群馬県立県民健康科学大学看護学部 推薦入試 小論文対策

群馬県立県民健康科学大学看護学部 推薦入試 小論文対策

群馬県立県民健康科学大学看護学部 推薦入試 小論文対策

今回は群馬県立県民健康科学大学 推薦入試の小論文対策として、入試過去問の解説と、解き方のポイントを紹介いたします。
また、問題の特徴についても紹介しておりますので、看護学部の入試で小論文がある方は必見の内容となっております。

問題の概要

<出題形式>
課題文型(和文+英文)

<出題内容>
1問目:和文読解(2問)・論述(1問 400字以内)
2回目:英文読解(2問)・論述(1問 250字以内)

問題の特徴

群馬県立県民健康科学大学の小論文は、「和文読解+意見論述」と「英文読解+意見論述」の二部構成を継続して採用していることが最大の特徴です。
また、同大学の小論文は、一貫して現代社会の先端的な課題と看護職の役割を結びつけるテーマを採用しています。出題は「AI時代における思考力・学びの意義」や「高齢者の孤独問題への技術的・倫理的対応」といった、技術(AI)と人間性・社会福祉の接点に焦点を当てるのが特徴です。これは、単なる知識ではなく、看護職に必須の倫理的判断力、多角的な思考力、そして社会の課題に能動的に取り組む姿勢を評価する意図に基づいています。

解き方のポイント(取り組むにあたって)

この問題を解くうえで特に必要な力(3点)

正確な超短文要約力と抜粋力

40字、60字といった極端に短い字数制限の中で、課題文の核となる主張や定義を正確に抜き出す、あるいは要約する技術。これができないと、論述の土台が崩れます。

医療・社会福祉テーマの英文読解力

高齢者ケアやAIなど、看護学に関連するテーマの英文(VOANEWSなど)を制限時間内に正確に読み取り、日本語で解答を構成する読解力と変換能力。

技術倫理・社会課題に対する考察力

AIや技術革新がもたらす問題(例:孤独の解消、考える力の低下)に対し、看護師として人間の尊厳や幸福という視点から多角的に考え、自分の意見を構築する能力。

和文の課題文型小論文の解き方のポイント

設問ごとの要求をリスト化する

「40字で要約」「60字で抜粋」「400字で意見」など、設問が複数ある場合は、解答欄の字数と要求内容を最初にメモし、一つずつクリアする計画を立てましょう。特に短い字数制限を優先して片付けます。

意見論述は「論点+自身の具体例」を徹底

筆者の主張を前提としつつ、自分が最も重要だと考える論点(例:AIに使われる側にならないために)を明確にし、それを裏付ける自分の経験や見聞を具体的に示して説得力を高めます。

制限時間配分を厳守する

短い記述に時間をかけすぎないよう注意し、最も配点が高いと考えられる長文論述(400字など)に最低でも全体の50%以上の時間を残せるよう、時間配分を厳しく管理しましょう。

英文の課題文型小論文の解き方のポイント

主語と結論(トピックセンテンス)を特定する

まず、各段落のトピックセンテンス(中心的な主張)と、文章全体の結論がどこにあるかを特定します。特に「しかし(But)」「一方で(On the other hand)」などの逆接の接続詞をチェックしましょう。

固有名詞(人名・機関名)の主張を明確化する

教授やCEOなど、立場の異なる人物の意見(例:Holt-Lunstad教授の懸念、Skuler CEOの考え)は、誰が何を主張しているかを明確に区別してメモし、設問への回答に活用できるようにします。

「引用+自己意見」の構造を確立する

設問が「教授の内容+自分の意見」を求める場合、まず英文の該当部分を正確に日本語で要約し、その後、その意見に対し「賛成・反対」の立場を明確にして論述する二段構成で臨みましょう。

