【一般選抜】名古屋市立大学保健医療学部 小論文の傾向と対策

名古屋市立大学保健医療学科の入試では小論文が課されます。
「名古屋市立大学の小論文は難しいのでは?」と不安に思う受験生も多いのではないでしょうか。

この記事では、名古屋市立大学保健医療学科の小論文について、出題傾向や過去問のテーマ、具体的な対策方法まで詳しく解説していきます。

名古屋市立大学受験予定の皆さん・保護者さま

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この記事からわかること
  • 名古屋市立大学の小論文の過去問から傾向がわかる
  • 小論文で求められる考えや視点がわかる
  • 名古屋市立大学の対策方法がわかる

名古屋市立大学保健医療学部の小論文の出題傾向

ここでは試験の基本情報や過去問で出題された内容に触れながら名古屋市立大学の小論文の傾向について紹介をしていきます。

<基本情報>

項目内容
試験時間90分
字数合計800字程度(年度によって変動あり)
出題形式大問1題:課題文読解型
設問内容小問(1)〜(4)程度:内容把握・説明問題
・傍線部の語句の意味や理由を、本文から抽出・記述する。
・1問あたり30字〜100字程度の短文記述が複数。
小問(5):自身の見解論述(メイン)
・本文全体の趣旨を踏まえ、自分の考えを400〜600字程度で述べる。
配点150点

小論文の基本情報

名古屋市立大学の小論文試験は、90分という時間の中で4〜5つの設問に答えなければなりません。

① 小問型の課題文読解が中心
2011年度から2025年度まで一貫して「小問が多数並ぶ課題文読解型」が続いています。漢字問題、傍線部説明、理由説明など、段階的に理解を深めながら最終的な論述へとつなげる構成です。

② 最終設問で「本文を踏まえた自身の考え」を問う
問五(最終設問)では、課題文の内容を踏まえた上で、自分自身の考えや具体的な行動・対処法を論じることが求められます。単なる要約ではなく、自分事として捉える力が試されます。

③ 時間配分の重要性
90分間で複数の小問を解き、かつ長文論述を書き上げるため、時間配分が合否を分ける重要なポイントになります。「読解力」と「論述力」の両方をバランスよく発揮することが求められます。

小論文の特徴は?

名古屋市立大学看護学部の小論文は例年、人間論や社会論を中心に扱ったテーマが出題されます。ですが、看護師としての適性や人間性を見ていく試験にもなるため、一般論ではなく看護の視点が要求されるといった内容になっています。

どんなテーマが出てきた?

上記でも紹介したように名古屋市立大学は人間論や社会論に関する問題が出題されます。

直近5年間の出題テーマは以下のようになっておりますので、小論文対策を行う際の参考にしてみてください!

年度出典元(著者・作品名)
2025年石田光徳『「人それぞれ」がさみしい―「やさしく・冷たい」人間関係を考える』
2024年アラン(白井健三郎 訳)『幸福論』
2023年アンデシュ・ハンセン(久山葉子 訳)『スマホ脳』
2022年鷲田清一『待つということ』
2021年陣内秀信 他(編)『身体の知恵を編みなおす』

哲学、心理学、脳科学など幅広いジャンルの新書や古典から出題され、「筆者の主張の要約」と「それに対する自分の考え」を記述させる形式が定石です。高度な読解力に加え、現代社会の課題を看護の視点(対人関係や倫理)で考察する力が問われます。

2025年度はどのような設問だった?

