東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)医学部保健衛生学科看護学専攻の小論文対策として、2025年度および2026年度の過去問をもとに傾向と対策を徹底分析しております。
特別選抜I(学校推薦型・国際バカロレア選抜)における小論文試験は、大問1(共通問題:50分)と大問2(専攻別問題:60分)の2部構成となっています。
短時間で多岐にわたる設問(数理的思考、資料分析、対話文の考察、長文読解、意見論述)を処理する必要があり、看護職としての適性や洞察力、論理的思考力が多角的に問われます。
こちらの記事では、過去問の出題傾向や解答のポイント、具体的な対策方法について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください!
- 東京科学大学 看護専攻の小論文の試験形式や全体像がわかる
- 大問1(共通問題)と大問2(専攻別問題)の出題傾向がわかる
- 合格点を獲得するための具体的な対策方法と解き方のポイントがわかる
目次
東京科学大学 看護専攻の小論文の出題傾向
| 項目 | 詳細 |
| 試験構成 | 大問1(共通問題:50分)/ 大問2(看・専攻別問題:60分) |
| 問題数 | 大問1:小問7~8題前後 / 大問2:小問2題 |
| 記述字数 | 大問1: 60字〜150字程度の短文記述 複数 + 選択/計算問題 大問2: 要約150字 + 意見論述500字 |
| 選抜方式 | 特別選抜I(学校推薦型選抜・国際バカロレア選抜) |
東京科学大学 小論文の基本情報
東京科学大学の看護専攻における小論文は、時間配分と解法スキルの切り替えが非常に重要です。
試験は午前中に実施される「大問1(50分)」と、続いて実施される「大問2(60分)」に分かれています。
大問1は医学部共通問題となっており、数理パズルやデータの読み取り、倫理的・社会的対話問題など多岐にわたる小問が出題されます。
時間に対して問題数が多いため、素早い情報処理が求められます。
一方、大問2は看護学専攻独自の長文課題文型小論文となっており、長大な課題文を正確に読み解いた上で要約および看護職としての意見論述を行う本格的な記述試験です。
大問1(共通問題)の出題傾向と解説
大問1は、医学部(医学科・保健衛生学科)共通の総合問題形式となっています。多角的な思考力と表現力を測るため、毎年多彩なテーマから小問が提示されます。
過去2年間の大問1の出題テーマ一覧
| 年度 | 設問番号 | 出題テーマ・形式 | 設問内容 |
| 2026 | 問題1 | 確率・論理思考 | 医師の研究チーム編成(条件付き選択と確率) |
| 問題2 | 空間把握・図形 | 正八面体とその展開図(面の重ね合わせ・平行な辺) | |
| 問題3 | 周期性・計算 | 薬の服用周期と曜日計算 | |
| 問題4 | 資料分析 | 日本の人口構造の変化(2000年〜2040年推計)と医療課題 | |
| 問題5 | 意見論述(対話) | バス優先席の利用ルールに関する立場と意見 | |
| 問題6 | 意見論述(対話) | 乳幼児のスマートフォン利用に関する懸念と意見 | |
| 2025 | 問題1 | 日付計算 | 曜日計算(3月4日から10月10日) |
| 問題2 | 選挙論理 | 役員選出における当選確実ラインの計算 | |
| 問題3 | 組合せ数学 | 指導者と学生のチーム分け(条件付き順列・組合せ) | |