群馬県立県民健康科学大学看護学部 推薦入試
小論文 過去問解説

ここでは、実際に群馬県立県民健康科学大学看護学部の2025年度推薦入試で出題された問題の解説を基に、小論文対策を紹介していきます。受験勉強をされる際の参考になれば嬉しいです。

問題の概要

池上彰さんのコラムが課題文です。「受験のためだけの勉強」を卒業し、AI(人工知能)が進化する時代だからこそ、「自分で良い疑問を見つけ、答えを求めて深く考える力」が大学で学ぶ本当の価値であり、社会で求められる力だと述べています。設問は、40字・60字での正確なまとめと、400字での自分の考えを書く形式です。

解き方のポイント

「空気を読む力」と「考える力」の違いを理解する:文章で対立させている「求められている答えを察する力(忖度力)」と「自分で疑問を持ち、考え抜く力」の定義をしっかり理解し、意見を書く際は後者の大切さを理由として使います。

短い字数では「言葉をそのまま使う」ことを優先する:40字、60字といった厳しい字数制限では、自分の言葉に直さず、文章中にある重要な言葉をそのまま使い、足りない情報だけを補ってまとめます。

400字で書くときは「看護」の視点を入れる:大学で学ぶ価値を問われているので、その力が看護師として患者さんの「正解がない悩み」(例:病気との向き合い方)に接したときに、どう役立つのかという視点を加えると、説得力が増します。

文章構成(問2(2):400字)

【序論:50字】:筆者の意見(考え抜く経験が将来役立つ)に賛成・反対の立場をはっきり示し、この文章で何を一番伝えたいか(例:様々な分野を学ぶことの大切さ)を最初に書きます。

【本論1:150字】:意見の理由を説明します。看護の仕事で出会う「一つの答えでは解決しない問題」(例:患者さんの気持ちや倫理的な判断)を具体例として挙げ、「考える力」がなぜ欠かせないかを説明します。

【本論2:150字】:具体的な行動で証明します。高校時代に自分で工夫した学習(例:探究活動や部活動での問題解決)などを例に出し、どうやって「考える力」を育ててきたかを具体的に書きます。

【結論:50字】:大学で身につける「良い問いを見つける姿勢」こそが、AI時代に人間が担うべき役割であり、優れた看護師になるための土台であると、改めて結論づけます。

対策ポイント

新聞のコラムを「決まった字数」でまとめる練習をする:新聞の社説やコラムを読み、それを40字、60字など、様々な字数でまとめ直す訓練を繰り返すことで、短い記述に対応する力を高めます。

「AIと人間」のテーマでアイデアをストックする:AIが看護や医療で「効率化できること」と「人間にしかできない、譲れないこと」の具体例を調べておき、自分の意見をすぐに書けるように準備しておきます。

小論文試験問題2:英文解説

問題の概要

高齢者の孤独を防ぐために開発されたAIロボット「ElliQ」についての海外記事(VOANEWS)が課題文です。ロボットの機能や利用者の良い反応が紹介される一方で、「人間とのふれあいを求める気持ちが薄れるのでは?」という大学教授の心配も書かれています。設問は、英文の内容を日本語で正確にまとめる問題(50字、80字)と、論点について自分の意見を書く問題(250字)です。

解き方のポイント

「心配事」と「良い効果」のどちらも理解する:教授の「人との接触意欲が低下するかもしれない」という心配と、開発者側の「孤独感を減らせる」という良い効果、両方の考え方をバランス良く理解することが大切です。

250字で書くときは「意見→理由→看護師の役割」で構成する:まず教授の心配を簡単にまとめ、その上で自分の意見(AIは必要か、どう使うべきか)をはっきりさせます。最後に、看護師としてAIをどう役立てるかという視点でまとめると良いでしょう。

具体的な機能(ElliQ)を説明の材料にする:ElliQの具体的な機能(「体操のリード」「薬を飲む時間の通知」「緊急時の連絡」)などを踏まえ、これらが看護師の仕事の「補助」として、どう使えるかを具体的に説明します。

