社会人から「看護師になりたい!」と考えたときに、疑問に思うことを社会人・主婦専門予備校アイプラスアカデミーが実際に看護師になるために看護学校に入学した人たちのデータと体験談をもとにして解消していきます。
目次
社会人から看護師になる方法は?
社会人から看護師になる方法は、以下の4つの方法があります。
卒業までの年数 | 入学資格 | 得られる資格 | 補足 | |
---|---|---|---|---|
准看護学校 | 2年 | 中学卒以上 | 准看護師試験の受験資格 | 看護師になるためには准看護学校を卒業後に、全日制(2年)または定時制(3年)の看護師養成校を卒業する必要があります。 |
看護専門学校 | 3年 | 高校卒以上 | 看護師試験の受験資格 | |
短期大学の看護学科 | 3年 | 高校卒以上 | 看護師試験の受験資格 | |
大学の看護学部 | 4年 | 高校卒以上 | 看護師試験の受験資格 |
社会人はどの道を選んでいる?
社会人から看護学生になった人(社会人看護学生)は最近増えてきていると言われています。
厚生労働省公開の「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」によると、2022年度(令和4年度)に看護学校・准看護学校・大学の看護学部・短大の看護学科に入学した社会人の割合は次のようになっています。
看護学校 | 准看護学校 | 大学の看護学部 | 短大の看護学科 | |
---|---|---|---|---|
社会人からの入学者数 | 4,530名 | 3,933名 | 453名 | 41名 |
社会人からの入学者割合 | 50.6% | 43.9% | 5.1% | 0.5% |
上記数値は、基準を統一するため各学校の入学者から20歳未満の入学者を除いた数値となっています。
こちらのデータのように、社会人の方たちが、看護師・准看護師になるための道として選んでいるのは、看護学校と准看護学校が大半となっています。
また、社会人の方たちの中には、准看護学校を優先的に考えている方もいますが、看護師と准看護師の違いについて理解しておきましょう!
看護師と准看護師の違い
看護師と准看護師は異なる資格です。看護師の中に正看護師と准看護師があるわけではありません。
正看護師と准看護師の資格の違いは以下の2点です。
免許の違い
- 看護師は厚生労働大臣の免許(国家資格)
- 准看護師は都道府県知事の免許
准看護師は都道府県知事の免許ですが、他の都道府県でも勤務は可能です。
仕事内容
看護師と准看護師の業務内容は法律上は以下のように定められています。
- 看護師は「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする」
- 准看護師は「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、看護師の業務(傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助)を行うことを業とする」
となっており、仕事の内容は変わらなくても、准看護師の仕事は、医師や看護師の指示を受けたものでないといけないことになっています。
社会人から看護師になるには看護学校?准看護学校?
ここまでの通り、社会人の皆さんが看護師になろうとした時に選ぶ道は看護学校か准看護学校であることがわかりました。
資格の違いはわかったけど、看護学校か准看護学校かで悩む方も非常に多いです。
そのため、看護学校と准看護学校で、それぞれを選んだ社会人・主婦の層の違いについて紹介していきます。
看護学校と准看護学校では年齢層が違う!
2022年度の看護学校と准看護学校への年齢層別入学者数
以下のグラフは、厚生労働省公開の「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」から算出した、2022年度に看護学校と准看護学校に入学した人の、20~24歳・25~29歳・30~34歳・35~39歳・40歳以上の年齢層ごとの入学者数です。
20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40歳以上 | |
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看護学校 | 1,757名 | 1,084名 | 795名 | 494名 | 400名 |
准看護学校 | 833名 | 667名 | 669名 | 715名 | 1,049名 |
こちらのデータからわかるのは30代半ばまでの社会人の人たちは看護学校を看護師になる道として選んでいることがわかります。
また、35歳以上の方は准看護学校を選ぶ方が多くなっており、40歳以上の方は70%以上の方が准看護学校を選ばれていることがわかります。
40歳以上の社会人の方が准看護学校を選ぶ理由
40歳以上の社会人の方が准看護学校を選ぶ理由としては、以下のようなものが考えられます。
看護師になるのに年齢制限はない!
それでも、40歳以上の社会人の方でも看護学校に進学する人は非常に増えています。
そもそも、指定の教育課程を修了したら誰でも国家試験を受験することができるので、看護師の資格取得には年齢制限はありません。
周りは若い看護師ばかりで働きにくいかも…。という心配も少なくなってきています。
看護学校への40代以上の入学者はここ10年で1.8倍に増えています。
看護師は再就職に有利な職種なので、ご家族の転勤や妊娠・出産で仕事を辞める機会がある女性が積極的に取得しています。
40代の方で看護学校への入学を考えている方は、以下の記事もぜひご覧ください。
社会人から看護師になるために必要な学費は?
看護学校と准看護学校の学費はどれくらい?