傾向を知る中で、大事なのが大学側が受験者に何を答えて欲しいのかです。
問題文の中で、出題者側の求めているものに正確に答えられないと、論述の趣旨や論旨が変わってしまいます。

こちらでは昨年度出題された過去問を元にして設問内容を紹介していきます。

2025年度

『「人それぞれ」がさみしい』(著:石田光徳)

◎どんな内容?
現代人が好んで使う「人それぞれ」という言葉の裏側に潜む、人間関係の変容を鋭く分析した一冊です。本書では、この言葉が一見すると他者を尊重する「やさしい」表現に見えながら、実は深入りを避け、衝突を回避しようとする「冷たさ(無関心)」を内包しているのではないかと提起されています。

◎ここがポイント!
「個」が尊重される一方で、他者との深い繋がりが失われ、孤独や「さみしさ」が助長されている社会の現状について、私たちはどう向き合うべきかが問われています。医療・看護職を目指す者として、表面的な「やさしさ」に留まらない、他者への一歩踏み込んだ関わり方や理解のあり方を考察する力が試されています。

2025年度の問題は何が求められていた?

名古屋市立大学の課題文読解型問題で一貫して問われているのは、単なる文章の要約能力ではありません。大切なのは、筆者の抽象的な論理を正確に捉える高い精読力と、そこから得た気づきを自分自身の日常生活や医療の視点へ具体化する力です。この「精緻な読解(インプット)」と、それらを基盤とした「独自の思考に基づく論述(アウトプット)」を短時間で両立させることこそが、名古屋市立大学の大問Ⅰで合格点を得るための重要なポイントになってきます。

問題ではどのように聞かれた?

次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

問一:傍線部(ア)〜(コ)の漢字はひらがなに、ひらがなは漢字に直しなさい。ただし、必要な送り仮名もつけること。

問二:傍線部①「優しい関係」とは、具体的にどのような関係のことか、六十文字以内で説明しなさい。

問三:著者は「べき論」とは反対の考え方としてどのような表現に着目しているか、本文中より五字で抜き出しなさい。

問四:著者が「個を尊重する社会になっていないのではないか」と考えるのはなぜか。百二十文字以内で説明しなさい。

問五:あなたの日常生活において、「個を尊重する社会になっていないのではないか」と考えられる状況にはどのようなものがありますか。また、そのような状況において、あなたはどのように対処しようと考えますか。具体的な状況をあげたうえで、五百字以内で論述しなさい。

名古屋市立大学2025年度小論文過去問

名古屋市立大学看護専攻の小論文の解き方ポイント

ここまで出題テーマや出題パターンで名古屋市立大学看護専攻の小論文の傾向を紹介してきました。 では、入試の時にはどのようなポイントを押さえて解いていけばいいのかをこちらで紹介していきます!

読解問題では筆者のロジックと用語の定義を正確に掴む必要がある

名市大の小論文でまず求められるのは、「筆者の主張を正確に読み解く力」です。

そのため、課題文の読み取りについては、単に内容をなぞるだけでなく、筆者が独自の意味を持たせている言葉(定義)や、論理の展開(理由や背景)を的確に捉える視点を身につけておく必要があります。

意見論述の提案で大事なのは日常生活と看護を結びつける力

名古屋市立大学看護専攻の小論文の最終設問で求められる、意見論述のポイントは以下のようになっています。

年度出題内容
2025「個を尊重する社会」ではないと感じる状況への対処法
2024幸福を「自分の意志」でつかみ取るための具体的なあり方
2023デジタル化(スマホ脳)による影響と人間らしい向き合い方
2022効率重視の社会で「待つこと」の価値をどう実践するか
2021身体的な知恵を現代社会でどう編みなおしていくか

このような問いに対して500字程度で回答するため、単なる一般論や感想だと他の受験生の得点差はつきません。

高得点を取りたい場合は、日常生活の具体的なエピソードから出発し、それを看護職に求められる視点へと昇華させる説得力のある論述が求められます。

独自の視点で説得力のある提案ができるようになるには、やはり、人間論や社会論といった幅広い新書に触れ、それらを「対人援助(看護)」の文脈で考える習慣をつけておくことが最も効果的です。

