慶應義塾大学看護医療学部の総合型選抜(自由応募入試)の内容と対策について解説します。
慶應義塾大学看護医療学部は、医学部・薬学部と併設された日本でも希少な看護系学部であり、私立大学看護系トップの偏差値を誇ります。卒業後は7〜8割が慶應病院に就職するという安定したキャリアパスも人気の理由のひとつです。
AO入試の募集人員は「若干名」と非常に少なく、例年高倍率となります。2025年度入試はA方式・B方式合計で81名が出願し、最終合格者はわずか14名(A方式8名・B方式6名)でした。
それだけに、しっかりとした対策が合否を分けます。
こちらの記事では、慶應義塾大学看護医療学部のAO入試の内容・方式の選び方・対策について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください!
- 慶應義塾大学看護医療学部が求める「看護医療の先導者」像
- A方式・B方式それぞれの違いと自分に合った選び方
- 志望理由書・活動報告書・学習計画書の書き方と対策ポイント
- 面接で問われることと差がつくポイント
アイプラスアカデミーでは慶應義塾大学看護医療学部の総合型選抜対策を行なっております。
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目次
慶應義塾大学看護医療学部が求める学生像とは?
すべての対策の土台となるのが、アドミッション・ポリシーの理解です。慶應義塾大学看護医療学部が求めるのは「看護師」ではなく、「看護医療の先導者」です。
この視座の違いを理解しているかどうかが、合否を大きく左右します。
公式のアドミッション・ポリシーでは、以下のような人材を求めています。
慶應義塾大学 看護医療学部2026年度入学 募集要項
- 人の健康と生命、看護への関心をもち、他者の苦痛や悩みを理解しようとする
- 人を尊重し、自分とは異なる立場や文化・価値観を持つ人々とコミュニケーションでき、関係を築いていこうとする
- ものごとを多角的にとらえ、問題に気づき、解決の方向性と対策を考え出し、実行する意志と行動力がある
- 自らやると決めたことをやり遂げようとし、失敗の経験から学び、自身を成長させようとする
- 自分の行いが人々や社会に役立つことを望み、人々や社会のよりよいあり方を追求しようとする
一般的な看護系学部が「看護師を育てること」をミッションとするのに対し、慶應義塾大学看護医療学部は「その業界を導ける人材を育成すること」を目標としています。
書類・面接を通じて常に「これまでとこれからの看護」という大きな視座でアピールすることが重要です。
慶應義塾大学看護医療学部の入試情報
対策を始める前に、まずこの入試の基本的な枠組みを確認しておきましょう。
出願期間の短さと選考の流れを早めに把握しておくことが、スケジュール管理の第一歩です。
去年の募集人数は何人?
2025年度の結果では、出願者81名(A方式55名・B方式26名)に対し、最終合格者はわずか14名(A方式8名・B方式6名)でした。募集人員「若干名」という言葉の重さを、まずしっかり受け止めておきましょう。
出願するうえで必要なことは?
ここでは「誰がこの入試に出願できるのか」を確認します。A方式とB方式で出願資格・要件が異なるため、自分がどちらの条件を満たしているかを早めに確認しておきましょう。
こちらでは「出願資格・要件」について紹介をしていきます。
出願資格・要件とは「そもそもこの入試に出願できる人かどうか」を確認するための条件になります。
慶應義塾大学看護医療学部の総合型選抜はA方式・B方式の2つの方式で入試を行うため、下記では各方式ごとの出願資格・要件について紹介をしていきます。
出願時の参考になれば嬉しく思います。
A方式の出願資格・要件
A方式は以下の⑴〜⑷の条件をすべて満たす必要があります。
学歴要件(次の1つ以上に該当すること)
慶應義塾大学 看護医療学部2026年度入学 募集要項
- 高等学校・中等教育学校を卒業した者、および2026年3月卒業見込みの者
- 高等専門学校の第3学年を修了した者、および2026年3月修了見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条にある高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者(外国の高等学校卒業・高卒認定試験合格など)
志望理由の明確さ
本学看護医療学部への志望理由や入学後の構想が明確であり、第一志望として本学部での勉学と入学を強く志望する者。
意欲と能力
本学看護医療学部の学習・研究環境を積極的に活用し、入学後の目標や構想をより高いレベルで実現するに十分な意欲と能力を有する者。
活動実績要件(A〜Gのうち1つ以上に該当すると自己評価できる者)
ここがA方式の最大の特徴です。評定平均の足切りはありませんが、以下のA〜Gのうち少なくとも1つに自信を持って該当できるかが問われます。

ポイント:A〜Gは「自己評価」で判断します。複数該当してもOKです。この活動実績がそのまま「活動報告書」の内容につながります。
日本語能力(外国高等学校出身者のみ)
日本の大学教育を受けるに足りる日本語能力を有する者。
B方式の出願資格・要件
B方式は以下の⑴〜⑷の条件をすべて満たす必要があります。A方式と大きく異なるのは評定平均の基準と、活動実績要件がない点です。
学歴要件(次の1つ以上に該当すること)
慶應義塾大学 看護医療学部2026年度入学 募集要項
- 高等学校・中等教育学校を卒業した者、および2026年3月卒業見込みの者
- 高等専門学校の第3学年を修了した者、および2026年3月修了見込みの者
- 文部科学大臣が認定した在外教育施設の当該課程を修了した者、および2026年3月31日までに修了見込みの者
志望の明確さ
本学看護医療学部での勉学を強く志望し、第一志望として入学を志す者。
意欲と能力
本学看護医療学部の学習・研究環境を積極的に活用し、所定の原稿用紙に記述した自己の志願理由や学習計画上の目標・構想を実現するに十分な意欲と能力を有する者。
学業成績要件
高等学校での学業成績が優秀で、全体の学習成績の状況4.5以上(4.5を含む)の者。
ポイント:評定平均4.5以上という基準は非常に高いハードルです。「ほぼ全科目で5に近い成績」が求められると考えておきましょう。
どちらの方式を選べばいい?