| 問題4 | グラフ論理 | 5つの町(A, B, C, D, X)を結ぶ一筆書き・経路数計算 | |
| 問題5 | 資料分析 | 要介護者から見た主な介護者の続柄(高齢社会白書) | |
| 問題6 | 意見論述(対話) | 故人のAI再現・会話サービスの倫理的懸念 | |
| 問題7 | 意見論述(対話) | 観光客の規則違反に対する対応とペナルティの考え方 |
大問1の傾向と解き方のポイント
①数理的思考・パズル問題(問題1〜問題3/4)
- 特徴:順列・組合せ、確率、カレンダー計算、図形展開、グラフ経路問題など、高校数学(数学I・A程度)の基礎概念を用いた論理的思考力が問われます。
- ポイント:複雑な公式を暗記しているかではなく、問題の条件を正確に整理し、もれなく重複なく数え上げられるかが鍵となります。ここで時間をかけすぎず、後半の記述問題へ時間を残すペース配分が重要です。
②資料分析・社会課題の読み取り
- 特徴:「高齢社会白書」や「将来推計人口」などのグラフ・統計資料が提示され、現状の要約(60〜75字)や課題と対策(100〜150字)が問われます。
- ポイント:単にグラフの数値の上下をなぞるだけでなく、「高齢化の進展」「生産年齢人口の減少」「ケアの家族依存と事業者の役割」といった背景にある社会的文脈を読み取って論述する必要があります。
③身近な社会的・倫理的トピックに関する対話文考察
- 特徴:高校生や大学生の2人の対話(AさんとBさん)を読み、論点の整理、一方の立場に対する見解、または両者の主張を踏まえた自説の展開が求められます。
- ポイント:テーマは「故人AI」「優先席」「観光マナー」「子どものスマホ使用」など多岐にわたります。双方の立場に一定の妥当性があるため、一方を感情的に否定するのではなく、「なぜその議論が生じるのか」の本質的な理由を捉えた上で、自分の意見を倫理的・論理的に述べる姿勢が評価されます。
大問2(看・専攻別問題)の出題傾向と解説
大問2は、看護学専攻の受験生のみに課される本格的な課題文型小論文です。60分という時間の中で、約2,000〜3,000字程度の長大な課題文を読み解き、小問1(要約:150字)と小問2(意見論述:500字)に解答します。
過去2年間の大問2の課題文と出題内容
2026年度:アンデシュ・ハンセン 著『ストレス脳』
◎どんな内容?
脳の「予測機能」と「期待と経験の比較」から「幸福」の本質を説いた文章です。パンデミック禍で高齢者の自己評価による健康状態が改善した例を引き、「幸せとは単に楽しい経験を追い求めることではなく、人生において意義を感じられることに没頭した際に生まれる副産物である」と論じています。
◎ここがポイント!
- 問題一(150字):パンデミック下で高齢者の「健康状態が良好」と答えた割合が増えた理由を「脳の予測」という観点から要約・説明することが求められました。
- 問題二(500字):筆者が「幸せを追い求めてはいけない」と考える理由を整理した上で、本文の定義(意義の追求、他者との協力)を踏まえ、自身がこれまでに経験した「幸せ」について具体的に論じる形式でした。
2025年度:エイミー・C・エドモンドソン 著『チームが機能するとはどういうことか』
◎どんな内容?
スペースシャトル「コロンビア号」の墜落事故や医療現場での投与ミス予防の例を引き、組織における「対人不安」と「心理的安全(Psychological Safety)」の重要性を論じた文章です。ルールや手順の整備だけではミスを防ぎきれず、罰や評価低下を恐れずに懸念や失敗を言える環境こそが不可欠であると説いています。
◎ここがポイント!