名古屉市立大学の小論文対策

ここまで説明した出題傾向から名古屋市立大学の小論文の対策方法についてまとめていきます。

まずは基本の型から身につける

小論文対策でまず初めに身に付けたいのが型の定着です。

基本の型を身につけて定着をさせることで、課題文のパターンや文章量が変わっても対応ができるようになります。

基本の型を定着させることができれば、構成にかける時間を少なくすることができます。

構成にかける時間が少なくなればその分、課題文の読解に時間を使うことができるようになります。

そのため**「小論文対策、何から始めればいいかわからない!」**という方は基本の型を身につけるところからスタートしていきましょう。


名古屋市立大学に合わせた書き方の練習をしよう

基本の型が身についたら、次は志望校に合わせた対策をしていきましょう。

名古屋市立大学看護学部は、2011年度や2022年度、そして最新の2025年度に至るまで、一貫して**「小問が多数並ぶ課題文読解型」の出題が続いています。そのため、現状としては直近の設問形式(4〜5問構成)の練習で問題はない**でしょう。

ですが、出題テーマに関しては「人間論」「社会論」といった抽象度の高いテーマが扱われるため、医療福祉分野のみならず、より広い視野で論述の準備をしておきたいという方は、哲学系や倫理系の課題文に取り組むことをお勧めします。

以下では問題ごとの対策についてもお話をしていきますので、そちらもチェックしてください!


「読解記述(小問)」は読解の中で進める!

名古屋市立大学の入試は90分と時間に余裕がありそうに見えますが、小問が多いため油断は禁物です。

そのため、問題文をすべて読んでからの解答という進め方はあまりお勧めできません。

文章を読む中で、漢字問題(問一)や傍線部の理由(問二〜問四)を解いていく、「ながら」でやるのが、配点の高い最終論述に時間を割ける方法になります。

課題型小論文は読解の時間を短くしていくことが、論述に時間が使え、最終的な質を上げる鍵になってきます。


問五(長文論述)は具体性の癖づけが鍵!

名古屋市立大学は、2024年度以降も最終設問で「本文を踏まえた自身の考え」を求めてきます。

2025年度:「個を尊重する社会」ではないと感じる日常生活の状況と対処法
2024年度:アランの『幸福論』を踏まえ、幸福を自らつかみ取るための具体的なあり方

このようにして、設問での要求が細かく設定されています。そのため、**「どうなりたい」「こんな風に対処したい」**という話は、自身の日常体験と結びつけて具体的にしていくのが大事です。


設問は先に読んでキーワードに着目をしよう

名古屋市立大学は例年、問題文の中に「〇〇について」というように、説明や抜き出しに繋がるキーワードが提示されています。

そのため、説明問題であれば指定されたキーワード周辺を中心に精読をしていくこともでき、論述に関しても**「論述に使えるワード」**を本文中から探しやすくなります。

文章自体は論理が明確で読みやすいため、まずは落ち着いて、設問が何を要求しているかを掴んでから読解を進めておきましょう。


過去問演習+第三者の添削で万全の対策を!

ここまで、名古屋市立大学の小論文対策として、年度の古いものから順に過去問演習を進めていく戦略を紹介してきました。

ですが、過去問演習だけでは不十分です。なぜなら、小論文は自分では評価できないからです。

論理展開に矛盾はないか、具体例は適切か、制限字数に対して内容は十分か――こうした点は、自分だけでは客観的に判断することが難しいのです。

そのため、看護の視点について理解のある人に、書き方と内容について添削をしてもらうことが大切です。

学校の先生、予備校の講師、看護系に詳しい指導者など、第三者の目を通すことで、自分では気づけなかった改善点が見えてきます。

また、名市大だけでなく、他校の「小問型」課題文小論文にも積極的に取り組むことをおすすめします。同じパターンの問題に数多く触れることで、短い制限時間でもパニックにならずに対応できる応用力が身につきます。

共通テストが終わってから本格的に対策を始める受験生がほとんどですので、過去問演習と第三者の添削を組み合わせて、一つでも多くの課題に取り組み、万全な状態にしていきましょう!

この記事を書いた人

安井玲音

看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。

【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。

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