出願資格・要件を確認した上で、自分がどちらの方式で受験するかを早めに判断しましょう。判断の基準は以下のとおりです。

※A・B方式の併願は不可のため、どちらか必ず選んで出願をしてください。
提出書類の一覧
出願資格・要件を満たした上で、以下の書類を準備します。提出書類は方式によって一部異なります。いずれの書類も原則として志願者本人が自筆で記入し、修正液の使用は極力控えることが求められています。
共通書類(A・B方式共通)
- 入学志願票(Webエントリー登録完了画面の印刷)
- 収納証明書台帳(入学検定料35,000円の支払い証明)
- 写真票(出願前3ヶ月以内撮影・縦4cm×横3cm)
- 成績・卒業に関する証明書等(2025年5月1日以降作成・厳封)
- 入学志願者調書(原本+コピー2部)
- 志願者評価書(自分をよく知る2名・厳封・署名・押印必須)
A方式のみ
- 志望理由書(原本+コピー2部)
- 活動報告書(原本+コピー2部)+別添資料(任意)
B方式のみ
- 志望理由書(原本+コピー2部)
- 学習計画書(原本+コピー2部)
注意:提出された書類は一切返却されません。また、書類に虚偽の記載があった場合は選考中・合格後・入学後を問わず資格が取り消されます。控えを必ず手元に保管しておきましょう。
慶應義塾大学看護医療学部の選考方法と対策
ここからは、実際の選考内容と具体的な対策について解説していきます。
第1次審査(書類選考)と第2次審査(小論文・面接)のそれぞれで何が見られているのかを理解した上で、準備を進めていきましょう。
書類選考(第1次審査)の対策は?
第1次審査は提出書類のみで合否が判定されます。面接の機会すら得られない可能性があるため、書類の完成度が最初にして最大の山場です。
志望理由書の対策(A・B方式共通)
志望理由書は、すべての書類の中心となる最重要書類です。書き方のポイントは以下の3つです。
「看護師になりたい」ではなく「看護医療の先導者になりたい」という視座で書く
慶應義塾大学看護医療学部が求めるのは先導者です。「患者さんに寄り添いたい」という動機で終わらず、「看護という分野でどんな社会課題に挑みたいか」「業界をどう変えていきたいか」という大きなビジョンを描きましょう。
「なぜ慶應でなければならないか」を明確に
医学部・薬学部と連携できる環境、SFCキャンパスのリベラルアーツ的な学風、慶應病院での実習など、慶應義塾大学にしかない強みと自分の目標のつながりを具体的に示すことが不可欠です。
入学後・卒業後のビジョンまでつなげる
「なぜ慶應なのか」だけでなく、「入学後にどう学び、卒業後に何を成し遂げたいのか」まで一本の線でつながった志望理由を書きましょう。
活動報告書の対策(A方式のみ)
活動報告書はA方式の核となる書類です。出願資格のA〜Gに該当する活動内容を具体的に記述します。
「何をしたか(結果)」だけでなく「なぜそれをしたか・何を学んだか(プロセス)」を重視して書くことが重要です。
ここが差がつく!
