東京都に7校を構え社会人からの看護学校進学を目指す方に人気の「都立看護専門学校」。
今回は過去に出た入試問題を通じて、都立看護専門学校の入試情報と傾向を紹介します。
目次
社会人が受けられる入試方法
まず初めに、社会人から都立看護専門学校をを受験できる方法は2つあります。
社会人入試
一般入試
社会人の方は上記2つの入試方法から都立看護専門学校の入試を受けることができます。
社会人入試は非常に人気の高い入試方法で、倍率が高い学校だと5.0を超えた年もあるほどです。
7校全体の平均でも高い時では4.0近くの倍率を記録しています。
また、一般入試も同様に人気は高く例年1.5~2.0以上の高い倍率を記録しています。
それだけ、都立看護専門学校は看護の道を目指す方に人気がある学校だと言えます。
都立看護専門学校の入試方法
都立看護専門学校の社会人入試と一般入試は、内容が異なります。
下記では各入試方法に関して紹介していきます。
社会人入試
東京都立看護専門学校の社会人入試は以下の方式で実施されます。
一次試験:小論文(90分 1200字程度 テーマ型)
※2024年度の入試より出題方式がテーマ型に変わりました。
二次試験:面接(人物考査)
上記のように東京都立看護専門学校の社会人入試では一次試験・二次試験という形で入試を実施します。
一般入試
都立看護専門学校の一般入試は以下の方式で行われます。
一次試験:学科試験(2科目:国語・数学)
国語:現代の国語、言語文化
数学:数学Ⅰ
二次試験:面接(人物考査)
上記のように東京都立看護専門の一般入試は社会人入試同様に一次試験・二次試験という形で入試を実施します。
東京都立看護専門学校の社会人入試の傾向
東京都立看護専門学校の社会人入試は一次試験で小論文、二次試験で面接を行います。
また、都立看護専門の特徴としては出題される問題が社会人入試・一般入試ともに統一されています。
ここでは過去の東京都立看護専門学校の入試でどのような問題が出たのか、過去問を踏まえた傾向について紹介します。
小論文
ここでは都立看護専門学校の社会人入試で行われる小論文試験について紹介します。
都立看護専門学校の小論文の特徴
都立看護専門の小論文は特徴があります。
下記より、都立看護専門の小論文の特徴を紹介します。
記入する字数が多く設定されている
都立看護専門の小論文の特徴としては解答で求められる【字数】が多いのが特徴的です。
多くの看護学校の小論文試験では800〜1000字程度が解答で求められますが、東京都立看護専門学校の小論文試験は1200字程度で解答を求められます。
作文用紙でいくと0.5~1枚分多く書くことが求めれられるので、自身の考えや意見をしっかり書くことができるようになっております。
テーマがシンプルで分かりやすい
都立看護専門の社会人入試の小論文は2024年度より【課題文読解型】から【テーマ型】へと問題の形式が変わりました。
一見すると、課題文読解型よりも簡単そうに見えますがテーマが大きい分、自分自身の考えの引き出しを持って、自身の考えを言語化していく力、1200字近くを書き切る文章力が求められます。どのような問題が出たかについては、下記に2024年度の社会人入試で出題された問題文を記載しておりますので、そちらもご覧いただけますと幸いです。
2024年度 都立看護専門学校 社会人入試 問題(小論文)
(問)「努力することの大切さ」について、経験を踏まえたあなたの考えを1200字程度で述べなさい
上記のようなテーマが出題されました。
今年度も同様にテーマ型が出題されるため、東京都立看護専門学校を受ける方は【テーマ型】を中心に小論文対策をしていくのも一つです。
都立看護専門学校 一般入試の傾向
都立看護専門学校の一般入試は一次試験を学科試験、二次試験を面接で行います。
ここでは過去の入試問題から都立看護専門学校の一般入試の傾向を紹介します。
学科試験
都立看護専門の一般入試では、一次試験で学科試験を行います。
また、一般入試は新卒学生も試験を受けるため基礎学力をつけたうえで受験に望むことが社会人が合格するためにクリアしなければならない点です。
実施科目
- 国語:国語(現代の国語・言語文化)
