看護学校の入試の出願時期になると、受験生の大半が頭を悩ませる志望動機について、例文をもとにして解説していきます。
アイプラスアカデミーでは、入試科目の学習指導だけでなく、志望理由書を含めた出願書類の添削から面接の指導までを行なっています。
2023年度の看護学校の社会人入試において、アイプラスアカデミーでは社会人入試の合格率が80%以上(2022年12月1日現在)となっています。
そんな当校が志望動機を添削する際のチェックポイントについて紹介していきます。
目次
看護学校に受かる志望動機の例文①「看護師を目指す理由」
看護学校の志望動機の中で最も大切なのが、「看護師を目指す理由」です。
当校の指導においても、ここを最重視します。
看護師を目指す理由が思いつかない!という方は、まずはこちらの記事をご確認ください。
印象の弱い例文
私が看護師を目指す理由は、患者さんに寄り添いQOLの向上の役に立ちたいからだ。
こちらの例文は一見いい内容に見えると思います。
しかし、「寄り添う」という言葉は、看護師を目指す人がよく使う言葉ですが、抽象的で何をのするのかわかりません。
また、患者さんの立場に立ちQOLの向上を目指すことは、そもそも看護師の役割であるため、看護師であれば当たり前の内容になってしまいます。
印象の強い例文
私が看護師を目指す理由は、最前線でチーム医療に貢献し、急性期医療の現場でより多くの人の命を救いたいからだ。
最前線で看護師として医療現場で活躍したい人であることが伝わります。
私は将来、医療的ケアを必要とする子どもたちのケアができる看護師になりたい。その理由は…
なりたい看護師像を書いてから、理由の書くパターンです。
なりたい看護師像が明確なので、理由は簡単に書くことができます。
私が看護師を目指す理由は、高齢化が進む◯◯地域における地域医療に貢献したいからだ。
「地域医療」を重視している看護学校を目指している人の例文です。
私が看護師を目指す理由は、晩産化の進む現代で未来の日本を担う子どもの出産を支えていきたいからだ。
将来、助産師を目指す人の例文です。
私が看護師を目指す理由は、今後も進む看護師不足を少しでも補い、逼迫する医療現場と医療を必要とする人たちのために役立ちたいからだ。
看護師不足や逼迫(ひっぱく)した医療に対しての貢献の気持ちを表した例文です。
「看護師を目指す理由」のポイント
- 看護師を目指す理由・目指す看護師像が具体的に表現されている
- 現在の医療に求められているものを踏まえている
- 他者への貢献の視点で書かれている
どの例文も受験生の強い思いを感じますね。
いいところに気がつきましたね。
「看護師に絶対なりたいんです!」と書くよりも、「具体的な他者貢献」を看護師を目指す理由として表現することで、本気度が伝わりやすくなります。
看護学校に受かる志望動機の例文②「受験校を志望する理由」
「受験校を志望する理由」のポイント
看護学校が求めている人物像を確認しましょう
各看護学校ごとで、教育理念や入学してもらいたい人物像を明確にしています。
看護学校のHPや資料、募集要項などには、そのような内容が散りばめられています。
また、学校によっては、アドミッションポリシーという、どのような入学者を求めているかという、入学者受け入れ方針をまとめている学校もあります。
当たり前のことですが、学校の理念や方針と合わないと判断された受験生は不合格となりますので、必ず確認しておきましょう!
自分が目指す看護師像になるために必要なものを選ぶ
看護学校の志望理由は、受験生が目指す看護師像を実現するために必要な指導内容や環境があるということを伝える内容にしましょう。
自分が目指す看護師像とは方向性が違っても、「これも魅力的だから」「あれも魅力的だから」と何でも挙げてしまうと一貫性が失われてしまい、印象が弱くなります。
1点または1~2点に絞っても問題ありません。こだわりをはっきりさせましょう。
印象の弱い例文
貴校を志望した理由は、自宅からも近く、少人数制で手厚い指導が受けられると考えたからです。
看護学校の志望理由を挙げるときの、順番も非常に重要です。
「自宅から近い」のは重要な要素だとは思いますが、最初に挙げてしまうと、看護学校側には「近くなかったらうちを目指さなかった?」という印象を与えかねません。
貴校を志望した理由は、国家試験の合格率も高く、設備なども充実しているからです。また、貴校には複数の学科があり、在学時からチーム医療の連携について学ぶことができます。…
こちらも実際に当校の受講生の方が最初に書いてきた看護学校の志望理由です。
よくある看護学校の志望理由ですが、他の受験生も同じようなことを書いているため印象に残りません。
印象の強い例文
貴校を志望した理由は、貴校は地域医療の発展を目的に掲げており、将来地元に貢献したいと考えている私に最適だと考えたからです。
看護学校の目指す方向性に共感して志望した場合の例文です。
この場合、カリキュラムや設備といった外見よりも中身を見て志望しているという思いを伝えられます。
貴校を志望した理由は、看護師として必要な知識だけでなく、チーム医療の本質を学ぶことができるからです。
先ほどの看護学校の志望理由を、これに続く文章中に挙げていた「チーム医療について学べる」ことを最初の理由にしています。
このように、複数ある看護学校の志望理由から伝える順番を変えるだけでも看護学校に与える印象が変わります。
自分の看護学校の志望理由も、あれもこれもとなってしまっていたので、本当に自分の目指す看護師像になるために必要なものに絞ってみます!
ぜひそうしてみてください。
看護学校の志望動機は看護学校へのラブレターだと思って書いてみましょう!
なるほど、思いを伝えるためには、
「外見よりも中身」「ポイントを絞る」は大事ですね!