別添資料として写真や証明書類を添付することが可能です。
文字だけで伝えるよりも、視覚的に活動の熱量を伝える工夫をすることで、書類審査での印象が大きく変わります。
また、活動報告書に書いた内容は面接でそのまま深掘りされます。面接で自分の言葉で語れない内容は書かないことが鉄則です。
学習計画書の対策(B方式のみ)
学習計画書はB方式の核となる書類です。「入学後に何を学びたいか」という漠然とした内容ではなく、慶應看護医療学部の具体的なカリキュラムや研究環境と結びついた、現実的かつ意欲的な計画を書くことが求められます。
対策のポイント
オープンキャンパスへの参加や、慶應看護医療学部のシラバス・教員の研究分野の下調べを徹底的に行いましょう。
「この教授のゼミで〇〇を研究したい」「3年次からの慶應病院での実習を活かして〇〇に取り組みたい」という具体性が説得力を生みます。
志願者評価書について
志願者評価書は、自分をよく知る立場の2名(親・兄弟姉妹以外)に作成を依頼するものです。
推薦書ではなく「評価書」という位置づけのため、担任の先生や部活の顧問、ボランティア先の指導者など、自分の活動を客観的に見ている人に依頼しましょう。
評価者の署名・押印が必須のため、依頼する際は必ずこの点を伝えておいてください。
対策:面接(第2次審査)
第1次審査を突破した受験生のみが受けられる面接は、選考の総仕上げです。慶應義塾大学看護医療学部の面接は提出書類の内容をベースに深掘りされる形式が中心と考えられます。書類と面接の一貫性が非常に重要です。
面接対策のポイント
書類に書いたことはすべて話せる状態にしておく
志望理由書・活動報告書(または学習計画書)の内容は、「なぜそう考えたのか」「具体的にはどういう経験か」「それを看護にどう活かすか」という深掘り質問に答えられるよう準備してください。
「看護医療の先導者」としての視座を面接でも崩さない
「患者さんのそばに寄り添いたい」という回答は、慶應のアドミッション・ポリシーとずれます。面接でも「社会課題にどう向き合うか」「看護という分野をどう変えていきたいか」という大きな視野で話せるよう準備しておきましょう。
ここが差がつく!
丸暗記した回答は、想定外の深掘り質問が来た瞬間に崩れます。
「核」となる自分のビジョンと3〜4つのエピソードをしっかり整理しておき、どんな問いに対しても自分の言葉で答えられる状態を作ることが理想です。
対策のスケジュールと優先順位
慶應義塾大学看護医療学部のAO入試は出願期間がわずか3日間(9月中旬)と非常に短く、書類はすべて事前に仕上げておく必要があります。
夏休みを最大限に活用した準備が合否を左右します。
まずA方式・B方式のどちらで受験するか決める(〜6月)
自分の評定平均・活動実績・得意分野を整理し、どちらの方式が自分に合っているかを早めに判断しましょう。オープンキャンパスへの参加もこの時期に済ませておくと、志望理由書の説得力が増します。
志望理由書と活動報告書(または学習計画書)を作成・添削(6〜8月)
書類は複数回の添削を経て仕上げることが理想です。先生や専門の指導者のフィードバックを受けながら、納得のいくものを作りましょう。志願者評価書の依頼も早めに行い、余裕を持って準備してもらうことが大切です。
面接練習を本番さながらの環境で繰り返す(8〜9月)
書類が固まったら、その内容をベースに面接練習を繰り返しましょう。特に「深掘り質問」への対応を意識した練習が重要です。声に出して話す練習を毎日続けることで、本番の緊張も和らぎます。
さいごに
ここまで、慶應義塾大学看護医療学部のAO入試の内容と対策について解説してきました。
2025年度の最終合格者はA・B方式合計でわずか14名。
出願者81名の中から勝ち抜くためには、「看護師になりたい」という気持ちを超えた「看護医療の先導者になる」という明確なビジョンと、それを裏付ける実績・言葉が不可欠です。
書類・面接のすべてにおいて、慶應義塾大学看護医療学部のアドミッション・ポリシーと自分の経験・ビジョンが一本の線でつながっているかを常に意識しながら準備を進めてください。
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アイプラスアカデミーでは慶應義塾大学看護医療学部の総合型選抜対策を行なっております。
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安井玲音
看護学部受験専門アイプラスアカデミー 専任講師。 出願書類(志望理由書)添削・小論文・面接指導を専門とし、年間1000本以上の添削を担当。 今年度、担当した全受講生を志望校合格へと導く。 単なる文章の添削ではなく、看護師としての適性を引き出し、採点官に響く「合格答案」の作成を徹底サポート。
【監修】松田 勇一(ディレクター) 朝日新聞グループ運営「マイベストプロ愛知」にて、厳正な審査を通過した教育の専門家。 本記事は、25年以上の大学受験指導キャリアを持つディレクター・松田の監修に基づき、最新の入試データと指導実績を反映して作成されています。