社会人の方にとって、進学する看護学校や准看護学校の学費は非常に気になるところです。
学費については、地域や公立・医師会立など学校の設置者によって大きく異なります。
看護学校 | 准看護学校 | |
---|---|---|
通学のかたち | ほぼ全てが全日制 | 定時制が大半 |
卒業までに必要な期間 | 3年間 | 2年間 |
卒業までに必要な費用の目安 | 100万~300万円 | 100万円~130万 |
上記のように、必ずしも准看護学校の方が学費が安いわけではありません。
ただし、看護学校や准看護学校の中には、社会人・主婦の方を対象とした給付金や給付型奨学金の利用ができたり、自治体や病院からの貸与型(一定の条件を満たせば返還不要)の奨学金なども利用可能です。
現在お仕事をされている、または看護学校または准看護学校に入学する前の1年以内に退職された方は、専門実践教育訓練給付金の利用ができる場合があります。
妊娠・出産・育児などによる退職の場合は上記条件を満たさなくても利用できる場合があります。
専門実践教育訓練給付金については、以下の記事で詳しく説明をしています!
社会人の看護学校に在学中の生活費はどうする?
仕事をしていた社会人はどうしてる?
お仕事をされながら看護学校への進学を考えた方は、ある程度前から貯蓄をされている方が多いです。
進学後も学校がお休みの日にはアルバイトをすることを考えている方が大半です。
また、先ほども紹介していた専門実践教育訓練給付金の利用を前提で考えている人がほとんどです。
しかも、2024年度までに看護学校に入学した人は、看護学校に通う期間の生活費のサポートを目的をした、教育訓練支援給付金の支給も受けられます!
詳しくは以下の記事をご確認ください。
専業主婦の人はどうしてる?
専業主婦の人は看護学校や准看護学校の入学に際してご家族の協力は欠かせなくなってきます。
看護学校・准看護学校の入試面接の際にも、ご家族の協力が得られるかどうかについて確認されることが多く、合否にも影響します。
シングルママはどうしてる?
シングルママの方は、教育訓練給付対象の看護学校・准看護学校に入学をすると毎月の生活費を支援してもらえる「高等職業訓練促進給付金」の利用が可能になっています。
詳しくは厚生労働省「高等職業訓練促進給付金のご案内」のページをご確認ください。
社会人から看護学校・准看護学校に入学する方法は?
看護学校と准看護学校とでは、入試方式や入試科目、出題範囲に違いがあります。
看護学校には社会人を対象とした社会人入試がある!
看護学校には、高校生を対象とした推薦入試と学歴等を満たせば誰でも受験できる一般入試以外にも、社会人のみを対象とした社会人入試があります。
しばらく勉強から離れていた社会人の方でも看護学校への入学をしやすくするために設定されている入試方式です。
また、厚生労働省も社会人経験者の看護師の受け入れについて積極的に行うように指針を出しています。
厚生労働省「看護師養成所における社会人経験者の受け入れ準備・支援のための指針」
看護学校と准看護学校の入試の違いは?
看護学校と准看護学校の入試内容
看護学校 (社会人入試) | 看護学校 (一般入試) | 准看護学校 | |
---|---|---|---|
最も一般的な入試科目 | 国語または基礎学力試験 小論文 面接 | 国語・数学・英語 面接 | 国語・数学 作文 面接 |
出題範囲 | ー | 高校1年生程度 | 中学卒業程度 |
入試科目については、学校ごとに違いがありますが、多くの看護学校・准看護学校で設定されているのが上記の科目となります。
ケース1:勉強に自信がない人でも看護学校の社会人入試なら…
このような入試科目・出題範囲から准看護学校への入学を選ぶ社会人・主婦の方も多くなっていますが、看護学校の社会人入試であれば勉強に自信がない人でも合格する可能性は十分にあります。
ケース2:看護学校の社会人入試がダメなら准看護学校…
そのため、看護学校は社会人入試のみにチャレンジして、不合格だった場合は准看護学校へ進学するという受験計画の人もいます。
ケース3:社会人からでも半年~1年半で一般入試に合格!
勉強に自信がない人でも、アイプラスアカデミーで学習を開始して半年から1年で看護学校の一般入試に毎年合格しています。
大半の受講生の方が中学内容から学習を開始しても、半年から1年あれば看護学校の一般入試にも合格できます!
看護学校に合格しやすいのは社会人入試+一般入試?
アイプラスアカデミーで2023年度入試で最も合格者が多かったのは社会人入試です。
以下は2023年度の看護学校の社会人入試合格者の対策状況を表したグラフです。
アイプラスアカデミー受講生の看護学校の社会人入試合格者のうち、社会人入試のみの対策をしていたのは22.2%しかいませんでした。
一般入試も目指して学習をすることで、社会人入試に必要な力がついたのは間違いありませんが、それに加えて一般入試に向けても学習しているということは、看護学校の面接試験でも意欲の高さとして評価されます。
看護学校の社会人入試について詳しくは以下の記事をご覧ください!
社会人の看護学校の受験勉強の方法について詳しくは以下の記事をご覧ください!
社会人から看護学校に合格した人たちの声
ここまで記事を読んでくださった社会人のみなさんはきっと看護師になるために一歩踏み出そうと考えた方たちだと思います。
看護師・准看護師は、人手不足と高齢化により、これからの日本においても必要とされ続ける仕事です。
それに加えて、収入ややりがいの高さも魅力となっています。
まずは、看護学校か准看護学校あるいはその両方を受験する方向で考えても構いません。
まずは、一歩踏み出すことが大切です。
最後に、アイプラスアカデミーから2023年度入試で看護学校に合格した人たちからいただいた、社会人から看護師になろうと考えている人たちへのメッセージを紹介します。