- 問題一(150字):筆者が考える「心理的安全」の定義と本質について、150字以内で的確に要約することが求められました。
- 問題二(500字):傍線部「ルールと必要な手順があるだけでは…間違いが完全になくなることはない」を踏まえ、将来看護師としてチーム医療の中で働くにあたって何が重要であるか、自身の考えを500字以内で論じる問題でした。
大問2(専攻別問題)の解き方のポイント
要約問題(問題一:150字)はキーワードの抽出と論理的再構成が必須
大問2の問題一は、課題文の核心部分を指定された概念(「脳の予測」など)やテーマに即して150字でまとめる設問です。
課題文が長大であるため、該当する段落を迅速に特定し、筆者の論旨を過不足なく簡潔にまとめる記述力が問われます。
意見論述(問題二:500字)では「看護職としての適性と洞察力」が試される
問題二では、課題文のテーマ(「心理的安全」「幸福と生きる意義」など)を深く理解した上で、看護職を目指す者としての考えや実体験を500字で論じます。
単なる作文や一般的な抽象論にとどまらず、以下の視点を組み込むことが高得点への鍵となります。
- 課題文の概念の深い理解:筆者の主張やキーコンセプト(例:心理的安全、他者との協働、意義の追求)を正確に受容しているか。
- 看護・医療現場への引き寄せ:チーム医療におけるコミュニケーションのあり方や、患者の「生」や「安心」を支える看護師の役割に論点を結びつけられているか。
- 具体的体験・エピソードの盛り込み:自身の体験談を述べる場合でも、客観的な分析と看護職としての価値観(受容、傾聴、協働など)へ昇華できているか。
東京科学大学 看護専攻の小論文対策
東京科学大学看護専攻の小論文を攻略するためには、以下の3つのステップで対策を進めることが効果的です。
1. 数理的思考力と資料読み取りの基礎を固める(大問1対策)
大問1の計算・論理パズル問題は、慣れが得点力を大きく左右します。SPIや公務員試験の判断推理・数理処理の基礎問題、または他大学の看護系数学・パズル問題を解き、短時間で解法パターンを見抜く練習を重ねましょう。
また、医療・社会福祉に関する統計データ(人口動態、高齢化率、介護状況など)のグラフに日頃から触れ、数値を言葉で説明するトレーニングも有効です。
2. 医療・福祉・人間観に関する新書や論説文を読む(大問2対策)
近年の課題文は、心理学、組織行動学、医療倫理、ケア論など多岐にわたる専門新書から出題されています。
日頃から医療・看護系の小論文テーマ(インフォームド・コンセント、チーム医療、QOL、心理的安全など)に関する新書や新着論文に目を通し、語彙力とテーマ理解を深めておきましょう。
3. 時間配分を意識した過去問演習とプロによる添削指導
大問1は50分、大問2は60分という限られた試験時間です。
- 大問1(50分):数理問題・小問群を30分程度で処理し、後半の記述(100〜150字)に20分を割く。
- 大問2(60分):課題文の読解と構造把握に20〜25分、要約作成に10〜15分、500字論述の構成・執筆に20〜25分を充てる。
実際に手を動かして制限時間内に書き上げる演習を行い、看護小論文に精通した講師から論理構成や看護的視点のチェック(添削指導)を受けることが合格への最短ルートです。
東京科学大学 看護専攻の小論文に関するよくある質問
Q1. 大問1の数理問題が苦手なのですが、捨てても大丈夫ですか?
A. 捨てるのはおすすめできません。
大問1は小問集合形式であり、数理問題の配点も一定割合を占めます。難易度自体は高校数学の基本〜標準レベルやパズル的な思考問題ですので、類似問題を演習しておけば十分対応可能です。
1点でも多く積み残さないよう、対策をしておきましょう。
Q2. 大問2の500字論述で、自分の体験談を書いても良いのでしょうか?
A. 設問の指示に従い、論理的に組み込むことが重要です。
2026年度のように「これまでに経験した幸せについて具体的に述べなさい」と指示されている場合は、体験談を交えることが必須となります。単なる個人的思い出話で終わらせず、課題文のテーマ(人生の意義や他者との協力)と結びつけ、将来の看護職としての姿勢に昇華させて書くことが高評価につながります。
さいごに
東京科学大学医学部保健衛生学科看護学専攻の小論文試験は、「大問1での迅速かつ多角的な思考力・処理能力」と、「大問2での深い読解力と看護職としての倫理観・表現力」の両方が求められる質の高い試験です。
過去問の出題傾向を正しく把握し、計画的な演習と添削指導を重ねることで、確実に合格レベルの答案を作成する力を養うことができます。

安井玲音
看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。
【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。
