看護学校への受験を考えはじめた社会人の皆さんは、学校生活からしばらく離れていた方も多いため、
「社会人から本当に看護学校に入学できるの?」と悩む方も非常に多くなっています。
こちらの記事では、社会人専門の看護予備校(看護学校に進学するための指導をする予備校)のアイプラスアカデミーならではの、「看護学校へ社会人からの進学について知っておきたい情報」を紹介します。
目次
看護学校に社会人はどれくらい入学している?
看護学校への進学を考えたときに、社会人・主婦から看護学校へ入学したが自分の身近にはいない人が大半です。
それでは、実際に看護学校(正看護3年課程)へ入学している社会人・主婦がどれくらいいるのかを確認してみましょう。
社会人看護学生(看護学校に入学している社会人)の割合
社会人から看護学生になった人(社会人看護学生)は最近増えてきていると言われています。
厚生労働省公開の「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」によると、2022年度(令和4年度)に看護学校に入学した社会人・主婦の割合をグラフにすると次のようになっています。
看護学校への入学者の21.6%ですので、
なんと看護学校に入学した5人に1人以上が社会人・主婦で、その人数は、5,532人にもなっています。
想像していたよりも多いんですね!
そうおっしゃる方が多いです。
1学年が40人の学校だと8人が社会人・主婦の方ということになりますが、社会人を受け入れている学校とそうでない学校があるので、入学される看護学校では実際はもっと多くの社会人・主婦の方がいらっしゃいます。
やっぱり、社会人が多い看護学校の方が安心ですね。
ところで、社会人が多い看護学校がどこなのか調べる方法はありますか?
あまり知られてはいないのですが、見つける方法はあります。
それでは、そちらもご紹介しますね。
社会人が多い看護学校はどこ?
社会人を積極的に受け入れている看護学校を見つける方法を紹介します。
教育訓練給付(専門実践教育訓練)対象の看護学校から探す
教育訓練給付制度とは
教育訓練給付制度とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
「厚生労働省 教育訓練給付制度のページ」より引用
簡単に説明すると、社会人の方が看護学校に入学したときに、
看護学校の学費の最大70%(年間上限56万円)が支給される制度です。
これは、すべての看護学校で利用できるわけではないため、その対象となるためには看護学校側が申請をしなくてはなりません。
つまり、
教育訓練給付の対象の看護学校は社会人を積極的に受け入れている
ということです。
まずは、進学を考えている都道府県の教育訓練給付対象の看護学校を
「厚生労働省の教育訓練給付制度検索システム」で検索してみましょう。
また、当校でも各都道府県別の教育訓練給付対象の看護学校を紹介していますので、そちらもご確認ください。
社会人入試の定員や回数などを確認する
社会人を積極的に受け入れている看護学校では、「社会人入試」という国語・数学・英語といった学力試験ではなく、小論文と面接などを中心とした入試を行っています。
現役生とは異なり、勉強から離れている期間が長い社会人のために、経験や意欲、看護師としての適性で合否を決める試験です。
この入試方式の定員からも1学年に最低でも何人社会人がいるかがわかります。
直接看護学校に聞いてみる
ここまでを確認すれば、十分に社会人を積極的に受け入れている看護学校が見つかりますが、教育訓練給付の対象でなくても、独自の奨学金制度などで社会人を支援している看護学校もあります。
そのような看護学校については、直接問い合わせてみたり、オープンキャンパスなどに参加して聞いてみることをおすすめします。
社会人の年齢構成なども教えてくれる場合もありますので、気になる看護学校には直接聞いてみましょう!
都道府県ごとの社会人・主婦の入学状況を確認してみる
以上が、一般的な「社会人を積極的に受け入れている看護学校」の見つけ方ですが、看護学校に入学している社会人・主婦の人数や割合、年齢層には都道府県によって格差があります。
こちらについては、以下の記事で紹介をしておりますので、ぜひ一度ご確認ください。
私が受験をしたいと考えている東京・神奈川は教育訓練給付の対象の看護学校がたくさんあるんですね!
そうですね。
東京・神奈川は実際に看護学校へ入学している社会人・主婦が非常に多いエリアです。
上のリンク先の記事を見ていただいて、受験するエリアからまず決めるのもありだと思います。
社会人男性の看護学校の入学者数は?
看護学校を目指す男性の方も増えてきていると言われています。
当校でも男性の受講者の方は少なくありません。2023年度入試でも数多く合格をされています。
ちなみに男性が少しても多い看護学校を探す場合はどうしたらいいですか?
男性の場合も同じ探し方で問題ありません。
男性の方が特に気になる情報については、以下の記事で紹介していますので、そちらもご確認ください。
社会人の看護学校への進学に必要な費用は?
