東京都に7校を構え、看護を目指す受験生の根強い人気を誇る「都立看護専門学校」。
今回は入試問題を基に、都立看護専門学校の一般入試(数学)の傾向と対策について紹介いたします。
都立看護専門学校の一般受験を考えている方、必見の内容です!
目次
東京都立看護専門学校 一般入試情報
冒頭でも紹介しましたが、東京都立看護専門学校は、看護を目指す受験生から人気の看護専門学校です。
また、推薦入試・社会人入試・一般入試と様々な方法で新入学生の受け入れを行なっています。
こちらでは、東京都立専門学校の一般入試を受けるにあたっての過去データを紹介しております。
受験時の参考にしていただけると嬉しいです。
| 学校名 | 令和7年度 | 令和6年度 | 令和5年度 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 受験者 | 合格者 | 倍率 | |||
| 広尾看護專門学校 | 61 | 50 | 1.2 | 1.4 | 1.5 |
| 板橋看護專門学校 | 101 | 50 | 2.0 | 1.5 | 2.1 |
| 荏原看護専門学校 | 50 | 35 | 1.4 | 1.0 | 1.3 |
| 府中看護専門学校 | 107 | 54 | 2.0 | 1.2 | 1.5 |
| 北多摩看護専門学校 | 82 | 67 | 1.2 | 1.3 | 1.7 |
| 青梅看護専門学校 | 31 | 34 | 0.9 | 1.3 | 1.3 |
| 南多摩看護専門学校 | 37 | 34 | 1.1 | 1.4 | 1.4 |
| 総数 | 469 | 324 | 1.4 | 1.3 | 1.6 |
東京都立看護専門学校の一般入試の倍率は、近年は落ち着きを見せているものの、依然として比較的競争率が高いと言えます。
数年前の極端な高倍率(5倍以上など)と比べると低下傾向にありますが、毎年1.5倍から2.0倍以上で推移しており、看護の道を目指す受験生には依然として高い人気を保っています。
東京都立看護専門学校 一般入試(数学)について
今回は東京都立看護専門学校の一般入試の科目の中から「数学」について出題傾向と対策を紹介していきます。
一般入試 数学の難易度
受験をするうえで、抑えておきたい点が「難易度」です。
ここでは、難易度という点から入試情報を紹介していきます。
紹介をする前に、皆さんに覚えていただきたい大前提のお話からしていきます。
7校共通の問題
まず、大前提として東京都立専門学校の入試問題は「7校共通」という点です。
そのため、学校によって難易度が変わるということはないため、安心してください。
問題のレベル
都立看護専門学校の一般入試の数学の難易度は以下の通りです。
標準的〜やや難しい
全国的に見ても標準的なレベルで、極端に難しいということはございません。図形問題の範囲では、比較的難易度の高い問題が数問出題される傾向にあります。
また、一般入試での科目は「数学ⅠA」となるため、該当科目に絞って受験対策ができるのが都立看護専門学校の数学の一般入試の特徴です。
求められる学力レベル
上記の傾向を基にどのくらいのレベルが求められるのかをここでは紹介をしていきます。
東京都立看護専門学校の一般入試で受けるのに必要な学力レベルは以下の通りです。
◎高校レベルの基礎が定着している
高校で学ぶ内容を一通り押さえておけば、問題を解くには十分な学力レベルです。
そのため、難しい問題を解き続けてマニアックな知識を持つのではなく、「基本」の問題を繰り返し解き「解答の精度」を上げていくことが入試対策の中で、重要になってきます。
都立看護学校 一般入試の出題傾向
上記情報を踏まえて、都立看護専門学校の一般入試(数学)の出題傾向について紹介していきます。
1.分野別の出題傾向
都立看護専門学校の一般入試(数学)の出題については、例年似たような問題構成になっています。年度によって、多少の変動はありますが、問題自体は数学Ⅰ範囲のみのため、網羅的に勉強をしておくことが大事になってきます。
まず、東京都立看護専門学校の一般入試はどのような問題構成になっているのかを紹介いたします。
初めに、東京都立看護専門学校の数学の試験は大きく分けて3つのブロックに分かれている傾向にあります。
第1ブロック:数と式の基礎
第2ブロック:論理と関数の応用
第3ブロック:図形と統計の基礎
上記のような形の問題構成になっています。
各ブロックごとの傾向に関しては、後ほど紹介いたします。
