創価大学看護学部 総合型選抜入試 小論文対策

創価大学看護学部 総合型選抜入試 小論文対策

今回は創価大学 総合型選抜入試の小論文対策として、入試過去問の解説と、解き方のポイントを紹介いたします。
また、問題の特徴についても紹介しておりますので、看護学部の入試で小論文がある方は必見の内容となっております。

創価大学 看護学部
推薦入試 小論文対策

問題の概要

<出題形式>
テーマ型

<出題内容>
◎社会問題に関する論述(1問:600字〜800字)

問題の特徴

本記事で紹介する小論文は、総合型選抜入試の小論文方式の内容で採用されている入試方法です。2024年に採用された方法で、新しい入試方法にはなりますが2年連続で同じ問題が出題されています。
社会問題に関する論述問題ですが、以下の3点の要素を論述に組み込むよう指示があります。

論述テーマを選んだ理由
建学の精神との紐付け
高校と大学との学びの比較を基にした入学後の展望

そのため、論述に取り組む際は必ず上記3点を入れるように文章を構成しましょう。

解き方のポイント(取り組むにあたって)

同大学の小論文は少し特殊な形式の問題ですが、大きなジャンルとしてはテーマ型の小論文になります。
そのため、テーマ型小論文を解くうえで必要な力を押さえておきましょう。

解くうえで必要な4つの力

思考力と論理構成力

これは小論文の基本であり、最も重要な土台となる力です。

問題発見・分析力

提示されたテーマ(ここでは「関心のある最近の社会問題」)について、その本質的な原因や複数の側面を正確に把握し、論点を絞り込む力が必要です。単なる現象の説明に終わらず、その問題が社会に与える影響や、解決の難しさなどを深く掘り下げて分析する能力が求められます。

多角的視点と自己の見解

社会問題に対し、賛否両論や多様な立場があることを理解した上で、自身の立場と明確な見解を打ち出す力が必要です。また、「関心をもった理由」を論理的に説明し、個人的な経験や価値観と問題意識とを結びつける力も含まれます。

論理的な構成力

600字以上800字以内という制限の中で、序論・本論・結論の流れを明確にし、設問で求められている3つの必須項目を抜け漏れなく、一貫性をもって配置する構成力です。段落ごとの役割を明確にし、主張と根拠が矛盾しないよう論理を飛躍させずに展開する力が求められます。

大学への理解と理念との接続力

この形式の小論文の肝となる、大学独自の要素に対応する力です。

大学理念の理解と応用

創価大学の「建学の精神」のような大学が掲げる理念や教育目標を事前に正確に把握し、それを単なる知識としてではなく、取り上げた社会問題の具体的な解決策や自身が果たす役割と論理的に結びつける応用力が必要です。理念を抽象的なスローガンで終わらせず、自分の論述に血肉を与える形で活用できなければなりません。

志望学問分野への明確な動機

なぜその大学・学部でなければならないのかという必然性を示す力です。高校での学びを振り返り、そこから得た課題意識や興味が、大学での「何をどのように学びたいか」という具体的な学習計画にどうつながるかを、説得力をもって説明する力が求められます。

日本語表現力と規律性

小論文を書くうえで最低限求められる文章作成の基礎力になります。

正確かつ適切な表現

自分の考えを誤解なく伝えるための語彙力、文法、そして句読点の使い方の正確さです。特に論述では、曖昧な表現を避け、客観的で冷静なトーンを保つことが重要です。

字数・形式の遵守

求められた600字以上800字以内という字数制限を厳守する規律性(逸脱は減点対象となる)や、段落の始めを空けるといった形式的なルールを遵守する正確さが求められます。これは、指示を正確に理解し実行できる能力を示すものです。

創価大学看護学部 総合型選抜入試
小論文 過去問解説

ここでは、2025年度の総合型選抜入試で実際に出題された問題の解説を行なっております。
問題に焦点を当てた解き方のポイントを紹介しておりますので、受験勉強の参考にしていただければ嬉しいです。

問題の概要と対策

この小論文は、2025年度創価大学 総合型選抜入試(小論文方式)の試験問題です。受験生に対し、単なる知識ではなく、社会への関心と大学での学習意欲を深く問う、複合型の論述課題となっています。

論述のテーマと字数制限

テーマ: 関心のある最近の社会問題をあげたうえで、自身の考えについて述べること。
字数: 600字以上800字以内で述べること。文字数が600字未満、もしくは801字以上の場合は減点の対象となります。 社会問題: 国内、国外いずれの問題であるかを問いません。
建学の精神: 3つすべてについて述べても、どれか1つ(もしくは2つ)について述べてもかまいません。