看護学校の入学金と3年間の授業料を合計すると、
公立で40万円〜100万円、公立以外で100万円〜390万円
となっており、看護学校によってかなり違いがあります。
教育訓練給付はかなり魅力的
教育訓練給付対象となる社会人の方は、対象の看護学校であれば、在学中に上記費用の50%(上限40万円)の支給が受けられます。
卒業・看護師国家試験に合格したあと1年以内に就職した場合は、さらに費用の20%(上限16万円)が追加で支給されます。
以上のことから考えると、入学金や授業料以外にも必要になる費用を考えると、
入学までに100万円〜150万円程度を用意できれば、看護学校への進学は可能になってきます。
条件を満たせば教育訓練支援給付金ももらえる
教育訓練支援給付金とは、退職後1年以上を経過する(失業手当の支給が終わる)と、教育訓練給付(専門実践教育訓練)を受けている間(看護学校卒業まで)は失業手当の金額の80%の支給が受けられる制度です。
ただし、この制度が利用できるのは、令和7年(2025年)3月31日までに看護学校に入学した方となるため、実質は令和6年度(2024年度)入学までが対象となります。
支給条件がいくつかあるため、詳しくは以下のファイルをご確認ください。
看護学校独自の奨学金もある
例えば、全国の労災看護専門学校では、卒業後に労災病院で勤務することを前提とした奨学金が支給されます。
しかも、卒業後、奨学金支給労災病院に看護師として3年間勤務した場合は、奨学金の返還が免除されます。
このように、独自の奨学金制度がある看護学校も数多くありますので、受験する看護学校を探す際にはHP等で確認をしておきましょう。
看護学校の学費だけでなく、給付金や奨学金なども考えると必要な費用についておおよその目安がわかりますね!
僕みたいに仕事を退職して、看護学校に進学しようとしている人にとっては、
教育訓練支援給付金が利用できる今はチャンスですね!
そうですね。教育訓練支援給付金は令和6年度(2024年度)入学までなので、2023年の秋から始まる社会人入試と2024年の1~2月の一般入試がラストチャンスです!
必要な費用については、進学先によって大きく変動しますので、受験する看護学校が決まったら、看護学校に直接相談してみるのもいいと思います。
また、働きながら看護学校に通うことも考えている方はこちらの記事もご覧ください!
一般入試と社会人入試の違いは何?どちらがいいの?
「社会人入試と一般入試とどちらがいいですか?」
「社会人入試一本でも大丈夫ですか?」
「一般入試だと学力に自信がありません。」
といった相談をよく受けます。
社会人入試と一般入試の違い
入試方式 | 一般入試 | 社会人入試 |
---|---|---|
受験できる人 | 高卒以上なら誰でも | 社会人のみ |
試験内容 | 国語(現代文のみ) 英語・数学など 面接 | 小論文 面接 など |
看護学校の一般入試と社会人入試の違いは、受験できる人と試験内容が大きく異なります。
試験内容を見て、社会人・主婦の人は社会人入試のみを考えるケースも多くなっていますが、当校としては、社会人入試だけを受験するのは非常にもったいないと考えています。
一般入試を目指しながら社会人入試も受験する
アイプラスアカデミーがおすすめしているのは、社会人入試も一般入試も受験するという方法です。
まずは一般入試に向けて対策を始めて、社会人入試が近づいたら社会人入試の対策も始めるという方法です。
この方法をおすすめする理由がいくつかあります。
社会人入試は倍率が高い
例えば、令和4年度(2022年度)の東京都立の看護学校全校の一般入試の倍率が2.0だったのに対して、
社会人入試の倍率は3.6倍でした。
この傾向は、全国の社会人入試を実施する看護学校にも共通することで、社会人入試の倍率は非常に高くなる傾向があります。
なかには、愛知県の公立春日井小牧看護専門学校のように、
一般入試の倍率が2.3倍に対して社会人入試の倍率が7.8倍といったケースもあります。
そのため、社会人入試については、合格するチャンスの1つとして捉えるくらいの意識の方がいいです。
社会人入試で不合格になってからでは一般入試には間に合わない
社会人入試の万全な対策をするには、3ヶ月ほどが必要だと考えています。
また、一般入試の対策の場合は、最低6ヶ月・平均10ヶ月〜1年が必要です。
社会人入試の合否が出るのが11月〜12月なので、一般入試の時期である1月〜2月に間に合わせるのは非常に難しいです。
入学後のことを考えると基礎学力と勉強する習慣をつけておく必要がある
看護学校への入学はゴールではありません。
看護師国家試験に合格するための勉強の始まりです。
当たり前のことですが、高校よりも高度な学習になるため基礎学力をつけておくことは絶対に必要です。
また合格すれば春から毎日勉強することになるので、勉強する習慣づけも大事になります。
一般入試に向けて勉強している人の方が社会人入試でも受かりやすい?