第1ブロック(問1~6)の傾向
東京都立看護専門学校は例年、試験の前半には【数と式】のカテゴリの問題が出題されます。
数学における基礎的な計算力が試される箇所になります。
2025年度は以下のような順番で【数と式】のカテゴリから出題されています。
- 展開
- 因数分解
- 循環小数の分数への変換
- 平方根の計算
- 連立1次不等式
- 絶対値を含む1次不等式
上記が2025年度の第1ブロックの問題の構成になります。
特徴としては、数と式の範囲が毎年網羅的に出題されているという点です。
また、【展開・因数分解・平方根の計算】に関しては2017年〜2025年の9年間、すべての年で出題されています。【連立1次不等式】に関しても2017〜2025年の9年間で7回出題されています。
近年では【絶対値を含む1次不等式・循環小数の分数への変換】が2年連続で出題されている傾向にあります。レベル感としては基本をしっかり押さえておけば失点をしないレベル感になるため、とにかく正確に解くことを目標にして受験勉強をしておきましょう。
第2ブロック(問7~13)の傾向
東京都立看護専門学校の数学の問題の特徴として、中盤にあたる第2ブロックは集合や2次関数を中心とした、定義の理解と図形的な思考力が試される箇所です。
2025年度は以下のような問題が【論理と関数の応用】で出題されています。
- 集合
- 命題
- 必要・十分条件
- 2次関数のグラフの平行移動
- 2次関数の最大・最小
- 2次方程式の会と係数の範囲
- 2次不等式
上記が2025年度の第2ブロックの問題の構成になります。
2023年度以前の入試から比較して、2次関数・2次方程式・2次不等式の範囲が減少傾向にあります。その代わり、集合・命題・必要十分条件の範囲は1問分増加をしています。
また、集合・命題・必要十分条件は、2023年以前は2問の出題でしたが、2024年度入試からは3問に増えているという状況です。
第3ブロック(問14~20)の傾向
都立看護専門学校の一般入試の終盤になります。
第3ブロックについては毎年図形の問題が終盤にきます。
また、第3ブロックに関しては一般試験の問題の中でもレベルはそれまでの範囲の問題と比較しても内容が難しくなっています。
そのため、基礎レベルの問題だけでなく図形の問題に関しては、応用問題も触れておくことが無難です。
2025年度入試では以下のような問題が出題されています。
- 三角比の相互関係
- 空間図形への三角比の応用
- 余弦定理
- 円に内接する四角形(面積)
- 内接円の半径
- 相関係数
- 四分位範囲
上記が2025年度の問題の構成になっています。
また、2023年度以前は第3ブロックで集合、必要十分条件などの範囲が出題されていましたが、2024年度以降は図形、統計のジャンルの問題のみとなりました。
また、東京都立看護専門学校の傾向として図形問題では比較的難易度が高くなる傾向です。
図形問題については、基礎意外にも応用問題に触れておくことが、対策としては無難です。
都立看護専門学校 一般入試(数学)の対策
こちらでは、難易度や出題傾向を踏まえた都立看護専門学校の一般入試対策について紹介をしていきます。
今後の入試対策にぜひ活用していただけると嬉しいです。
入試対策のポイント
東京都立看護専門学校は本記事でも紹介したようにの数学ⅠA範囲のみの出題になります。
そのため、受験勉強自体は「数学ⅠA」に絞って行いましょう。
数学ⅠAの入試対策のポイントについて、各ブロックごとの対策を紹介していきます。
第1ブロック:基礎計算力と処理速度をつける
第1ブロックは計算問題が中心になってきます。
また、試験の序盤ということもあり、基礎をしっかり押さえていればできるレベル感になっています。ただ、図形問題で難易度が上がるため、第1ブロックは【早く・正確に】解くことを目標に対策をしていきましょう。
対策方法
| 単元 | 特徴 | 合格のための対策 |
| 数と式、不等式 | 基礎計算(展開、因数分解、循環小数)が集中。基本を押さえておけば、所要時間はそこまで取られない。 | 計算ミスの根絶を最優先に。循環小数(問3)や絶対値を含む方程式(問6)は、解法をパターン化し、1問1分程度で確実に正答できるように反復練習する。 |
第2ブロック:知識の定着と応用
第2ブロックは集合と論理のように定義の理解を問う問題もあれば、2次〇〇といったように1次の知識の定着を前提とした範囲が出てくるブロックです。