看護学校に受かる志望動機の例文③「自己アピール(長所)」
ここからは番外編ですが、看護学校の出願書類では、「自己アピール」や「長所」について書く項目があるときがあります。
こちらについても、例文を交えて紹介していきます。
「自己アピール(長所)」のポイント
再度看護学校が求めている人物像を確認しましょう
看護学校の志望理由と同じで、看護学校が求めている人物像を確認した上で、自分のどの部分をアピールするかを考えましょう。
アピールする項目を整理しましょう
アピールする項目や長所は、以下ものを挙げることが非常に多いです。
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ
- 看護・医療に関係する経験
などです。
コミュニケーション能力
看護師の仕事は他の看護師や医療従事者との連携が欠かせません。
ただ単に人と仲良くできるといっただけの内容にならないようにしましょう。
「相手の気持ちを察する能力」や「自分の意見を主張することができる」ことも非常に重要です。
リーダーシップ
看護・医療の世界では主体的に行動できる人が求められます。
また、看護学校に入学する社会人・主婦の皆さんには、年下の学生と一緒に学んでいくことになるため、年下の学生をまとめたり、一緒になって相談役になれる人が求められます。
リーダーシップといっても、上から引っ張っていくことばかりではなく、同じ立ち位置にいながらフォローをしていくタイプのリーダーシップでも構いません。
看護・医療に関係する経験
病院や保育・介護現場で働いていた方や、消防・救急のお仕事をされていた方はその経験から、看護師の仕事に対して他の受験生よりも理解が深いところはアピールポイントとなります。
いくつかアピールポイントを挙げましたが、実際に「自己アピール」や「長所」で書くのは
「コミュニケーション能力」であることが大半です。
看護師の適性としては必要不可欠なものなので、基本的には「コミュニケーション能力」で問題ありません。
「自己アピール(長所)」のまとめかた
以上のアピールポイントを、伝えるのに最適な自分のエピソードとともにまとめましょう。
手順①:まずは長所を”エピソードをまじえて”書く
私の長所は人の意見をよく聞き、必要な際には自分の意見も相手に伝えることができることです。現在の職場においてもグループのリーダーとしてまとめ役を務めています。
私はコミュニケーション能力の高さに自信があります。学生時代には◯◯部の部長を務め、周囲に気を配ることの大切さを学びました。
これらの例文のあとには、職場や学生時代のエピソードが続きます。
いずれの例文も「コミュニケーション能力」と「リーダーシップ」に触れた内容になっています。
私の長所は、冷静かつ迅速に判断ができることです。現在の仕事では緊急時に瞬時に判断することが求められており、…
「コミュニケーション能力」や「リーダーシップ」以外でも、看護師に求められるものとしてマッチする内容であれば問題はありません。
手順②:続けて、アピールポイントをどう活かすかを書く
このようにアピールポイントを挙げたとしても、それをどう活かすかを書いてないと意味がありません。
看護学校入学後または看護師になってからどう活かすのかについても書きましょう。
このような経験から、看護師になってからも患者とその家族の気持ちを理解し適切な関係を築けると考えています。
このような経験から、貴校への入学後も他の学生と一緒になって学び、必要な場面ではフォローをしていきたいと考えています。
以上のことから、チームとしての行動が求められる医療現場において、自分の長所を最大限に活かしていけると考えています。
以上のことから、医療の現場においても臨機応変に対応し迅速に処置を進められると考えています。
「自己アピール」や「長所」も志望動機などと一貫していることが大切なんですね!
その通りです。
出願書類全体を通して一貫性がないと説得力に欠けるものになってしまいます。
看護学校に受かる志望動機の例文③「短所」
「自己アピール」や「長所」とともに「短所」についても記入が求められることがあります。
「短所」は自分のマイナス面を書くことになりますが、伝え方ひとつで短所はアピールにもなります!
「短所」のポイント
短所は無くならないと考えましょう
誰にでも短所はあります。
そして、短所はずっと自分が持っている性格・性質と理解しておきましょう。
でも、そのままにしておいてはいけないことはわかっていると思います。
人の性格や性質は簡単には変わりません。しかし、行動は変えることができます。
短所に対してどう行動しているかを書きましょう!
よくある「短所」の書き方は
私にはこういう短所があるので、今後はこうしていきたい。
という書き方です。
これでは、現在は短所をこれから改善していくという伝え方になってしまいますので、
私にはこういう短所があるので、日頃からこうしている。
という書き方にしましょう。
「短所」の例文
私は一人で抱え込んでしまうことがあるので、何か困ったことがあった際には日頃から上司や先輩に自分から相談をするようにしています。
自分から人に相談できる姿勢をアピールできます。
私は自分の意見を主張しすぎるところがあるので、どんな場面においても周囲の意見を聞いて、理解してから自分の意見を主張するようにしています。
周囲の意見に耳を傾けられることを伝えられます。
私はせっかちな性格から雑な仕事をしてしまうことがあるため、一区切りごとに確認を行い迅速かつ丁寧な仕事ができるように意識しています。
せっかちな性格を理解し気をつけていることが伝えられます。
以上のように、自分の短所を理解して、それに対処した行動をしていることは、看護学校側へのアピールになることを覚えておきましょう!
短所を書くのって結構難しいと感じていましたが、伝え方が大事なんですね!
短所は誰にでもあるものなので、そこを意識して行動できているかを伝える大事です!
看護学校に受かる志望動機の例文の使い方
ここまで例文とともに志望動機の書き方について紹介しましたが、
大切なのは「自分の言葉で書く」ということです。
こちらの志望動機の例文については、あくまで参考にするだけでにしましょう!
誰でも書けそうな志望動機は印象が弱くなりがちです。
何度も書いては可能であれば添削をしてもらって、、自分だけの志望動機を完成させましょう!