必須の構成要素 (3つの問い) 以下の3つの内容を、論述の中に必ず含めるように指示されています。

  1. その社会問題に関心をもった理由
  2. 創価大学の建学の精神が、社会問題の解決にどのように関係し、活かしていけると考えるか
  3. 高校までの学びと大学での学びの違いについて思うところをふまえ、本学入学後、何をどのように学びたいか

解き方のポイント4ステップ

この小論文は、3つの必須要素を有機的に結びつけ、論理的かつ説得力のある文章を構成することが重要です。

STEP 1: 問題提起と「自己の原点」の明示

取り上げる社会問題を明確にし、その問題に関心を持った個人的・具体的な理由を冒頭で提示します。単に「環境破壊が深刻だから」ではなく、「〇〇の経験から、この問題の本質は〇〇にあると考える」といったように、自身の価値観や経験に基づく視点を打ち出すことで、論述の土台を築きます。

STEP 2: 建学の精神の「翻訳」と戦略的接続

創価大学の建学の精神を深く理解し、その理念を「選んだ社会問題の解決に必要な力」へと翻訳します。例えば、「人類の平和を守るフォートレスたれ」の精神を「紛争解決に必要な対話力と異文化理解力の源泉」と解釈し、それが自分の関心ある問題解決にどのように活かされるかを具体的に論じます。3つの中から最も関連性の高い精神に焦点を絞る方が、説得力が増す場合が多いです。

STEP 3: 「学びの転換」を踏まえた学習目標の具体化

高校までの学びを振り返り、それに対して大学での学びを専門的知識の能動的探究や学際的な実践と明確に差別化します。この違いを認識した上で、「なぜ創価大学の〇〇学部でなければならないのか」という必然性を含め、建学の精神を体現するために何を、どのように(例:ゼミ、フィールドワーク、特定科目の履修)学びたいかを具体的に記述します。

STEP 4: 構成の最適化と字数の厳守

最終的に、STEP 1からSTEP 3までの要素が、論理の飛躍なく一貫した流れ(問題提起→分析と理念の接続→大学での学習計画と展望)になっているかをチェックします。特に、600字から800字という厳格な字数制限を正確に守り、段落の始めは1マス空けるといった形式も遵守します。

テーマ型小論文の文章構成テンプレート(600〜800字)

創価大学の入試問題のように、複数の必須要件が課されたテーマ型小論文では、以下の4段落構成で論理の一貫性を保つことが効果的です。

第1段落:問題提起と自己の関心 (約150〜200字)

役割:序論・問題提起と関心をもった理由
取り上げる社会問題を明確に提示する。その問題の現状と、自身が考える核心的な課題を簡潔に述べる。その社会問題に関心をもった理由(原体験や具体的な出来事)を述べ、個人的な問題意識と結びつける。

第2段落:解決へのアプローチと大学理念の接続 (約200〜250字)

役割:本論①・建学の精神の活用
第1段落で提起した問題に対し、どのような視点やアプローチが必要かを論じる。創価大学の建学の精神(1つ以上)を取り上げ、その精神が上記の解決アプローチにどのように関係し、活かしていけるかを具体的に論述する。ここでは、大学の理念を社会貢献へとつなげる「橋渡し」の役割を果たす。

第3段落:学びの違いと具体的な学習計画 (約200〜250字)

役割:本論②・学習計画と意欲
高校までの学びと大学での学びの違いについて思うところ(例:受動的→能動的、一般→専門性など)を明確にする。その違いを踏まえ、本学入学後、何をどのように学びたいかを具体的に記述する。志望学部の専門科目、ゼミ、プロジェクト、留学などを活用し、第2段落で述べた社会貢献を実現するための具体的な学習目標を示す。

第4段落:結論と将来の展望 (約50〜100字)

役割:結論・まとめ
全体の主張を簡潔にまとめ、自身が創価大学で学ぶことの意義と将来の展望(社会に対してどう貢献したいか)を述べて締めくくる。文章を読み手に強く印象づけるような、力強い言葉で終わらせる。※合計:約600〜800字

さいごに

ここまで、記事をご覧いただきありがとうございました。
今回は創価大学の過去問解説を交えて、小論文対策の方法を紹介いたしました。
ただ、試験問題については年度ごとに変わっていくこともあるため、何がきてもいいように一通りいろんなパターンの小論文には触れておきましょう。

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