その中で、コミュニケーションの活性化や「心の余裕(遊び)」がいかにチームの結束力や個人の健康維持、ひいては患者の安全に寄与するかを論じる力が求められます。

問題Ⅰは何が求められるの?

三重大学医学部看護学科の問題Ⅰで一貫して問われているのは、単なる文章の要約力だけではありません。

大切なのは、「筆者の提示する概念を、看護の現場や人間理解に引き寄せ、論理的に再構築する力」です。2025年度の「自足」 や2024年度の「感覚の変容」 といった人間論から、過去の「情報の知性」 や「リスク・コミュニケーション」 といった社会論に至るまで、共通しているのは「当たり前だと思われている価値観を吟味し、根拠に基づいた看護の視点で自分の考えを述べる姿勢」です。

この「客観的な分析力」と「人間への温かい洞察」の融合こそが、三重大の合格に近づく最大のポイントになってきます。

実際の設問はどのように出題されていた?

上記の内容を踏まえて直近年度の設問では何が求められていたのかを見ていきましょう!

2025年度過去問:養老孟司 著
『人生の壁』

次の文章を読み、問1、問2について解答用紙に答えなさい。

(本文省略)

(養老孟司(2024)『人生の壁』)

問1 「自分にとって居心地のいい状態にする」ことの難しさについて、本文の内容を要約して100字以内で述べなさい。

問2 下線の著者の考えについて、利点と欠点を踏まえてあなたの考えを400字以内で述べなさい。

-三重大学2025年度 後期小論文過去問

2023年度過去問:小林好宏・梶井洋子 著
『これからの選択』

次の文章を読み、問1、問2について解答用紙に答えなさい。

(本文省略)

(小林好宏, 梶井洋子(2011)『これからの選択』)

問1 著者は、組織におけるコミュニケーションの必要性について、どのような意見を述べていますか。本文を読み、100字以内で説明しなさい。

問2 コミュニケーションにおける遊びの効能に関する著者の考えをくみ取り、現代社会において人々が健康に生きるためのあなたの意見を400字以内で論述しなさい。

-三重大学2023年度 後期小論文過去問

問題Ⅱの出題テーマから見る小論文の傾向

こちらでは過去の出題テーマを元に三重大学の出題傾向を解説していきます。
直近2年間の内容も紹介しておりますので、「問題Ⅱはどんな問題が出るか気になる」という方は必見の内容です!

問題Ⅱは医療福祉の分野から出題される

過去の問題Ⅱの出題テーマは以下のようになっています。

年度課題文の出典ジャンル
2025UNICEF / WHO 共同声明医療(母子保健)
2024NIH(アメリカ国立衛生研究所)News in Health医療(生命科学)
2023PAHO(パナアメリカ保健機構)ファクトシート医療(公衆衛生)
2022World Bank “Priorities in Health”医療(公衆衛生・人権
2021Journal of Clinical Investigation (Ahima RS) 医療(環境医学・生命維持

問題Ⅱのテーマの内容(直近2年間)

上記では過去の出題テーマを紹介してきました。
では、実際にどのような内容の直近で出題されたのかをこちらで紹介をしていきます。

設問の内容は?

2025年度:UNICEF / WHO 共同声明

◎どんな内容?(2025年度)
世界的に母乳育児率が向上している成果を挙げつつ、すべての母親が平等に専門的な支援(エンパシーに基づいた助言)を受けられる環境を整えることの重要性を説いています。

◎ここがポイント!
看護職の根底にある「支えたい」という感情を、単なる個人の善意に留めず、社会全体の健康格差を正すための「権利」として客観的に捉え直す広い視野が求められます。科学的根拠(母乳の効能)と人間社会の支援体制の在り方を結びつけて論じる力が試されます。

2024年度:NIH(アメリカ国立衛生研究所)News in Health

◎どんな内容?
人間と犬が生活環境や遺伝子を共有していることに注目し、犬の老化や病気(癌や認知機能の低下など)の研究が、人間の医療発展にも貢献する相互的な関係について述べています。

◎ ここがポイント!
「人間だけ」を見るのではなく、動物を含めた生命全体の健康を捉える広い視点が求められます。科学的な発見が異なる種の間でどのように応用されるか、またその情報の共有が公衆衛生にどう寄与するかを論理的に考察する力が試されます。

問題Ⅱは何が求められるの?