文章構成(問3:250字)

【序論:50字】:教授の心配(孤独感は人との再会を促すバネであるべき)を簡単にまとめ、それに対する自分の立場(例:サポート役としては必要)を最初に示します。

【本論:150字】:自分の立場の理由を説明します。家から出られない人や家族がいない人にとっての有効性を挙げ、AIは人とのふれあいを「奪う」のではなく、「つなぐ手助け」として使うべきだと主張します。

【結論:50字】:最終的なまとめとして、看護師はAIを上手に使いこなし、技術に頼りすぎず、「人による温かいふれあい」が本当に必要な人を見分ける役割を果たすべきだと結論づけます。

対策ポイント

医療や社会問題の英語記事を読む練習をする:VOANEWS Learning Englishなど、医療や科学、社会問題に関する簡単な英語の記事を読んで、専門用語や話の筋道(論旨)を素早く理解する訓練をします。

「英語で読み、日本語で書く」訓練をする:英文を読んだ後、英語の単語や表現に引っ張られず、自然な日本語で要点や自分の意見をしっかりと書く訓練を積むことで、解答の質を高めます。

課題文型小論文の対策について

ここでは和文・英文で分けて課題文型小論文の対策方法を紹介いたします。
日本語か英語かの違いで対策方法は違ってくるため、それぞれの対策を並行していきましょう。

和文の課題文型小論文対策4ステップ

ステップ1:「主張」と「筆者の意図」を正確に見抜く

評論やコラムを読み、筆者の最終的な結論(主張)と、その文章が受験生に何を考えさせたいのか(意図)を、キーワードや接続詞に注目しながら正確に把握する訓練を重ねます。

ステップ2:論理的な構成と字数配分を徹底する

「序論(主張)→本論(根拠・具体例)→結論(まとめ)」の基本構成を確立します。特に、字数制限が細かい大学では、各パートに割り当てる字数を守りながら論旨が破綻しない練習が重要です。

ステップ3:頻出テーマについて賛否両論の意見を整理する

医療技術、倫理、社会福祉、環境問題など、出題が予想されるテーマについて、日頃から「賛成派の意見」と「反対派の意見」を具体例とともにノートに整理し、自分の意見の根拠を明確にします。

ステップ4:実戦形式で過去問演習と添削を受ける

過去問や類題を使い、必ず規定時間を計って書き上げます。特に短文記述と長文論述が複合されている場合は、時間配分を意識して練習し、第三者による論理性の添削を受けます。

英文の課題文型小論文対策4ステップ

ステップ1:医療系英語の語彙と専門的な読解に慣れる

医療、福祉、生命倫理に関する英語の専門用語(例: Loneliness, Vaccine, End-of-life care)を増やし、海外のニュース記事や学術要約を読み、内容を大まかに掴む訓練をします。

ステップ2:「直訳」を避け、自然な日本語で要約する技術を磨く

英文を正確に理解した後、設問の字数に合わせて、英語の表現に引きずられず、読みやすい自然な日本語で簡潔にまとめ直す練習を行います。これが高い評価につながります。

ステップ4:文章論点に対する自己の意見を論理的に構築する

英文で提起された問題(例:AIロボットの倫理問題)に対し、「賛成・反対」ではなく、「看護師の補助として必要だが、人とのふれあいは代替できない」など、多角的な視点から意見を組み立てます。

ステップ4:実戦形式で過去問演習と時間配分を徹底する

限られた試験時間内に、英文の読解、日本語での正確な解答、そして自己の意見論述という3つの作業を完了させる時間感覚を養います。特に読解に時間をかけすぎない工夫が必要です。

さいごに

ここまで、記事をご覧いただきありがとうございました。
今回は群馬県立県民健康科学大学の過去問解説を交えて、小論文対策の方法を紹介いたしました。
ただ、試験問題については年度ごとに変わっていくこともあるため、いろんなパターンの小論文には触れておきましょう。

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