- 数学(数Ⅰ)
都立専門学校の一般入試は上記2科目で行われます。
また、2025年入学の入試から英語がなくなりました。
都立看護専門の学科試験の特徴
問題が7校共通
都立看護専門の一般入試は社会人の小論文と同様に7校とも同じ問題が出題されます。そのため問題の難易度自体には学校差はありません。
また、過去問も公開されているため実際の試験問題を解くこともできます。
難易度は標準的
都立看護専門の学科試験の難易度に関しては比較的標準的な難易度です。
特段、難しい問題が出る傾向はありません。
そのため、基礎固めが非常に大事になってきます。
基礎をしっかり固めて、過去問や演習問題を繰り返し解いていくことが合格の可能性を上げる秘訣になります。
各科目の特徴
国語(現代の国語・言語文化)
都立看護専門学校の国語の学科試験は長文読解3つを解いていく形式で行います。
出題形式に関しては、空欄補充・語句説明・内容把握などオーソドックスな国語の試験です。
長文読解に関しては医療・科学に触れている年もあるため医療や科学に関する漢字の読み書きや言葉は覚えておくと文章が読みやすくなります。
漢字に関しては熟語の理解を問う問題がどの大問にも含まれています。
また、熟語の組み合わせや構成を問う問題も頻出している傾向にあります。
そのため、漢字の読み書きに関しては単に書いて読んで覚えるではなく、熟語の「意味」や「用法」などを覚えておくことが必須になります。
そのほかの問題に関しては比較的オーソドックスな出題形式なので過去問や参考書で長文読解の問題に触れることが試験で結果を出す秘訣になるでしょう。
実際に出題された問題(2024年度入学試験より)
(例)熟語理解
称号を与えるという意味で「称」と用いている言葉として最も適切なものは、次のうちどれか。
選択肢:①対称 ②称賛 ③称揚 ④敬称 ⑤称量
例えば、熟語理解に関しては上記のような問題が出ます。
そのため、ただ熟語を覚えるだけではなく、その言葉の意味を覚えることが必要とされます。
数学(数Ⅰ)
数学に関しては例年、数Ⅰの範囲を網羅的に扱った問題の構成になっています。
そのため高校1年次に習う数学Ⅰの範囲は一通り押さえておくのが無難です。
また、試験の序盤には式の展開・因数分解が例年出題される傾向にあるため、高校数学の範囲だけではなく中学数学の範囲も抑えておきましょう。
難易度に関しては数Ⅰの範囲を広く扱っているため、難易度自体は標準的です。
そのため、基礎をしっかり固めて計算ミスなどを減らして「確実に」解くことを重要視して、過去問や参考書の問題を解いていきましょう。
教科こそ違いますが、どちらの科目も問題は標準的な難易度です。
問題も統一されているため、参考書や過去問ができるようになれば偏差値の高い都立看護専門学校でも合格できる可能性はあります。
実際に出題された問題(2025年度入学試験より)
(例題①)(2x²+3xy+y²)(2x²-3xy+y²)を展開したものは次のうちどれか。
選択肢
①4x⁴-13xy+y⁴ ②4x⁴-9xy+y⁴ ③4x⁴-7x²y²+y⁴ ④4x⁴-4x²y²+y⁴ ⑤4x⁴-5x²y²+y⁴
(例題②)2次不等式-x²+2x+15>0の解は次のうちどれか。
選択肢
①x<-5 ②x<-3 ③x<-3,5<x ④-3<x<5
上記の問題に関しては序盤〜中盤の方に出題されます。
基本的に都立看護専門学校の一般入試の数学で出る中学数学の範囲は【式の展開】【因数分解】が中心ですので、対策をする際は中学範囲の復習も忘れずにしましょう。
都立看護専門学校の一般入試を受ける学力の目安は?
高校1年生修了程度の学力
都立看護専門学校の一般入試は「現代の国語・言語文化(旧:国語総合)」「数学Ⅰ」と高校1年次で受ける科目です。
数学に関しては中学の内容を理解していないと解けない範囲もあるため、基礎学力に不安がある方は中学生の内容から復習することをお勧めします。
今回は都立看護専門の入試問題をはじめとした入試の傾向について紹介してきました。東京都立看護専門の入学試験のレベル感を知って、今後の情報収集や受験勉強のモチベーションに繋がればと思います。