問題Ⅱは一貫して、医療分野に関してのテーマが中心になります。
また、ひと口に医療分野といっても生命科学や公衆衛生など幅広いジャンルから出題をされる傾向があります。これは医療従事者として必要な多角的な視野が必要で、そういった医療全般における幅広い知識が受験生には求められてきます。

実際の設問はどのように出題されていた?

上記の内容を踏まえて直近年度の設問では何が求められていたのかを見ていきましょう!

2025年度(令和7年度)過去問

次の英文を読み、問1から問3について解答しなさい。

(本文省略)

(UNICEF and WHO, 2024)

問1:下線①(48% of infants worldwide now benefit from this healthy start in life)の内容を具体的に日本語で記述しなさい。

問2:下線②(emergencies)の状況下における具体的な授乳支援について、あなたの考えを日本語400字以内で述べなさい。

問3:下線③(An estimated 4.5 billion people… do not have full coverage of essential health services)を和訳しなさい。

-三重大学2025年度 後期小論文過去問
2024年度(令和6年度)過去問

次の英文を読み、問1から問4について解答しなさい。

(本文省略)

(NIH(アメリカ国立衛生研究所)News in Health)

問1 下線①を和訳しなさい。

問2 新しい造語であるinfodemicについて、その意味を本文から推測し、日本語で簡潔に記述しなさい。

問3 下線②を和訳しなさい。

問4 文章中に記載された誤情報による危害を踏まえて、その対策についてあなたの考えを日本語400字以内で述べなさい。

-三重大学2024年度 後期小論文過去問

三重大学の小論文の解き方ポイント

ここまで出題テーマや出題パターンで三重大学の小論文の傾向を紹介してきました。 では、入試の時にはどのようなポイントを押さえて解いていけばいいのかをこちらで紹介していきます!

課題文の正確な読み取りが重要

三重大学の小論文では、課題文を正確に読み取る力が求められます。 近年の設問(2024・2025年度)を見ると、「本文中の言葉を用いて説明しなさい」という指示が頻出しています。 課題文を読む際は、以下のポイントに注意しましょう:

①キーワードや重要概念を見逃さない
筆者が独自に定義している言葉(例:2025年「自足」、2024年「感覚の変容」、2022年「知性」など)を正確に抽出してください。

②筆者の主張と具体例を区別する
設問で「要約」や「内容説明」が頻出するため、理論部分と実例部分を分けて整理しながら読み進めましょう。

③問題文が指定している箇所を正確に把握する
「利点と欠点を踏まえて」や「具体的に日本語で記述」 など、設問の指示に従って論理を組み立てる広い視野が必要です。

「次世代の看護リーダー」への期待

三重大学の小論文で合格点を勝ち取るためには、単なる模範解答ではなく、「看護のプロを目指す覚悟と、対象者への深い洞察力」を文章に宿す必要があります 。特に400字〜500字の論述では、以下の4つの核心的な視点を織り交ぜていきましょう。

1. 個の尊厳を最優先する「伴走者」の視点

周囲の雑音や既存のルールに縛られすぎず、目の前の人が真に求めている「生活の質」や「心の安らぎ」を最優先に考えます 。相手の「自足(心地よさ)」を尊重し、本人が自らの足で歩み続けられるよう、そっと背中を支える自立支援の姿勢が求められます 。+2

2. 危機的状況下での「実践的レジリエンス」

災害(2015年)やパンデミック(2023年)といった極限の現場(emergencies)を想像してください 。限られた資源の中で、誰を優先し、いかに安全かつ質の高いケアを届けるかという、冷静な判断力と現場への想像力を言葉にします。

3. 誠実な「知の探究」と自己変容

自分の中にある固定観念や偏見(2024年)を認め、それを乗り越えようとする柔軟さを持ちましょう 。同時に、科学的根拠(エビデンス)を鵜呑みにせず、常に「本当に患者さんのためになっているか」と問い続ける誠実な態度こそが、三重大の求める知性です。

4. 社会の歪みを正す「グローバル・ヘルス」の意識

目の前の患者さんへのケアに留まらず、インフォデミック(情報の混乱)や健康格差(2025年)といった社会全体の課題にまで視野を広げます 。正しい情報を届け、すべての人が平等に医療を享受できる仕組みづくりを考える広い視野を示しましょう。