こちらについては、当校の統計ではありますが、社会人入試だけを考えて対策をしている人よりも一般入試も含めて対策をしている人の方が、看護学校の社会人入試で合格しやすいという傾向があります。
その理由として考えられるのは、
といったことが考えられます。
入試まで必死に勉強をしてきた人と、直前に対策をした人とでは看護学校に伝わる印象も自然と変わってきます。
また看護学校側としても、社会人入試では学力試験がない分、学力にある程度安心できる受験生の方を合格させたいと考えています。
社会人入試と一般入試の両方を目指した方が合格しやすいんですね!
あくまで、当校のデータですが、今年の当校の受講生の社会人入試の合格率は80%以上となっています。合格者の全員が一般入試に向けても勉強をしていた方たちです。
社会人入試の対策と合格者の体験談については、こちらの記事をご確認ください!
一般入試は難しい?
長らく勉強から離れていた社会人・主婦の皆さんにとって、一般入試の勉強については心配される方が非常に多いです。
しかし、看護学校の一般入試の問題はそれほど難しいものではありません。
各教科ごとの出題レベルは範囲は以下のものが一般的です。
教科 | 範囲・出題レベル |
---|---|
国語 | 現代文のみ(基礎レベル) |
英語 | 高校1年〜2年の基礎レベル |
数学 | 数学I・A(高校1年教科書レベル) |
そのほかの科目が受験科目にあった場合でも、基本的には教科書レベルとなっています。
そのため、中学1年生の復習から始めても1年あれば間に合う出題レベルです。
今まで高校卒業レベルの勉強が必要なのかと思っていましたが、これなら私でも大丈夫な気がしてきました!
僕は数学は得意だったのですが、英語はすっかり忘れていたので心配でした。
中学の復習からでも間に合うんですね!
看護学校の入試は基礎を固めれば合格できる出題レベルなので、きちんと勉強すれば心配いりません。
また、面接も重視されるので、教科の試験が多少良くなくても合格はできますので、社会人・主婦の皆さんもぜひチャレンジしてもらいたいと思います。
看護学校を目指す社会人の勉強方法は?
参考書・教材を使っての独学
看護学校の入試レベルから考えると、社会人・主婦の皆さんでも市販の参考書を買っての独学で合格することは可能です。
ただし、独学で合格できる人は、自分だけで勉強を継続できる人だけです。
社会人・主婦の皆さんの場合、仕事や家事・育児もあるため、勉強そのものよりも
勉強を続けることのほうが難しくなりがちです。
当校にも「自分で勉強してみたけど続かなかった」ということで相談される方もたくさんいらっしゃいます。
また、選ぶ教材には注意をして欲しいことがあります。
それは、一般の本屋にも置かれるような出版会社の参考書・教材を買うようにしましょう。
よくメルカリとかでも手付かずで出品されている「◯◯看護専門学校対策問題集」のセットのように高額な教材は買わないようにしましょう。
表紙だけ替えて、どこの看護学校の対策問題集も中身は同じで、各専門学校の傾向を踏まえたつくりにはなっていません。
独学での看護学校の受験勉強でお悩みの社会人の方は、こちらの記事をぜひご覧ください!
看護予備校を利用する
簡単にいうと、看護学校の対策専門の塾を利用する人も非常に多いです。
最初から利用している人もいますが、「独学でやってみたけどうまくいかなかった」という方の利用も多いです。
学習のシステムとしては、
- 個別指導型(オンラインもあり)
- 一斉授業型(オンラインもあり)
- 通信型(オンラインもあり)
などがあります。
個別指導型や一斉授業型の場合は、授業料が高額になることが多い・授業を受けただけで身についていなかった(忘れてしまった)ということに注意しましょう。
通信型は、基本は自学自習でわからないところは質問できるシステムです。
課題が用意されているので、きちんと学習すれば確実に身につきますが、いつでも勉強ができる分、自分で意識して勉強時間を確保しなくてはいけません。
地元の個人塾に通う
身近に知り合いの個人塾などがある場合は、そちらに通って勉強を教えてもらう方もいます。
一般の個別指導塾だと、小学生や中学生、高校生と一緒になって勉強することになるのと、教えてくれるのが大学生のため選ばれる方は少ないです。
いずれも看護学校受験の専門的な知識はないため、専門的な知識が必要な出願書類や面接の対策は自分で行わなくてはなりません。
私は独学では無理でした!
看護専門学校対策の参考書を買いましたが、最初の方からよくわからなくて💦
わからないところがあると、結局勉強を進められなくなっちゃいました。
僕の場合は、看護学校によって出題形式や傾向が違ったので、この勉強の方法であっているか不安になってしまいましたね。
どちらもよくあるケースです。
最初にもお伝えしましたが、社会人や主婦の方の場合は、
勉強そのものだけでなく勉強の継続のために予備校や塾を活用されるといいと思います。