そのため、定義を理解し上手に扱う応用力が必要になってきます。
特に2次関数などのように1次の知識がある前提で行われる問題に関して、1次の内容の理解が薄いと感じる人は、1次の内容まで遡って受験勉強に取り組んでおきましょう。
対策方法
| 単元 | 特徴 | 合格のための対策 |
| 集合と論理(問7~問9) | 定義の理解度を問う知識問題。 | 「必要条件・十分条件」「対偶」などの論理的な定義を正確に暗記し、その意味を理解する。失点しにくい分野なので、確実に得点する。 |
| 二次関数(問10~問13) | 最大値、グラフの移動、**解の配置(応用)**など、重要テーマを網羅。 | 頂点の把握、定義域と軸の位置関係といった基礎的なグラフ処理をマスターする。問12のような解の配置(判別式・軸・端点の組み合わせ)を解く訓練も積み、応用力を養う。 |
第3ブロック:図形・統計の網羅的対策
第3ブロックでは、本記事の中でも何度かはお伝えしたように図形問題で難易度が上がる傾向にあります。そのため、基礎だけでなく応用問題にも触れて対策をしていきましょう。
データの分析範囲に関しては、何度が図形問題と比較して落ち着く傾向にあるため、確実解ける基礎知識を身につけていきましょう。
| 単元 | 特徴 | 合格のための対策 |
| 図形と計量(問14~問18) | 最も出題数が多い最重要分野。余弦定理、円に内接する四角形の性質、内接円の半径の公式など、多くの知識を複合的に使用する。 | 全公式の暗記を前提に、様々な図形問題への適用練習を行う。特にS=21r(a+b+c)などの内接円公式や、∠A+∠C=180の利用は徹底的に慣れておく。 |
| データの分析(問19・問20) | 相関係数や外れ値など、知識さえあれば解ける問題が多い。 | 相関係数の公式と意味、四分位数や外れ値の定義(Q1−1.5×IQR)を暗記する。この分野は対策すれば点数効率が非常に良いため、優先して取り組む。 |
対策に向けて:過去問演習
受験勉強をしていくうえで外せないのが「過去問演習」です。
過去問演習は、入試と同じレベル感の問題に触れることができたり、複数年分取り組めばより正確な出題傾向を掴むことができるようになります。
また、過去問に取り組むことで自身の現状を測ることができ、自身の「得意・不得意」を把握できるようになるため、効率的に受験勉強を進めていくことができます。
入試対策の効果を上げる過去問活用術
過去問演習はただ闇雲に問題を解けば良いわけではありません。
過去問は使い方によって受験勉強に大きな効果をもたらします。
そのため、下記の3点をもとに過去問を活用していきましょう。
本番と同じ時間配分で解く
途中で休憩したり、辞書を引いたりせず、時間内に解き終えることを徹底しましょう。
採点から分析をする
単に点数を見るだけでなく、「ケアレスミスで落とした点」「知識不足で落とした点」「時間がなくて解けなかった点」に分類し、「解き直しノート」 を作成しましょう。
複数年分の過去問を解く
最低でも3年〜5年分を解き、傾向にブレがないかを確認することが重要です。
間違えた問題の内容が同じであれば、そこが「今後の課題」として明確になります。
過去問は、解く時期でも早くに解けば、自身のやるべき対策が明確になり効率的に受験勉強を進めるための足がかりになります。試験が近くなった時に解けば、本番までの総仕上げにもなってきます。
時期によって、過去問の使用目的を上手に変えながら勉強をしていきましょう。
東京都立看護専門学校 一般入試
数学 過去問解説
ここでは2025年度入試で実際に出題された問題の解説を行っています。
また、東京都立看護専門学校は学校HPにて、過去5年分の過去問を公開しておりますので、過去問演習もご自身で進めることができます。
第1ブロック(問1~6)






第2ブロック(問7~13)







第3ブロック(問14~20)







さいごに
今回は、東京都立看護専門学校の一般入試(数学)について、紹介・解説をしました。
数学に関しては全国的には標準的なレベル感ではあるため、基礎の積み重ねと計算ミスなどでの小さなミスから起きる失点を防ぐことが、合格への鍵になってきます。
そのため、しっかりと基礎固めをしてどんな問題も「確実」にとれる対策を進めていきましょう。
また、当校では一般入試直前期間の対策として、数学対策講座を開講いたします!
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