【小論文対策】小論文はどのように書く?

【小論文対策】小論文はどのように書く?

このページでは看護学部、看護専門学校の推薦入試や一部の一般入試で実施される小論文の対策について紹介しています。
小論文は対策をどれだけしているかが受験生によって大きく異なるため、対策をしっかりとすることで他の受験生と大きく差をつけることができます。
以下は、いますぐに実践できる具体的な対策方法になっていますので、是非とも参考にしてください!

1. 看護系入試で小論文を行う目的 🎯

まず初めに知っておきたいことが「どうして小論文試験が実施されるのか」という部分です。

看護師・保健師・助産師といった専門職は、知識だけでなく、人間性、倫理観、そして論理的な思考力が求められます。小論文は、学力試験では測れないこれらの資質を評価するために看護系の入試では小論文試験が課されます。

目的評価される資質
① 思考力の評価論理的思考力:物事を体系的に捉え、筋道を立てて考え、結論を導き出す力。
② 倫理観・使命感の評価看護への熱意と適性:少子高齢化、医療倫理、地域医療などの社会問題に対する関心と、看護職を目指す明確な理由。
③ 表現力の評価コミュニケーション能力:自分の考えを明確かつ正確な日本語で、他者に伝えられる表現力。
④ 課題発見・解決能力現場対応力:提示された問題(テーマ)に対して、課題を特定し、解決策を提案できる力。

2. 小論文の評価基準 ⚖️

小論文は国数英のような仏科目とは違い、受験科目の中でも採点基準が明確ではないため、なかなか対策に困るという声を聞きます。しかし、多くの看護学校・看護学部の入試で、小論文を課している理由を考えれば、どういった小論文が評価を得られるかが明確になります。採点官は、以下の3つの観点から小論文を評価しています。

(1) 内容(テーマへの理解度)

  • 課題(テーマ)の意図を正確に理解し、それに対して明確な主張(結論) を示せているか。
  • 主張を裏付ける具体的な根拠や事例が示されているか。
  • 看護師としての倫理観や使命感が適切に織り込まれているか。

(2) 構成(論理的な筋道)

  • 序論→本論→結論の三部構成が守られているか。
  • 各段落の役割(主張、根拠、まとめ)が明確で、論理の飛躍がないか。
  • 接続詞(しかし、したがって、なぜなら)が適切に使われ、文章の流れがスムーズか。

(3) 表現(日本語の正確さ)

  • 誤字脱字、文法的な間違い(てにをは、主語述語のねじれなど)がないか。
  • 指定された文字数や原稿用紙の使い方(句読点の使い方、改行など)のルールが守られているか。
  • 丁寧語、謙譲語、常体(だ・である調)が適切に使われているか。

3. 小論文の基本的な作り方:三部構成の型 🧱

小論文は、型にはめて書くことで論理的な文章になり、評価が安定します。以下の**「三部構成」** を必ず守りましょう。

序論(導入・問題提起):全体の1〜2割

  1. 問題提起: 提示されたテーマ(例:地域医療の課題)に対して、「現状は〇〇だが、私は△△であるべきだと考える」と、自分の結論(主張)を最初に示します
  2. 背景: テーマの背景や、なぜそれが問題になっているのか、という現状認識を簡潔に述べます。

本論(展開・論証):全体の6〜7割

  1. 主張の根拠①: 結論を裏付ける第一の理由を述べます。
  2. 具体例・事例: その理由を補強する具体的な経験やデータ、ニュースなどを提示します。
  3. 主張の根拠②(発展): 結論を裏付ける第二の理由を、看護の視点や将来の展望を交えて展開します。

結論(まとめ・展望):全体の1〜2割

  1. 主張の再確認: 序論で述べた結論を、より説得力のある言葉で再度強調します。
  2. 今後の抱負・展望: 看護師になった後、本論で述べた課題に対して具体的にどう取り組みたいか、という意欲と展望を述べ、締めくくります。

4. 「良い小論文」の書き方:評価を上げるポイント ✨

(1) 抽象論で終わらせない

「命を大切にする」「患者さんに寄り添う」といった抽象的な言葉だけで終わらせず、「具体的にどのような状況で、どのように寄り添うのか」まで掘り下げて書きましょう。

(2) 主張に一貫性を持たせる

文章の途中で意見を変えたり、矛盾した内容を書いたりしないように注意しましょう。序論で提示した結論と、結論で再確認する結論は、必ず同じでなければなりません。

(3) 「あなた自身の視点」を入れる

インターネットやニュースの情報をそのまま羅列するだけでは高評価を得られません。「〇〇という課題に対し、私は〜という点で課題解決に貢献したい」といった、看護師を目指すあなた自身の独自の視点を加えることで、オリジナリティが生まれます。


5. 小論文試験の具体的な対策法 📚

ステップ対策内容
知識準備医療系ニュースの収集:少子高齢化、地域包括ケア、AI医療、チーム医療、多職種連携など、頻出テーマのキーワードと現状を理解する。
思考訓練「なぜ?」を繰り返す:「なぜ地域医療は衰退するのか?」「なぜ看護師になりたいのか?」と自己分析を深め、答えに詰まったら調べる習慣をつける。
実践演習過去問を解く:志望校の過去問や類題を制限時間内で書き、慣れた人に添削を依頼する。最初は構成だけを考えてから書き始めましょう。
時間管理20分で構成、30分で執筆、10分で見直しといった、自分に合った時間配分を確立し、本番で焦らないように訓練する。(試験時間60分の場合)

上記のように準備をしていきましょう。
また、今回は小論文の基本的な部分について触れていきました。
その他記事では小論文の出題形式など、さらに詳しく紹介しておりますので合わせてご一読いただけると嬉しいです。