和文問題の時間短縮がカギ

三重大学の小論文は120分で大問2題を解かなければなりません。
また、2問目が英文になるため、英文→和訳→文章理解といったように和文と違い、読解から論述に必要なステップも多くなります。

推奨時間配分
<大問1> 計50分
・読解構成案:15分
・問1 要約:10分
・問2 論述:30分
<大問2> 計60分
・英文読解:20分
・問1・問3 和訳+説明:15分
・問2・問4 意見論述:30分
全体の見直し:10分

上記の配分を理想として、問題に臨んでいきましょう。

三重大学の小論文の対策

ここまで説明した出題傾向から三重大学の小論文の対策方法をまとめていきます。

基本の型をマスターする

小論文は一見、明確な正解が見えないことから「対策が難しい」という印象を持たれがちです。

しかし、小論文は実を言うと普通科目よりも応用は効きやすいです。
理由としては、どのような形式の問題でも書き方の基本は同じだからです。

小論文というのは

序論・本論・結論


この構成に沿って書くことができれば、どんな問題も一通り書けるようになります。
そのため、対策を始める際は、まず初めに基本の型をマスターするというところから取り組んでいきましょう!

「自分ならどうする?」の引き出しを増やす

難しい理論を覚える前に、過去に出たテーマを「自分の身近な出来事」に置き換えて考える。

  • 2025年(自足)
    「自分が一番リラックスできる瞬間っていつ?」「逆に、周りに流されてイライラしちゃうのはどんな時?」
  • 2023年(遊び)
    「部活や勉強でピリピリしている時、友達とのちょっとした冗談で救われたことない?」
  • 2021年(デマ)
    「SNSで回ってきた噂を信じて後悔したこと、または友達にどう伝えたら安心してもらえるかな?」

ポイント: 自分の体験をメモしておくだけで、400字論述の「具体例」としてそのまま使えます!

英語は「注釈」を味方につける

問題Ⅱの英語は、一見難しそうですが、実は専門用語のほとんどに「日本語の注釈」がついています

  • やり方
    本文を読む前に、まずページの最後にある「注釈リスト」を全部読みましょう。
  • 効果
    「あ、これは『赤ちゃんの健康』の話だな」とか「『熱中症』の話だな」と、読む前に内容が予測できるので、英語が苦手でもストーリーが頭に入りやすくなります。

小論文の力をつけるには過去問演習が最適

三重大学の小論文対策では、複数年分の過去問に取り組み、各問題の特徴や時間配分を実際の問題に触れながら掴んでいくことが重要です。
小論文は自分では評価しにくいだけでなく、特に三重大学の場合は「看護・医療の現場感覚」が合否を分けます。
必ず看護・医療系の小論文の特徴を知る人に添削を依頼し、内容の妥当性を厳しくチェックしてもらいましょう。

三重大学は10年以上問題が変わらない!

過去問演習を行う際に、よく受験生からは「出題形式が途中で変わってしまった」という声が上がります。
そのほかにも「出題テーマが変わってしまった」という声も上がってきます。

ですが、三重大学は2025年度〜2015年度まで11年分過去問を遡っても、出題形式・出題テーマは変わっておらず一貫して「人間論・社会論・医療分野全般」で出題をされてきています。

そのため、過去問演習をするには非常に選択肢が豊富です。

前期終了から後期試験前日までみっちり対策ができます!

さいごに

ここまで、三重大学の小論文対策を紹介してきました。

ですが、問題・過去問演習だけでは不十分です。なぜなら、小論文は自分では評価できないからです。

論理展開に矛盾はないか、具体例は適切か、制限字数に対して内容は十分か――こうした点は、自分だけでは客観的に判断することが難しいのです。

そのため、看護の視点について理解のある人に書き方と内容について添削をしてもらうことが大切です。

学校の先生、予備校の講師、看護系に詳しい指導者など、第三者の目を通すことで、自分では気づけなかった改善点が見えてきます。

過去問演習と第三者の添削を組み合わせて、一つでも多くの課題に取り組み、万全な状態にしていきましょう!

この記事を書いた人

安井玲音

看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。

【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。

三重大学医学部看護学科の皆さん・保護者さま

アイプラスアカデミーでは、前期一般入試終了後から後期一般選抜に向けての三重大学の小論文と面接の対策を行なっています。

詳しい内容をご確認されたい方はアイプラスアカデミーのLINEよりお問合せください。